不満ってほどじゃないけど、1年待ってもいいかも。
Samsung(サムスン)から折りたたみフラッグシップスマホGalaxy Z Fold6が発表され、海外では7月24日に発売されました(日本では7月31日発売)。米GizmodoのFlorence Ion記者が、ひと足早くレビューしていますので、使い心地をご確認ください!
今までのレビューでも何回か書いてるんですが、私は折りたたみスマホを推してます。折りたたみは普通のスマホ以上の役割をこなせますが、特にSamsung Galaxy Z Fold6は素晴らしいです。
ポータブルなTV画面であり、身だしなみを整えるための鏡であり、ディスプレイにつなげばパソコン的にも使えます。クラウドゲームのストリーミングもできて、Razer Kishi Ultraのようなアクセサリーをつなげばゲーム機にも変身します。
Galaxy Z Fold6
◾️これは何?:Samsungのフラッグシップ折りたたみスマホ
◾️価格:1,900ドル(日本国内価格:24万9800円)から
◾️好きなところ:大幅向上したバッテリーライフ、扱いやすいスクウェアな形状、若干大きくなったカバー画面
◾️好きじゃないところ:光学ズームが3倍止まり、ケース込みだと分厚くなる
Z Fold6がほぼ何でもこなせるからといって、すべての役割において完璧なわけじゃありません。筐体やヒンジの全体的なデザイン改善や、バッテリーライフの向上は良かったんですが、カメラ性能と長期的な耐久性においては物足りない感じです。
1,900ドル(日本価格:24万9800円)のお値段からは、Galaxy S24 Ultraと同じくらいの望遠性能を期待してました。ただし、そのレンズを収めるためには薄さが犠牲になるわけで、この点は折りたたみライフにコミットする前に意識しておいた方がいいです。
スクウェアになったデザイン
一見してわかるように、Z Fold6は角張ったデザインが目立ちます。段ボール箱みたいにカドを付けることで、開けばタブレット、閉じればスマホ、それぞれの形態が今まで以上にちゃんと使えます。Z Fold 5より若干薄く、閉じた状態で半インチ(約12.7mm)切るのもうれしいです。
それでもポケットが分厚くて頑丈な生地の服じゃない限り、Z Fold 6を持ち歩くときは、カバンに入れたほうが安心です。Z Fold6の全面カバー画面は、先代の細身の6.2インチ画面より若干大きな6.3インチになりました。数字の上では0.1インチの差ですが、スマホモードで手に持った感触はかなり良くなっています。
折りたたみスマホを持ち歩くときの問題の1つは、耐久性です。防塵防水性能でいうと、最近の高価なスマホではIP68がほぼ標準ですが、Z Fold6はIP48しかありません。防塵性能を示す最初の数字が「4」なので、ビーチのような細かい砂にまぎれやすい環境は要注意です。防水性能を示す数字は「8」なので、プールの水跳ねくらいは大丈夫でしょうけど、最近の非折りたたみスマホよりは気をつけて持ち歩いたほうがよさそうです。
ヒンジがより頑丈に
Z Fold6のヒンジは改善して、今までより頑丈になりました。詳しいことはあまり明かされてませんが、Samsungによれば、露出していた金属部分をなくして、抵抗が強くなるようにしたそうです。このデザイン変更により、従来は使っていくうちに目立ってきた内側ディスプレイの折り目も付きにくくなるはずです。
ヒンジに関しては、Z Fold 5のときもアップデートされたので、去年買った人の中には損したように思う人もいるかもしれません。ただ、折りたたみスマホはまだ進化の過程にあるので、頻繁なアップデートは必然です。折りたたみスマホの耐久性を知りたい人は、Redditのフォーラムを見ると、Z Foldシリーズを日々使う中での悩みが共有されてます。私自身はレビュー機で同じ問題は起きていませんが、人によって違うようです。
安定のハイスペック
Z Fold6のハードウェアは、当然Z Fold 5より増強されてます。プロセッサはQualcomm Snapdragon 8 Gen 3、RAMは12GB、ストレージは256GBから最大1TBまでです。
パフォーマンス的には、Z Fold 6はSamsungスマホの中でもベストの1つです。Geekbench 6の結果は、いつものSnapdragonに期待した通りでした。自分の経験からいうと、Z Foldは買ってから1年半は、ゲームのストリーミングやアプリを並べての動作(最大3アプリ同時に動かせます)など、安定して使えます。ただ、正直そんなにたくさんの画面を動かすのは、自慢にはなるものの自分自身も大変です。
Z Fold6のバッテリーライフは大幅に向上し、内側の画面輝度を200ニトにした状態で、フル充電で20時間35分持ちました。Z Fold 5と同じ4,400mAhながら、3時間伸びたことになります。
カメラはもう一声欲しかった
Z Fold6のカメラには、根本的におかしいというところはありません。必要な機能はそろっていて、光学手ブレ補正付きF値1.8の5000万画素メインカメラに、視野角123度の超広角1200万画素カメラ、最大3倍の光学ズーム付き1000万画素カメラという布陣です。
これはGalaxy S24やS24 Plusと同じ構成です。別にいいんですが、Z Fold6は1,900ドル、Galaxy S24は800ドル…と考えるとモヤっとします。一番高価なスマホなんだから、もうひと頑張り欲しいところでした。もう一歩遠くまでズームして、グラウンドの向こう側でボールを蹴る我が子をくっきりした姿で捉えたいんです。
内側のディスプレイ下カメラは、先代と同様にパッとしません。400万画素しかなくて、TikTok動画を撮るにも解像度が低いし、Instagramに自撮りを上げるのにも使いたくないです。本体を立てて使いやすくなったので、前面カメラでの撮影は楽になったんですが、同じくらいのクオリティを内側のカメラでも実現してくれたらと祈るばかりです。
Galaxy AIは特に言いたいことなし
ここまで書いたこと以外には、Z Fold 6についてあまり言うことがありません。PDFオーバーレイとか、AIスケッチ機能、リアルタイム翻訳などなどは便利ですが、すでにAndroidスマホでできていることと比べると、そんなに大したことないんですよね。
例えばGalaxy AIの翻訳機能では、まだオランダ語・英語間の翻訳ができません。この夏オランダに行くんですが、そのときはGoogle翻訳を使おうと思います。Galaxy AI翻訳とGoogle翻訳、両方使える状態なのは、ムダなようにも思えます。
今のところベスト…だけどもっと進化できたはず
Samsungは、多くの人に受け入れられる折りたたみスマホの作り方を知ってます。Z Fold6は、今までSamsungがこのニッチなカテゴリーで比較的うまくやってきたことを、すべてなぞっています。パワフルによく作られていて、Galaxy AIの機能も全部扱えます。折りたたみスマホを3年くらい使ってて、そろそろ買い替えって人にはいいと思います。
ただ、まだ手持ちのスマホ使えるよって人は、1年待ってカメラがどう進化するかを見極めてもいいかもしれません。これだけのお値段なので、誰でも買えるようなスマホのカメラと同じものより、もっとベターなカメラが入ってたほうがうれしいですよね。