中国の大手検索エンジンである「Baidu(百度)」は、独自に開発したチャットAI「ERNIE Bot(文心一言)」の偽物がAppleのモバイルアプリストアであるApp Storeに大量発生しているとして、コピーアプリの開発者とAppleを訴えました。
Baidu sues Apple, app developers over fake Ernie bot apps | Reuters
https://www.reuters.com/technology/baidu-sues-apple-app-developers-over-fake-ernie-bot-apps-2023-04-08/
Baidu sues Apple to remove Ernie AI chatbot apps from App Store
https://appleinsider.com/articles/23/04/08/apple-sued-to-stop-app-store-clones-of-baidus-ernie-ai-chatbot
BaiduのチャットAI「ERNIE Bot」は、テキスト・画像・音声・方言・動画などを自動生成することができる汎用性の高い中国語に対応したチャットAIです。BaiduがChatGPTのような対話側AIを開発していることは、ERNIE Botの発表前からウワサされていました。
BaiduがERNIE Botを発表したのは2023年3月16日のことで、発表時にはすでにメディア、銀行、自動車メーカーなど650の企業がERNIE Botの技術を利用する契約を結んでいるとBaiduは発表していました。
ERNIE Botは記事作成時点ではウェイティングリストに参加した人が順次アクセスコードを受け取って利用できるようになっている段階で、3月21日時点では「ウェイティングリストに87万人以上が待機している」とThe Registerは報じています。ただし、Baiduは声明でアクセスコードを販売する人に対して警告を発しているため、アクセスコードの転売が行われていることが示唆されています。
そんなERNIE BotのコピーアプリがApp Storeで大量発生しているとして、Baiduは北京海淀人民裁判所で訴訟を提起しました。BaiduはWeChatの公式アカウントのひとつであるBaidu AIで、「現在、ERNIE Botに公式アプリは存在しません」という声明を出しており、記事作成時点で存在する「アプリ版ERNIE Bot」と思われるものは、すべてコピーアプリであると言及しています。また、Baiduは北京海淀人民裁判所に提出した書類でも、「弊社が公式発表するまで、App Storeやその他のアプリストアに存在するERNIE Botアプリはすべて偽物です」と記しており、現存するERNIE Botアプリは偽物であるとしています。
ロイター通信はこの一件についてApple側にコメントを求めていますが、記事作成時点で返答は得られていません。
ロイター通信がApp Store上でERNIE Botの中国語名である「文心一言」と検索したところ、少なくとも4つのERNIE Botのコピーアプリ(偽物)を見つけることができたとしています。
なお、Baiduは画像生成AI「ERNIE-ViLG」も公開しており、これを使ってどんな画像が生成できるかは以下の記事を読めばわかります。
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