未発売のApple純正デュアルUSB-C電源アダプタの存在が明らかに

AppleはiPhoneやiPadを充電するための電源アダプタとして、20W USB-C電源アダプタや30W USB-C電源アダプタを販売していますが、複数台の端末を同時に充電できるような電源アダプタはこれまで販売していません。Apple関連メディアの9to5Macが独自に入手したサポートドキュメントによると、Appleはひとつで2台の端末を充電可能な35WデュアルUSB-C電源アダプタの販売を計画していることが明らかになりました。

Apple support doc reveals unreleased dual USB-C 35W power adapter – releasing soon? – 9to5Mac
https://9to5mac.com/2022/04/08/apple-support-doc-reveals-unreleased-dual-usb-c-35w-power-adapter-releasing-soon/

9to5Macが入手したAppleのサポートドキュメントには、「35WのデュアルUSB-C電源アダプタとUSB-Cケーブル(未付属)を使い、端末を充電してください。USB-Cケーブルを電源アダプタのいずれかのポートに接続し、必要な場合は電気プロングを伸ばして電源アダプタをコンセントにしっかりと挿し込みます。コンセントに簡単にアクセスして抜けることを確認してください。その後、USB-Cケーブルのもう片方を端末につなぎます」と書かれており、35WデュアルUSB-C電源アダプタが2台の端末を同時に充電できる電源アダプタになっていることがわかります。

このサポートドキュメントは公開後すぐに削除されてしまったとのこと。Appleは2台以上の端末を同時に充電できる電源アダプタをリリースしたことがないため、35WデュアルUSB-C電源アダプタが発売されれば同社初の複数台同時充電可能な電源アダプタとなります。9to5Macは「出力が35Wあれば複数のiPhoneやiPhoneとApple Watchあるいは別のアクセサリを同時に充電するには十分です」と記しました。

例えばiPhoneシリーズの中でもハイエンドモデルとなるiPhone 13 Pro Maxの場合、27Wの出力があれば高速充電が可能です。一方、Apple Watch Series 7の場合、高速充電するのに必要な出力はわずか5W。つまり、35Wの出力があればiPhone 13 Pro MaxとApple Watch Series 7を同時に高速充電することができます。

また、サポートドキュメントによると35WデュアルUSB-C電源アダプタはUSB-Cの充電規格であるUSB Power Deliveryにも対応しているとのこと。サポートドキュメントに記されていた詳細なスペックは以下の通り。

・Input(入力)：100～240V/1.0A
・Output(出力)：5V DC/3Aまたは9V DC/3Aまたは15V DC/2.33Aまたは20V DC/1.75A

なお、9to5Macは「Appleがこのアクセサリをいつリリースするのか、そもそもリリースするのか自体も不明です。AppleはGaN(窒化ガリウム)テクノロジーを使って電源アダプタラインを拡大しようとしているというウワサを何度も耳にしてきました。この35WデュアルUSB-C電源アダプタが発売されればApple初のスタンドアロンGaN充電器となる可能性がありますが、Appleはサポートドキュメント内でGaNテクノロジーについて言及していません」と記し、35WデュアルUSB-C電源アダプタがGaNテクノロジーを採用しているか否かについては不明としています。

一般的に、GaNテクノロジーを採用すると充電用の電源アダプタをより小型にしながら、高速充電できるようにすることが可能。これにより、既存の電源アダプタと同等のサイズで複数台の端末を同時に充電できるような電源アダプタを作成することもできます。もうひとつの可能性として9to5Macが挙げたのは、35WデュアルUSB-C電源アダプタをMagSafeデュアル充電パッドと同時にリリースするというアイデア。MagSafeデュアル充電パッドではiPhoneとApple Watchを同時に充電することができますが、この場合、Apple Watchを専用の高速充電器で充電するよりも充電速度が遅くなります。これを解消するための電源アダプタとして、Appleが35WデュアルUSB-C電源アダプタを考えている可能性があるというわけです。