神田の「日本橋ふくしま館」に行った際、最も驚いた蕎麦がある。それが今回の『桧枝岐(ひのえまた)そば』なのであるが、ななな、なんと……
「超極細」「極細」「レギュラー」「極太」「超極太」と、まるでシャーペンの芯売り場のように、各種揃い踏みだったのである。
太さに関して詳しく解説すると、超極細(1mm)、極細(1.3mm)、レギュラー(1.6mm)、極太(1.8mm)、超極太(3.75mm)である。
この5種類の蕎麦を混ぜ合わせて「乱切り」してえ……と思いつつ、どれにしようか迷う。
実は過去に2件ほどこの蕎麦のリクエストが届いていたのだが、そこには「レギュラー」と書かれていた。となるとレギュラー……を手にしようと思ったが、
太めが好きな私は、極端な太めの超極太(3.75mm)をチョイスした。
食べたいものを、俺は、食べる!
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
てゆうかすごすぎ!
10分(!!!)ゆでて……
なんか冷水でシメる時の感触が「どじょう」みたいだなと思ったのはさておき……
完成。
して、そのお味は──
見た目、完全にモンスターである。蕎麦なのに、アメリカ感すら感じるほどのモンスター。まさしくこれは “規格外”。んで、口に含むと……
すごすぎるなこれは(笑)
フェットチーネを通り越して、もはやラザニアを感じるくらいのワイルド食感。いや、ラザニアではないかもしれない。これはもはや……生き物かもしれない。蕎麦という生き物の踊り食いに近い。
「家そば」か「外そば」かで言えば、完全に「宇宙」であろう。なにせ天文学的なほどに規格外なのだから。
だだ正直……「レギュラー」で良かったのかも……と思ったりも(笑) 太すぎて、厚すぎて、蕎麦のなんたるかが、よくわからないのだ。一体ワタシは何を食べているのか……という気にさえなっていた。
あまり自分の好みばかり優先で選ぶのもいかがなものかと反省しきり。選択肢が山ほどある時は、まず真ん中から攻めるべきかも。勉強になった。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24