エムエスアイコンピュータージャパン株式会社は、第12世代Coreに対応したIntel Z690マザーボードを発表した。
いずれも電源への要求がさらにシビアになったCPUに対応すべく従来のZ590世代からVRM電源周りを強化しており、上位モデルでは1フェーズあたりの対応アンペア数を90Aから105Aまで引き上げた。加えて、エントリークラスでも14+1+1フェーズとなり、普段遣いでも十分な安定性を確保したとしている。
また、PCI Express 5.0やDDR5といったデバイスの高速信号に対応すべく、サーバーグレードのPCBを採用したり、ノイズを減らすIT-170基板、および最大12層基板を採用するといった工夫がなされた。
拡張スロットはPCI Express 5.0対応を果たしており、対応デバイスリリース時にはx16レーンで双方向128GB/sの転送速度を実現する。高速信号に対応するため、すべてのモデルで拡張スロットは従来のDIP実装(スルーホール)ではなくSMT(表面)実装が用いられている。
同様にメモリスロットも高速信号に対応すべくSMT実装となった。これによりオーバークロックで最大6,666MHz動作に対応できるとしている。上位のMEGシリーズでは、メモリ装着時に基板のたわみによって生じる信号ロスに対処するため、背面に強化用の金属バックプレートを装備した。
チップセットやCPUの改善により、M.2スロットは最低でも3基、上位モデルでは5基(うち1基は3.0対応)を搭載し、ほとんどのユースケースにおいてオールM.2構成で十分対応できるようになったとしている。なお、M.2 SSDの固定方法は「EZ M.2 CLIP」というものとなり、ツールレスで装着できるようになり、ケース内でネジを落としてしまうようなことを防げるとしている。
放熱性も重視しており、MEG/MPGのVRMヒートシンクは上部と背面をヒートパイプで接続し、排熱面積を拡大。また、Mini-ITXモデル「Z690I UNIFY」ではI/Oパネルに熱を強制排出する小型のファンを備えた。加えて、M.2ヒートシンクは上部のみならず底面も熱を逃せる構造となっており、SSDの温度を効果的に引き下げられるとしている。
ユーティリティの「MSI Center」には、新たにAIを駆使したというファンコントロール機能「Frozer AI Cooling」を搭載し、パフォーマンス重視とサイレントモードを切り替えられる。また、RGB LED制御の「Mystic Light」の機能も強化され、3つのエフェクトを選択して適用できるようになった。
なお、Z690チップセットにはUSB 3.2 Gen 2×2の機能が内蔵されたが、MSIのマザーボードではすべてのモデルにUSB 3.2 Gen 2×2対応フロントピンヘッダを備えた。このほか、MEG Z690 ACEとMEG Z690I UNIFYはThunderbolt 4を2基備え、クリエイターの利用に好適としている。さらに、Intel 2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E(DDR5で無線LAN搭載モデル)、ALC 4080/4082高音質オーディオを備え、Windows 11対応のためTPM 2.0の機能が標準でオンになっている。
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