「ちゃんちゃんこ」と「はんてん」の大きな違いは “袖の有無” らしい。ざっくり言うと、ちゃんちゃんこは袖がないから着脱が楽で高齢者や子供用の商品が多く、はんてんは羽織を簡略化したもので江戸時代に庶民の防寒着として広まったと言われている。
今回Amazonで購入したのは「市田ねこ」なる長野伝統の袖なしちゃんちゃんこ。ちゃんちゃんこなら、あえて “袖なし” と書く必要がない気もするが、とにかく暖房いらずのふんわりエコな伝統着だという。価格は3300円。実際に使ってみたので報告したい。
・まるでネコを背負っているみたい
もう1度簡単に説明すると「市田ねこ」とは、寒がりな女性はもちろん男性もスーツの下に着用できるオシャレなインナーのこと。長野ではさまざまな地域でねこを背負って元気に働く光景が見られるという。なんなら使い捨てカイロよりもあったかいそうだ。
しかし評価は星2.4で、クチコミを確認すると「背中に子供の座布団を背負うだけ」「肩から華奢なヒモで薄手の座布団を背負うだけ」「ゴミ商品」「返金しろ」などとブチギレられている。てか、彼らは長野の伝統着だと分かったうえで購入しているのだろうか。
実物を取り出してみると……
うむ、とても上品だし丁寧に作られている。一見すると「ペラペラな座布団」のようだが、薄いのにふんわり暖かい感触だ。この肌触りは百貨店の寝具売場レベル……ただ、何も知らなかったら「座布団にヒモが付いているだけ」のように見えてしまうかもしれない。
マジで暖かいので詳しく調べてみたところ、市田ねこは近江の高級特製真綿を贅沢に使用しているらしい。空気がたっぷり含まれているから薄くても暖かいという。ちなみに近江真綿といえば、高級寝具にも使われている有名ブランドである。
・予想外
背負ってみると背中がポカポカ暖かい。いや本当に予想外……お年寄りにプレゼントしたらきっと喜ばれるだろう。背中が布団で包まれているような感覚だ。在庫の関係で「婦人用」を購入してしまったが、サイズが合えばもっと快適に違いない。デザインも色々あったぞ。
男性ならスーツというより作業着の下に着用するくらいがちょうどいいかも。簡単に「薄手の座布団を背負っているだけ」と判断してしまうのはもったいない着心地だ。薄っぺらいのはコメントの方である。
ガチで暖かいので「敬老の日」のプレゼント候補にしてみてはどうだろうか。まさか低評価商品の中でこんな良いものと出会えるとは……伝統着の使い心地は抜群でした。
参考リンク:Amazon「市田ねこ(紳士・婦人用)リバーシブル 長野伝統の袖なしちゃんちゃんこ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.