寝るときに真っ暗なのが苦手だったり、疲労でそのまま寝落ちしてしまったりと、いろいろな理由で、電灯をつけたまま寝た経験は誰しもあるはず。このような「就寝時に光を浴びること」は心拍数の上昇などを引き起こし、心臓病や糖尿病のリスクを増加させる可能性が研究で示唆されました。
Light exposure during sleep impairs cardiometabolic function | PNAS
https://doi.org/10.1073/pnas.2113290119
Even moderate light exposure can harm your health, study finds | PhillyVoice
https://www.phillyvoice.com/moderate-light-exposure-sleep-heart-rate-insulin-resistance-health-study/
ノースウエスタン大学のアイビー・メイソン氏らは、20人の若い被験者に「中程度の光」と「薄暗い光」のどちらかの室内環境で寝てもらうという実験を行いました。前者の光量は100ルクスで、一般的に室内灯が全灯状態にあるときの明るさ。後者の光量は3ルクスで、ロウソクの光よりも暗く、月明かりよりもわずかに明るいほどの明るさです。
それぞれの室内環境で一晩寝てもらったところ、中程度の光の中で寝た人は薄暗い光の中で寝た人よりも心拍数と血糖値の上昇が見られ、濃度に見合った効果を発揮できていないというインスリン抵抗性が示されたとのこと。
また、両群の被験者が報告した睡眠の質には違いがなかったものの、レム睡眠の割合が中程度の光の中で寝た人ほど少なかったことも分かっています。メイソン氏らは、一晩でも睡眠時に電灯をつけっぱなしだと心臓病や糖尿病のリスクを高める可能性があるとしています。
ノースウェスタン大学のフィリス・リー氏は「睡眠中に光に当たらないようにするか、光を最小限に抑えることが重要です。テレビを消音にして付けっぱなしにすることや、枕元に明るいランプを置くことも心臓病や糖尿病を引き起こす可能性があります。少なくとも就寝の1時間前には照明を暗くしてください」と述べています。
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