PCで使うにはどれを選べばいい? 携帯電話事業者の公衆無線LANサービスの現状【イニシャルB】

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 外出先での通信手段として確保しておきたいのが、駅やファストフード店などで手軽に使える公衆無線LANだ。

 スマートフォンであれば、携帯電話事業者が提供するサービスを利用することで、エリアに入れば自動的に接続されるのが一般的だが、PCではそうはいかない。

 サービスの刷新が進められた各携帯電話事業者の公衆無線LANを、PCで活用するための方法を紹介しよう。

敷居が下がったがPCには優しくなくなった携帯電話事業者の公衆無線LANサービス

 スマートフォンを利用している限り、公衆無線LANの利用は楽だ。SIM認証が主流になったおかげで、エリアに入れば携帯電話事業者が提供するサービスへ自動的につながり、意識せずにWi-Fi経由でインターネットに接続できる。

 また、NTTドコモやauでは、契約の敷居も下がっており、回線契約者向けだった従来型のサービスから、自社のポイントサービスや決済サービスに加入すれば他社回線利用者でも接続できる形態へ、公衆無線LANサービスをリニューアルしている。

 これにより、事前の登録は必要になるものの、携帯電話事業者が提供する公衆無線LANを誰もが手軽に利用できるようになった。

以前は回線契約者向けに提供されていたNTTドコモやauの公衆無線LANサービスは現在、契約者以外にも開放されている

 しかし、このサービスをPCから利用しようとすると話が変わってくる。携帯電話事業者が提供する公衆無線LANは、あくまでも主役はスマートフォンであって、PCからの利用はあまり想定されていない。

 自動接続もできなくはないが、IEEE802.1x認証の設定が必要だし、そもそもPCからサービス自体を利用できない場合もある。

 リモートワークが普及した影響で、一周してPCから利用したいといニーズが高まりつつあるものの、サービス側はPCからの利用をあまり想定していないという、アンマッチな状況となっている。

 もちろん、ほかのフリーWi-Fiを使うという手もあるが、スマートフォンの感覚と同じく手軽かつ安全に、携帯電話事業者の公衆無線LANサービスを使えるのが理想だろう。

携帯電話事業者の公衆無線LANサービスまとめ

 それでは現状、携帯電話事業者の公衆無線LANサービスはどのようになっているのだろうか? PCからの利用という視点に限定して、各サービスをまとめてみた。なお、スマートフォンからの利用とはサービスやURLが異なる場合もある点には注意して欲しい。

au

 2020年9月1日から、従来のau Wi-Fi spotの後継サービスである「au Wi-Fiアクセス」をスタートしていて、auの回線契約がなくても利用可能だ。

 au Payユーザー向けのサービスである「au Wi-Fi アクセス スタンダードモード」が一般的だが、こちらはPCからの利用は不可。PCから利用する場合は、au スマートパスプレミアムユーザー向けの「au Wi-Fi アクセス セキュリティモード」サービスか、公衆無線LANサービスの提供元であるWi2のサービスを契約する必要がある。

  • プラン1:au Wi-Fi アクセス スタンダードモード
    URL:https://au.wi2.ne.jp/aupay/
    料金:0円
    利用条件:au Pay契約
    手続き:PCからの利用不可

UQ mobile

 独自の公衆無線LANサービスは提供していないため、au Wi-Fiアクセスまたは他社の公衆無線LANサービスの利用を検討。

povo

 独自の公衆無線LANサービスは提供していないため、au Wi-Fiアクセスまたは他社の公衆無線LANサービスの利用を検討。

NTTドコモ(ahamo含む)

 2020年3月25日から「d Wi-Fi」を開始していて、従来の「docomo Wi-Fi」は2022年2月8日終了済みだ。NTTドコモの回線契約がなくても、dポイントクラブ会員になればサービスを利用でき、PCからの利用も可能だ。

ソフトバンク

 ソフトバンクWi-Fiスポットを提供中。PC向けのサービスとしては、回線契約者向けの「ソフトバンクWi-Fiスポット」と、1日単位で誰でも契約できる「ソフトバンクWi-Fiスポット(EX)」プランが用意されている。

 ISP経由で提供される「BBモバイルポイント(おでかけアクセス)」も存在するが、現在は契約を停止しているISPが多い。ソフトバンクの固定回線ユーザーは月額319円で利用可能だ。

ワイモバイル

 独自の公衆無線LANサービスは提供していないため、ソフトバンクWi-Fiスポットまたは他社の公衆無線LANサービスの利用を検討。

LINEMO

 独自の公衆無線LANサービスは提供していないため、au Wi-Fiアクセスまたは他社の公衆無線LANサービスの利用を検討。NTT BBのSecure Wi-Fiを使ったWi-Fiオプション(月額200円)は、2021年6月30日でサービスを終了している。

楽天モバイル

d Wi-Fiの汎用性が高い

 このように、現状、携帯電話事業者が提供する公衆無線LANサービスは、PCから利用するには敷居が高い。加入している携帯電話事業者を考慮した場合、以下のようなケースであれば、PCからも公衆無線LANサービスを追加料金なしの無料で利用することが可能だ。

無料でPCから公衆無線LANサービスを利用できる条件

  • auのスマートパスプレミアムに加入
    →au Wi-Fiアクセス セキュリティモード
  • dポイントクラブに加入
    →d Wi-Fi
  • Softbank契約かつ対象プラン加入かつLTE内蔵PCを利用
    →ソフトバンクWi-Fiスポット

 注目は、やはり「d Wi-Fi」だろう。dポイントクラブに加入するだけと敷居が低い上、PCからの利用制限もなく、費用負担なく無料で利用できる。PCでIEEE 802.1x認証の設定をしておけば、エリアに入るだけで自動接続も可能だ。

 外出先でPCから公衆無線LANを利用する可能性がある場合は、スマートフォン契約の回線事業者に関係なく、このサービスを登録しておく価値があるだろう。

 前述したように、リモートワークでPCから公衆無線LANを利用したいというケースも増えているので、ほかの携帯電話事業者にもぜひPC向けに公衆無線LANを手軽に利用できるような改善を検討して欲しいところだ。

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