福原愛選手の「サーッ!」や張本智和選手の「チョレイ!」など、たびたび叫び声が話題になる卓球。あの点を取った時の叫び声は一部のプロ選手に限らず、普通の卓球部や卓球プレイヤーでも言うものなのだろうか。
言う。中高6年間卓球部だった私が言うのだから間違いない。今日はそんな話をさせてください。
卓球三銃士を連れてきたよ
万に一つの可能性だが、もしかすると叫んでいたのは私だけかもしれない。他の人にも話を聞いてみたい。
左から会社の同僚の中野さん、中学高校の友人の篠山くん、そしてライターの山田窓さん。中野さんは小学校から大学まで、篠山くんは中学と高校、山田窓さんは中学の時に卓球部に所属していた。4人の共通点は私と卓球だけ。私の全人脈を用いた人選である。
卓球部はサーッ!と言うしヨー!とも言う
りばすと:
早速ですが、点を取った時に「サーッ」などと叫びますか?
篠山:
叫ぶ。
中野:
全然叫ぶ。
そうなのだ。全然叫ぶのだ。「卓球部は本当に『サーッ!』と言う」というタイトルを掲げたが、卓球経験者からすると「ごはんを食べないとお腹が空く」くらい当たり前のことなのだ。
中野:
ただ「サーッ!」ではないですね。僕は「ウォレイ!!」みたいな感じ。小学校の頃は「ジョウ!」とも言ってたかも。
篠山:
あー。俺も「サーッ!」というより「ヨー!」だなあ。
山田窓:
僕は「ヨーヨー!」でした。
りばすと:
こういう叫び声って意味的には「よし」とか「よっしゃ」から来てるのかな。
中野:
うーん、特に意味を気にしたことはなかったですね
山田窓:
人によって色んな叫び声がありますよね。どちらかというと女の人が「サーッ!」で男の人は「ヨー!」とか「オー!」とかのイメージかな。
篠山:
なんとなく母音で分かれている気がしますね。女の人はaで男の人はo。
りばすと:
全然詳しくないけど、なんだか言語学みたいな話だ。僕は「サーッ!」だったけど、確かに傾向としてはあるのかも。
今回この会を開催するにあたり、事前に叫び声に関するアンケートを Twitter 上で取ってきた。下記は「点を取った際に何と叫んでいましたか」という質問に対する回答一覧であるが、確かにおおよそ「サーッ!」派か「ヨー!」派に分かれている。性別を取っていなかったのが悔やまれる。
中野:
(アンケートを見ながら)「ヨー!ナイッソー!ヨー!」あー!中学の時にいました
篠山:
三段活用みたいになってる人いたな〜。「チョウ」もいた。他校にいた。
山田窓:
なんか元々原形があって、そこからだんだん派生していったとかもありそう。「ソー」もあったけど、それは「サーッ」と「ヨー」の中間とか。
篠山:
イントネーションもだいたい「サーッ」と同じですしね。「s」「c」「y」「a」「o」あたりを好みで組み合わせているイメージ。
りばすと:
君だけの最強の叫び声を作り上げよう。
僕たちはなんで叫んでいたんだろう
りばすと:
そもそもなんで叫ぶようになったんでしょうね。僕のいた学校では別に声を出せとか言われたわけではなくて。そりゃ点を取ったらうれしいけど、そういうのは他のスポーツだって同じですよね。それなのに卓球だけすごい叫ぶ。
中野:
プロ選手が叫んでたから、とかそういう憧れでもないですよね。
篠山:
ないな〜。部活の先輩が声出してたからなんとなくとかなのかな。プロというよりは、まわりにいる上手い人に影響される感じ。
山田窓:
僕の学校は上手い人しか言っていい雰囲気なかったですよ。
中野:
えっ
りばすと:
そんなことあります?
山田窓:
当時だいたい卓球部が50人くらいいたんですけど、練習中に叫んでいい雰囲気だったのは上位3〜4割くらいでした。なので僕はあまり叫ぶ方ではなかったんですけど、一度部内の大会で熱くなって「ヨーヨー」って叫んだらその後一時期イジられました。
篠山:
叫んだらイジられるの一周回って新しいな
りばすと:
そういえばアンケートにも「当時は叫ぶ文化がなかった」とか、「顧問から叫ぶのを禁止されていた(が叫んだ)」という意見がありました。そのあたりの時代背景や学校ごとの文化の違いはあるのかも。
中野:
僕は声を出さないと先輩に怒られました。これほぼ負けるな〜という試合でも力いっぱい叫ばないといけなくて。結構大変でした。
篠山:
本当に学校によってそれぞれですね。
団体戦はベンチも叫ぶ
篠山:
団体戦は応援の意味で声出ししてましたよね。僕の学校は点を取るたびに「ヨー、ソー、ヨー!」と皆で言ってました。それはなんとなく決まりというか、示し合わせていた気がする。
山田窓:
応援は確かにありますね。
りばすと:
大学の卓球も同じような感じなんですか?
中野:
応援は大学の頃が一番激しかったですよ。もう声で相手を倒すくらいの気持ちで叫んでました。
りばすと:
ああ、想像つくな……。
篠山:
中高大の中で大学が一番血気盛んですからね。
りばすと:
点を取った時に後ろで応援しているチームメンバーに振り向いて、声を合わせて叫んでる選手もいましたね。
中野:
あったあった。まさにチーム一丸となって、という感じ。
実際にやってみよう
ここまで和気藹々と卓球をしながら話してきたが、集まった皆がどんな風に叫んでいたのか実際に見てみたい。ここは一つ真剣勝負っぽく試合をしながら声を出してみよう。
中野:
ちなみに今はラケットごとは相手に渡さなかったりします。両面のラバーを見せるだけですね。
りばすと:
最新の卓球情報だ。
篠山:
10年以上前の記憶だけでやってるからな、これ。
まずはこの中でもっとも卓球歴が長い中野さん。お手本のような叫び声を聞かせてくれ。
[embedded content]
完全にこういうことです
りばすと:
点取った後まわる人いたな〜
中野:
言われてみればそうだ。完全に癖ですね
続いて山田窓さん。
[embedded content]
ガッツポーズ付きの「ヨー!」いただきました
中野:
普段は温厚だけど、試合ですごい叫ぶ人もいましたね。
山田窓:
「こち亀」の本田みたいだ。
さらに続くは篠山くん。
篠山:
大人になったからか、俺声出なくなったな。
りばすと:
そういうパターンもあるんだ。
[embedded content]
皆叫ぶものだから逆にクールな人に見えてきた
最後に私。
やはり卓球部は叫ぶのだ。その理由は未だ分からないが、叫ぶと気分がいいし、何か盛り上がるのだ。
勝鬨のようなものだと思ってください。
卓球部は叫ぶし、細かいあるあるがたくさんある
本文では特に取り上げなかったが、話している内に「サーブの前にも小さく『サッ』と声を出す」「レシーブ時にラケットをくるくる回す」「ミスをした時にラバーを確認する(ラバーのせいにする)」などたくさんの卓球部あるあるが出てきた。点を取った時の叫び声もその中の一つにすぎないのだ。
今回はだいたい同世代の人達に話を聞いたが、今の中学生や高校生は一体どんな叫び声をあげているのだろう。「チョレイ」に影響されていたりするのだろうか。市大会などに参加して、叫び声を聞いてまわるのも面白そうだ。