音声配信サービス「Voicy(ボイシー)」の運営会社は2022年2月15日、不正確な医療情報を扱う放送について対応を強化すると発表した。
同社は取材に、発信者の増加に伴う体制整備が不十分だったと話す。
月収100万の配信者も
ボイシーは2016年に始まった音声メディア。専門家や著名人、企業の音声放送を楽しめる。年間利用者は1300万人と”日本最大級の音声プラットフォーム”を標榜する。
収益機能を通じて月100万円を稼ぐ配信者も複数いるという。市場の拡大を受け、「stand.fm (スタンドエフエム)」や「Radiotalk(ラジオトーク)」、「Clubhouse(クラブハウス)」、「Twitterスペース」と競合が相次いで参入しているが、媒体資料によれば利用者を年々伸ばしている。
ボイシーの運営会社は15日、医療情報を扱う番組について、複数の指摘があったと公表した。
具体的な内容については明かしていないが、ボイシーで科学的根拠の乏しい健康・医療情報が広まっているとして、プラットフォーマーの責任を問う声がツイッターで拡散していた。
社内で委員会を立ち上げ、外部の有識者も踏まえて議論した結果、「医療情報を取り扱うには、体制をより整備する必要があるとの判断に至りました」と説明する。
ボイシーの規約では、薬機法や医療法に抵触する行為を禁止している。違反のおそれのある放送については「外部の有識者とともに慎重に判断の上、該当放送主への対応依頼を行って参ります」と宣言した。
運営会社は17日、J-CASTニュースの取材に、問題の背景を「おかげさまで多くの方に聴いていただけるサービスになりました。それと同時に、医療を含む専門家の方々にもパーソナリティとして参画いただくことができました。そのなかで、体制の整備が不十分だったことが今回のご指摘の原因と考えています」と答える。
配信者にとって「最大限自分らしく発信をしていただける場所でありたい」との一方、「利用者の日常を豊かに彩ることを目指すプラットフォームでもあり、誤った情報はそこから離れてしまいます。そのバランスを考慮しながら、リスナーやパーソナリティをはじめとしたみなさまに信頼される音声プラットフォームを目指していきたい」とした。
今後は、配信者への啓発や必要に応じてコンテンツの削除を行うなど、具体的な整備を進めていく。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)