どんな電子書籍も読める「Onyx Boox Go6」はゆっくりできる人向け

日本では2024年9月に発売されたOnyxの電子書籍リーダー「BooX Go6」。

タブレットやスマホで電子書籍は読むけれど、読書専用端末まではいらないかなという人がまだ多いかもしれません。が、1度使う度どハマりするのもまた読書専用端末の業。

米Gizmodo編集部がOnyx Boox Go6をレビューしてみました。いわく、期待値が大きかっただけにがっかりだそう。その理由は、AndroidなのにAndroidの動作ではないから…。


楽しみにしていたんです。絶対ハマると期待していたんです。同じOnyx製品では、2023年リリースのBoox Palma(電子ペーパースマホ)の注目度が高かっただけに、今回のOnyx Boox Go6にもかなり大きな期待をかけていました。が、結論から言うと、日々使う端末として私のガジェット1軍入りは難しそう。

6インチのディスプレイは、明るさや色味の調整が可能。白黒表示される文字はクリアでシャープ。一見非の打ち所はないように思いますが…、遅いんです。プロセッサの性能不足によるページ繰り=表示リフレッシュが遅すぎて、読書体験として満点は得られず。紙の本のページを繰る感覚でいると、「待ち」が生じる状態。ローカルに保存している本でもこれは同じ。

Boox Go6のメリットとしてAndroid搭載がありますが、Google Play Storeにアクセスしたところで表示が遅くてイライラするだけ。

スペックと手触り

電子書籍リーダー、普段はKindleのPaperwhite(2021年頃のやつ)を使っています。が、Boox Go6はPaperwhiteより少し軽いのが嬉しい。6インチのE ink HD Carta 1300ディスプレイの画質は1448 x 1072。スマホやタブレットと比較すると、フレーム(枠)は厚めですが、本を持つという感覚があるので、そこは気にならず。

端末と一緒にアクセサリのマグネティックケースもお借りしましたが、もし端末購入するならこれも一緒にぜひどうぞ。セットとして相性がいいです。手触りも見た目もよき!

搭載されているプロセッサは2GHzの8コアチップ、メモリは2GB。つまり、どうしたって動作が遅いわけです。ひと昔前のAndroid端末よりも、さらにもう一段階遅い覚悟をしておくべき。アプリ間・ページ間を忙しく行き来しなければ、まぁいけるかなという感想です。1つのアプリを開いたらそこに集中して、ゆったりした気持ちで使うべきやつです。

マルチタスクなんてもってのほか! イライラしちゃうから! 「自分のスマホ(Pixel 9 Pro)とは14GBもメモリが違うからしょうがないしょうがない」と、何度も心の中でつぶやいたことか…(つまり、しょっちゅうイライラしちゃってたということ)。

Android端末ではあるけれど…

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Florence Ion / Gizmodo

今回、Boox Go6が良ければ買い替えを検討していました。その理由はオープンなプラットホームにより、Kindleの電子書籍もそれ以外も幅広く読めるという利点があるからです。

Boox Go6はAndroid端末なので、サードパーティのアプリを介さずともGoogle Play Storeへのアクセス可能。Googleアカウントを端末に設定するのも楽。同アカウントでのアプリダウンロードや連携も楽ちん。ただし、搭載されているのはなんとAndroid 11なので、スマホと同じインターフェースというわけにはいきません。懐かしいと言えば聞こえはいいですが、要は古いわけです。

Kindle端末では、DRMフリーの書籍を専用ソフト経由で手動であげたりしていましたが、それでも長年使用しているGoogle Play Booksを読むのは不可能。サブスク登録している新聞もあるので、Android端末であるBoox Go6なら読みたいものが本当にすべて読める予定でした。…が、これがどうにもうまくいかない。アカウントの同期がどれだけがんばってもうまくいかず、新聞のアプリを開くとクラッシュ発生。結局、最後まで問題解決はできませんでした。OSが古いせいなのか…?

またAndroid端末だからアプリ経由でいろいろ使える!と思っていたものも、結局ページ表示速度が遅くてイライラ。Redditでスレ間移動は、もう途中で諦めました。

そもそもスマホのように使おうとするのが間違いだったわけです。Android端末=Androidスマホ感覚でいたらダメ。

あと、Boox Go6はスマホのようにアプリの多くの通知が届きませんし。(これ、考えようによってはメリットです。来るのは、画面をONにしてからの最新通知のみ。これは読書を邪魔しない仕様ともとれます。)

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Florence Ion / Gizmodo

ページリフレッシュは遅いものの、コンテンツを端末にインストールするのはスピーディ。DRMフリーの小説や漫画のPDFやEPUBファイルをいれてみましたが、手順はあれど問題なしでさくさく。容量は32GBですが、必要ならmicroSDスロットがあるので拡張可能。

総評:ゆっくりです

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Florence Ion / Gizmodo

アメリカだと小売店で150ドルほどで販売されているBoox Go6。これだと、Amazonで最新のKindle Paperwhiteを買うのとほぼ同じ。

(日本ではBoox Go6は3万円弱、Kindle Paperwhiteは2万8000円でほぼ同じ。Kindle Paperwhiteはよくセールしているので、安く手にいれるチャンスも多い。)

問題は、Boox Go6はAndroid端末ですが、これがイコールAndroidアプリを(スマホと同じように)使えるではないこと。電子書籍リーダーはあくまでも電子書籍リーダーなのである!

読書に集中するためにゆったりした時間を過ごしたいというのなら、あるいは選択肢として適切かもしれません。

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