2021年11月1日にレギュラーシーズン全日程が終了し、6日にクライマックスシリーズが始まったセ・リーグだが、今季、最終盤まで優勝を争った1位ヤクルトと2位阪神の成績には、かつての名将との奇妙な「縁」が見いだせるようだ。
ヤクルトが「73」、阪神が「77」
レギュラーシーズンの成績はヤクルト73勝52敗18分で勝率.584、阪神77勝56敗10分で勝率.579、ゲーム差なしの5厘差でヤクルトが優勝した。2位チームが1位の勝利数を上回った例はセ・リーグでは1986年の広島(73勝で優勝)と巨人(75勝で2位)以来の35年ぶりの珍事になった。
ヤクルト73勝、阪神77勝という勝利数は、それぞれ故・野村克也さんと故・星野仙一さんの背番号と偶然にも一致していた。野村さんは1990年から98年までのヤクルト監督時代に背番号73を着用し、リーグ優勝4回、日本一3回の黄金期をもたらす。星野さんは中日(1987~91、96~01)・阪神(02~03)・楽天(11~14)での監督時代に一貫して「77」を着用、阪神では暗黒時代を脱し2003年に18年ぶりのリーグ優勝に導いた。
ヤクルト・高津臣吾監督は野村監督時代にクローザーに登用され、MLB・韓国リーグ・台湾リーグでもクローザーを務めた。
1991年中日入団、97年オフに阪神にトレード移籍した阪神・矢野燿大監督は中日と阪神で星野監督の指揮下にいた。中日時代は控え捕手だったが阪神に移籍し正捕手に定着、星野阪神でも引き続き正捕手として活躍した縁がある。
ヤクルト・阪神は指揮官も師事した元監督の背番号と同じ勝数でシーズンを終えた上、勝数の少ないヤクルトが勝率で上回る奇遇続きで「まさに奇跡」「感慨深い」とファンも驚いているようだ。