ロマンしかない世界の洞窟8選

洞窟は地球の歴史とロマンを体現している。

先祖の住居兼シェルター、芸術作品のギャラリー、財宝の隠し場所、そして冥界への入口。洞窟は時代を超えて、人類の文化にとって多くの意味をもたらし、そして今でも、洞窟の中の神秘的で複雑な世界は、想像力を掻き立てられるものがあります。

洞窟はときに地上とはまったく異世界。

恐竜の足跡が残っている洞窟、美し過ぎる洞窟、一番でかかったり深かったり古かったり、とにかく神秘に溢れる洞窟たちを紹介していきましょう。

ワイトモ洞窟(ニュージーランド)

Image: Shaun Jeffers / Shutterstock

ニュージーランドにあるワイトモ洞窟は、3千万年前からある石灰岩の洞窟です。

洞窟の暗闇の中で「アラクノカンパ・ルミノーサ」という青白く輝くグローワームを鑑賞できることで有名です。幼虫と成虫の段階にあるハエの一種が、洞窟を地下の星空に変える姿は、オセアニアでもここでしか見れない唯一無二の光景です。なんでもこのワイトモ洞窟が、『天空の城ラピュタ』の飛行石の洞窟のモデルになったとかならなかったとか。

ソンドン洞窟(ベトナム)

Photo: Doug Knuth

世界最大の洞窟は、ベトナム中部の世界遺産フォンニャ・ケバン国立公園の中にありました。全長約7km。洞窟の高さは最高部分で240mにも及びます。2009年に初めて探索されたのですが、それまでは地元民しか知らない秘密の洞窟でした。こんな巨大な洞窟が現代に至るまで知られていなかったとは驚きですよね。

マーブルカテドラル(チリ)

Image: Parichart Tingnapun / Shutterstock

美しすぎることで有名な、チリとアルゼンチンの国境付近に位置するヘネラル・カレーラ湖にある洞窟です。

マグマによって作られた大理石が、長い歳月をかけて氷河に削り出されて作られたもので、青く見えるのも、長年削り続けられた大理石の欠片によるものです。「大理石の大聖堂(マーブルカテドラル)」へは、船でしか行くことができません。

クリスタルの洞窟(メキシコ)

Photo: Alexander Van Driessche

メキシコのナイカ鉱山の中に、巨大なクリスタルで埋め尽くされたとんでもない秘境がありました。

全長27m、幅9mと小さな洞窟ですが、クリスタルの大きさが尋常じゃありません。洞窟内の気温は58℃に達し、湿度は常に90〜100%を保っているため、環境は非常に過酷。防護服を着用しないと探索不可なんだそうです。

クルベラ洞窟(ジョージア)

Photo: Petr Lyubimov

こちらはジョージアの一部、アブハジアにある世界一深いクルベラ洞窟です。

クルベラ洞窟の深さは2,197mまで確認されていますが、最深部まで到達するために27日間かかるのだそうです。なお、最深部にはまだ誰も到達していません。

スドワラ洞窟(南アフリカ)

Photo: Guyermer

南アフリカのスワドラ洞窟は2億4000 万年前からある、世界最古の洞窟のうちの1つ。

主にドロマイド(石灰石が海水中で変容してカルシウム分とマグネシウム分が置換して生成されたもの)から形成されていますが、チャートや石灰岩も含まれています。洞窟には水がいっぱいで、天井から落ちて、鍾乳石、石筍、柱、柱などの幻想的な岩石を構築していきました。

ストロマトライト、最も初期の地球に酸素をもたらした生き物の存在を示す堆積構造も見られます。また、スドワラ洞窟には、かつては先史時代の人が住んでいたこともあったそうです。

スリーニューカギーグル(アイスランド)

Photo: Dave Bunnell

ここはアイスランドの火山の中。

エレベーターで火山の中に入り、マグマだまりまで行くことができます。観光でマグマだまりを見られるのは、世界中でなんとここだけ。過去4,000年間に噴火活動はなかったので、安全に観光ができるのだそうです。

カステルブック洞窟(フランス)

Photo: Rémi Flament / Journal of Vertabrate Paleontology

約1億6600万年前、地球上を闊歩していた最大級の恐竜が、今のフランスにあたる海辺にいました。恐竜が去った後、足跡は残り最終的には巨石に代わります。地質学的なプロセスで、その古代の海辺が揺り動かされ、恐竜が歩き回った場所の下に洞窟ができ、そして天井に恐竜の足跡が残りました