緊急事態宣言も解除されて、飲食店が通常営業に戻っているのにテレワークの流れは止まらない。スタバなどはテレワークおじさんでいっぱいだ。そこで、ノマド時代から個人的に活用してきたテレワークスペースを紹介する。
編集部注:本記事で紹介しているような各種施設は、場所によってパソコン等の持ち込みや長時間の使用・滞在等を禁止している場合があります。あらかじめ各施設のウェブサイトなどでルールを確認し、ルールを破ることがないようご注意ください。なお、コロナ禍以降、閉鎖されている施設や、利用制限・入場人数制限が行われている場合もありますのでご注意ください。
図書館
図書館はお金がいらないのに作業ができる場所でよい。電源やWi-Fiがある図書館も多い。最近はコロナ対策で予約制の図書館が増えて意外と席が空いている。
個人的に東京でいちばんよかった図書館は広尾の東京都立中央図書館である。貸出禁止の図書館のうえに、デザインやマーケティングやソフトウェア系の技術書が異様に多く、仕事に飽きたときは、かなりモチベーションが上がる。正直、中の人に聞きたいくらい本のチョイスがよい。機械学習からWebやら論理回路やらVimの攻略本までそろっている。
暇な日は技術書のチュートリアルをやりまくれば、へんなプログラミングスクールの2兆倍効果あると思う。貸出禁止なので、当日の内に読みきらないといけないタイムアタック感もすごい。さらに図書館内の5Fに食堂もあるので、長時間の作業にはありがたい。引っ越して遠くなったのであまり行かなくなった。
図書館によってはキーボードなど操作音を出すのが禁止だったり、そもそもパソコンの持ち込みが禁止のところもあるので、図書館のルールに従ってほしい。
スーパーのイートイン
作業場所の新たなダークホースである。最近、意外と大きめのスーパーのイートインで電源とWi-Fiをそろえているところが多いうえに、体に良い食べ物がそろっている数少ない場所だ。
長時間作業すると、どうしても食べ物が必要になるが、カフェやファミレスだと脂質・糖質・炭水化物が多いものしかない。一方でスーパーだとプチトマトなり、果物なり、サラダチキンなり健康的に良さそうなものを無限に売っている。
ただ、自分のようなオッサンがスーパーのイートインでプチトマトを食べながら、黒い画面のターミナルでゴリゴリのコードを書いている姿はかなり異様だ。しかし、周りの客が買い物おばちゃんなので、空気感が仕事モードになりにくい。また、長時間の滞在を禁止しているところもあるので注意しよう。
コインランドリー
コインランドリーが意外に作業が捗る。洗濯が終わるまでのタイムアタックになり超絶劇的に集中できる。洗濯から乾燥まで1~1.5時間を要するので丁度、何かを集中するのに丁度よい時間で捗った。
独身のときは家に洗濯機を置かないポリシーだったので、ことごとく洗濯物はコインランドリーで行っていた。「洗濯が終わるまでに資料を1本作ろう」などという目標が立てやすい。家事も進む。一石二鳥だ。飛行機の中だと集中できるのに似ている。結婚して子どもが2人できるとコインランドリーなんて行ってられないので今は無理。
児童館
子どもが小さくて面倒を見なくてはいけないけれど、どうしても仕事をしなければいけない、というときには、児童館が作業するのによかった。電源とWi-Fiを完備しているところもある。子どもを遊ばせておいて、パソコンを開いて作業をしていたら、はたから見るとネグレクトパパだが、他のパパもだいたいスマホでゲームとかしているので問題はない。他のママからの目は厳しくなるが気にしない。
いつの間にか、子どもが他の子とケンカしていても気付かないのが難点だ。
ネットカフェ
起業したばかりのときは、ネットカフェでよく開発していた。パック料金によるタイムアタックで仕事をせざるを得なくなる。時間内に作業を終えないと追加料金が発生するからだ。
作業前に必ず「闇金ウシジマくん」を読み「こうならないように頑張ろう」と奮い出させてから作業するというルーチンをしていた。起業のためにひとりで上京し、渋谷の暗いネットカフェで読むウシジマ君は場所が場所だけに生々しく、明日自分がこうなるかもしれないという思いになる。
ネットカフェは「バグース」か「アプレシオ」、「カスタマカフェをよく使っていた。特にカスタマカフェの店舗は、ネットカフェなのに完全個室で集中できる施設が多い。ただ、本気で漫画を読み始めて一切仕事が進まないでタイムパックが終了することも多い。
スーパー銭湯
多くの人がやっているように、スーパー銭湯もいい作業場所だった(過去形)。池袋の「タイムズ スパ・レスタ」、新宿の「テルマー湯」、大井町の「おふろの王様」、横浜の「SPA EAS」などを使っていた。
お風呂より作業環境を重視したいときは「安心お宿」でコワーキング併設店舗が良いが、風呂はスーパー銭湯ほど豪華ではないのでトレードオフである。
かつては、「ペースが落ちたら、一度、サウナに行って脳をリセットする」ということをしていた。30代はそれでバリバリ仕事ができた。しかし、歳をとると、サウナで脳はリセットできても、体力は余計に減ってしまうので作業効率は落ちるようになってしまい、スーパー銭湯で作業することはなくなった。かなしい。
ルノアール
東京周辺でよく見かけるカフェの「ルノアール」もテレワークスペースの定番だ。仕事している雰囲気になるので空気は良い。
ただし、渋谷周辺だと周辺の客のトークがディープすぎて仕事にならないことがある。例えば、エンタの神様に出ていた一発屋芸人が仕事の相談をしていたり、クラブイベントの反省会をしていたり、謎な仮想通貨の投資や保険の勧誘をしていたり、社会の縮図を見れて良い(耳がダンボで仕事にならない)。
以上、思いつくまま、今どきのノマドスペースについて述べた。最近、ハマっているガジェットは投げ売りされていた「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」だ。大半の作業はこれでいい気がしてくる。
村上福之の在宅ワーク環境
- メインPC:Macbook Air/Lenovo IdeaPad Duet Chromebook/Let’snote RZ-6
- ディスプレイ:1画面
- キーボード:パソコンのキーボード/Thinkpad Space Saver/HHKB Professional
- マウス/トラックボール/トラックパッド:パソコンのトラックパッド
- カメラ:内蔵カメラ
- マイク/ヘッドフォン/スピーカー:ノーブランドの有線マイク
- ビデオ会議サービス:Zoom
- 机:なし
- 椅子:無印のダメ人間ソファ
- その他小物:なし
村上 福之
たまにコード書いたり、いらんことをしている人。