2024 9/12
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2025年の新学期に向けてランドセル商戦真っ盛りのいま、令和のランドセルと昭和(平成)のランドセルの違いをメーカーさんに聞きました。
いまのランドセルは、昔のランドセルからどのように変わっているのか?
昭和生まれの筆者が背負っていたランドセルとは全然違う、驚きの進化ポイントを紹介します。
目次
ランドセルが軽く感じられる“立ち上がり背カン”
令和のランドセルの一番すごいところ、それは“立ち上がり背カン”です。
昭和や平成初期の時代にはなかったので「立ち上がり背カンって何?」と思われる人が多いでしょうが、“立ち上がり背カン”とは背中に背負う肩ベルトの部分、ここが立ち上がっていることを意味します。
昔のランドセルは肩ベルトが重力に負けて「だらーん」としてましたが、この背カンが立ち上がることによってランドセルが背中にぴったりフィットするようになりました。
すると重心が真下にかかるようになり、体への負荷が分散して重いはずのランドセルが軽く感じられるようになるという仕組みなのです。
しかも、今回お話を伺ったCHIKYUさんのランドセルの“立ち上がり背カン”は、なんとこの背カンの部分が動きます。
これにより肩ベルトが子どもの体にあわせて調整されるため、どんな子にもピッタリになるというわけです。
いまやこの“立ち上がり背カン”はどこのランドセルメーカーも採用しているほどの仕組みなのだそうです。
A4サイズのファイルが入るほど大きく!
機能面でのもうひとつの進化はランドセルの大型化です。
昔はA4サイズのノートが入るランドセルはありませんでしたが(教科書はA5またはB5サイズ)、いまのランドセルはA4サイズのノートが入るものがほとんどです。
さらに、ノートだけではなくA4サイズの用紙を入れたクリアファイルやフラットファイルが入るほどランドセルの内寸が大きくなっています。
大きくなっている理由は、そういった教材が増えてきているからです。
また、教材の量そのものも増えたことで奥行きも大きくなっており、昔は10cmや11cmだったのに対して、いまのランドセルは12cmか12.5cm、大容量モデルと呼ばれているランドセルだと13.5cmもあるそうです。
こうなるとランドセル自体が大型化してしまい、いわゆる“重いランドセル”になってしまいます。
ただし、そういった大型化するランドセルを小さくするアイデアも生まれています。それがキューブ型ランドセルです。
昔ながらの学習院型、小さく作れるキューブ型
キューブ型ランドセルとは、ランドセルの背当て部分の縁(ヘリ)がないランドセルです。特殊なミシンを使ってランドセルの内側を縫うことで、このヘリをなくしているそうです。
それに対して昔ながらのヘリがあるタイプを学習院型と言います。
ヘリをなくすことで、ランドセルの外寸を小さくすることができます。さらに、ヘリがない分だけ生地が減るため、ランドセルの重量も100gほど軽くなります。
「じゃあ全部キューブ型にしたらいいのに」と思わなくもないですが、キューブ型は落としたときにクッションの役割をしてくれるヘリがないため、ランドセルの中身にダメージが入りやすいというデメリットがあります。
最近はタブレット学習が当たり前になってきているため、ランドセルの扱いが雑なお子さんがキューブ型を使っていると壊れてしまう恐れがあります。
もちろんそうした事故を防いだり、本体の強度を高めるためにキューブ型ランドセルの角にはABS樹脂のプロテクターを使用したりと、様々な工夫がされています。
しかし、昔ながらの旧タイプである学習院型のランドセルが持つそういった特徴や形状、雰囲気からいまだに学習院型の人気も根強いのだそうです。
素材が本革から人工皮革になってランドセルがカラフルに!
そして私たちでも分かるくらいに大きく変わったのが見た目、デザインです。
昔のランドセルは本革で作られていましたが、いまのランドセルの多くは人工皮革(じんこうひかく)で作られています。
人工皮革とは天然の本革を人工的に再現したもので、合成皮革(合皮)と比べて耐久性に優れています。湿気に負けて表面がボロボロになる加水分解も起こりにくくなっており、生地メーカーも10年以上の耐久性を保証しています。さらに人工皮革だと本革より軽量化できるほか、種類によっては再生素材のため環境にも配慮できるものもあるとのことです。
この人工皮革の登場により、ランドセルの色にも変化が起きました。
昔は黒や赤しかなかったランドセルですが、人工皮革の普及により更に新しい色が登場し始めるようになりました。
と言っても、10年くらい前まではピンク等を除きまだまだ暗い色が主流で、ブラウンや紺色、キャメルなどの色合いばかりでした。
しかし、そこから男の子向けにスポーツブランドコラボや勇者をモチーフにしたようなデザイン、女の子向けにお花のモチーフ、エレガントな刺繍物やディズニーのデザインなどが登場し始め、いまや様々な色合いのランドセルが多く発売されるようになったそうです。
現在では定番となっている「ミント」も5~6年前にはなく、いまの高学年の子たちは誰も持っていないそうです。つまり、「ミント」の色は低学年の子だけが使える特別なカラーというわけです。
これも人工皮革を製造しているクラレ社が、こうした色合いの製品を発売するようになってから使えるようになったとのことです。
また、このように単純にカラフルになっただけではなく、デザインに刺繍や反射マークを取り込むことも行われるようになりました。この星柄のランドセルは、星の部分が反射材(リフレクター)になっています。
ちなみに人気のカラーは男の子は黒をベースに青や赤を差し色にしたもの。女の子は薄い紫が一番売れているとのことです。
まだまだいっぱいあるランドセルの進化!
もちろんこれら以外にもランドセルの進化ポイントはいっぱいあります。
例えば体操着の袋を引っ掛けるナスカンの部分。ここはバイクや車などに引っ掛けられたときに引きずられないよう、強い衝撃を受けると外れるようになっています。
また、手前のポケットの内側に子どもがなくさないように家の鍵をつけられるDカンがついていたり、
蓋のロック機構が自動的に閉まるようになっていたりもします。これは蓋の締め忘れ防止のためにあるとのことです。
ちなみにCHIKYUさんの展開するブランド「地球NASAランドセル®」では、宇宙船のシートにも使われていた、NASAの為に開発された「テンパーフォーム®」という衝撃吸収材を背あてと肩ベルトに入れており、お子さんが走ったり跳んだりしてもランドセルが背中で飛び跳ねないようになっているそうです。
令和のランドセル、驚くほどに進化しています。どれを買ったらいいのか迷ってしまいますね。
令和のランドセルの実物をチェックできるぞ!
なお、今回お話を伺ったCHIKYUさんは東京の青山にショールームがあるので、近々ランドセルを買う予定のある方は足を運んでみることでこの進化を直接、体験することもできます。
遠方の方向けにはカタログが無料で受付されています。