サーフィンも船の操縦もしないけど。watch OS 11の「潮位アプリ」に夢中です

よりスリムになったApple Watch Series 10とともに、新しいOSにも比較的小さなアップデートが見られましたが、私のお気に入りは「潮位アプリ」です。

ちょっと映画の話を聞いてください

ところで、パトリック・オブライアン著の小説『オーブリー&マチュリン』シリーズをご存知ですか?私は高校卒業後、このナポレオン時代の航海小説に夢中になりました。オブライアンは、他のどの歴史叙​​事詩よりも時間と場所の美しい感覚を捉えていて、船での生活や波に揺られながら生きる冒険とその言葉の美しさに感動したものでした。

2003年公開の『マスター・アンド・コマンダー』はこの小説に基づいて制作された映画。『オーブリー&マチュリン』の登場人物、ジャック・オーブリー船長は、英国海軍に人生を賭けている、太っちょだけど社交的な船乗りです。

彼は常に時間厳守にこだわり、周囲の人に対して「一瞬たりとも無駄にできない!」とよく叫んでいます。彼が常に潮の満ち引きに注意を払う一方で、友人のスティーブン・マチュリン博士はあまり気にしていない様子。マチュリン博士は、大好きな自然の中でのんびりと暮らしています。オーブリー船長は、潮の流れに乗り遅れるのではないかと常に心配していますが、大概マチュリン博士は待ち合わせに遅れてきます。

波に思いを馳せながら眺めたいアプリ

閑話休題。話をApple Watchに戻しますが、watchOS 11に搭載された「潮位アプリ」は、私の波への憧れをよみがえらせてくれました。どんなサイズの船でも、波が穏やかであってもすぐに船酔いしてしまうので、実際に船の上で活用できる機会は正直なさそうですが…。潮の満ち引きで足首まで濡れた砂に埋もれながら海辺に立ち、頭上で輝く帆がはためくにデッキに立つのはどんな感じだろうと想いを馳せながら、このアプリを眺めたいものです。

Apple Watchの潮位アプリの使い方は非常にシンプル。1日のさまざまな時間帯の予想潮位と現在の水位を確認できます。デジタルクラウンをスクロールすると、1週間の潮位予報を知ることができます。さらにデータが必要な場合は、情報パネルをタップして、その日時に予想されるうねり、風、天気をチェックすることも可能。

時計はGPSを経由して自動的に最寄りのビーチに設定されます。私の場合は、ブルックリンの北端にあるペブルビーチです。別のビーチを選択したい場合は、左上の隅にある設定ボタンを押して、Appleマップから選ぶことができますよ。

他の潮位アプリはしっくりこない

ついでに、別の潮位アプリも試してみましたが、個人的にはあまりしっくりきませんでした。実際に船に乗る人には役立つのだと思いますが、私にとってはよくわからない数字ばかりだったし、スマホやスマートウォッチでは使えなかったりします。

これらのアプリのなかには、地元の観測所から取得したアメリカ海洋大気庁(NOAA)のデータを使用するものもありますが、その地元の情報との接続によく失敗していて、代わりにニューヨーク市から 2,500マイル(約4,000km)以上離れたカリフォルニア州サンタクルーズの潮汐データが表示されたりもします。

watchOS 11の主なアップデート

Apple Watchの新しいバイタルアプリは、夜間に健康データを記録し、現在の健康パラメータに異常があるかどうかを教えてくれます。新しいOSをリリースしてからまだ数日しか経っていないので、これらの機能が役に立つかどうかは、しばらく時間がかかるでしょう。

注目の睡眠時無呼吸追跡機能も、米国食品医薬品局が2024年9月16日にこの機能を承認したので、利用できるようになりました。これは役に立つかもしれませんが、Samsung Galaxy Watch Ultraにも同様の機能があり、睡眠時の問題は解消済みです。

アクティビティリングやスマートスタック上のインタラクティブなウィジェットなどのUI変更に加えて、Watch Ultraの追加機能もこっそりと追加されました。自分でプログラムできるアクションボタンのカスタマイズがしやすくなりました。ワークアウトを追跡したり、他の機能を起動したりしたい場合は、ボタンを長押しして設定するだけでOK。アプリやApple Watchの設定で変更するよりもはるかに簡単です。

Apple Watch Series 10のアップデート、ましてやスマートウォッチ専用のシンプルなアプリひとつに興奮するのは難しいですが、それこそがスマートウォッチの本質だと思います。日々、新製品やアプリのチェックに追われている身としては、個人的にヒットするのは予想外のものであることがよくあります。

「潮位アプリ」が海への憧憬を駆り立てる

私は非常にこだわりの強い人間です。私ほど潮の状態を気にする人はほとんどいないでしょう。ましてや、職業目的以外ではなおさらです。私が望んでいるほど海と関われることはおそらくないでしょうが、少なくとも、海を最高の形で表現した小説や映画のことを思い出すことはできます。オブライエンの物語でよく言われているように、時間と潮は誰も待ってくれませんしね。