「Nothing Phone (2)」欲しいけど 7万9800円以上じゃなあ…というみなさま待望の廉価バージョン。
4万9800円で買えるミッドレンジスマホ「Nothing Phone (2a) 」に触ってみました。
廉価スマホ各社の特長
ミッドレンジモデルは「フラグシップモデルの雰囲気だけでも味わいたい」という願いを安く叶えてくれるファストファッションのようなもの。
AndroidトップセラーのSamsung(サムスン)の場合はAシリーズですけど、大画面スマホの明るくて鮮明なディスプレイをそのままに価格はだいぶ切り下げています。Google(グーグル)もPixel Aシリーズでは、出番の少ない温度センサーなどの機能を排することで得意な写真アルゴリズムやAIテクノロジーを安く提供中です。
NothingはOnePlus共同創業者カール・ペイが2020年ロンドンで立ち上げた新興企業(OnePlusは後に親会社Oppoに吸収された)。格安スマホはNothing Phone (2a)が初めてです。
Nothing Phone (2a)のスペック
スペックは「 Phone (1) 」寄りで、手に持った感じも初代寄り。電源を入れると、Nothing得意のGlyph(グリフと読む)ライティングシステムが微妙に違ってて、カメラもこれまでと違って横に並んでいます。
まるで季節外れのブランド品がアウトレットに安く並んでいるみたいな感じですね。
プラスチックで軽い(189gしかない)から廉価版とわかるけど、ファッションステートメントのエッセンスはそのまま「Nothing Phone (2a) 」にも引き継がれており、背面は内部のコイルとねじが透けてみえるスケルトン。 美しい…。
Phone (2a) の場合、GlyphのLEDライトは3本あって、リアカメラをぐる~り囲んでいます。
リアカメラは50MPで光学手ブレ補正(OIS)付きのメインカメラと50MPの超望遠カメラの2眼。巷では「豚の鼻みたい」なんて声も聞こえますが、円の中に横に並んでいるのでそう見えなくもないか…。
Phone(1)もPhone(2)も踏切の信号みたいな縦並びだったのに、どうしてPhone(2a)だけ横並びにしたのかはわかりません。まあ、高いのと安いのを見分ける目印にはなりますよね。その辺りは、廉価版のPixel aシリーズを先行発売のフラグシップモデルになるべく近づけるGoogleのアプローチとの違いを感じます。
スペックはあくまでもミッドレンジです。プロセッサはMediatek Dimensity 7200 Proで、RAMは8GBか12GB(デベロッパープログラムでは在米ユーザーに価格据え置きで12GBをデフォルトとして販売中)。ストレージ容量は最大256GB。メモリ8Gのモデルを選ぶと、価格は最安320ドルから。とても安くなってます。
画面は6.7インチのフレキシブルAMOLEDで、6.5インチの初代Phone (1)より大きくて明るくなっています。強い日差しの中では輝度最大1,300ニトまでいきます。Nothing曰く、ふつうは700ニト前後とのことですが、それでも充分明るいディスプレイです。Androidの「Extra Dim」モード対応で夜間暗くなるのもうれしいポイント。
しかもNothing Phone (2a)は電池持ちもセールスポイントで、5,000mAhのバッテリーは1回の充電で最大2日も持ちます。レビュー機でもテストする予定ですけど、最近発売になったAndroidデバイスはどれもこれもバッテリーの進化が目覚ましいですね。サムスンやMotorolaのバッテリー長持ちな廉価版に対抗するのはたいへんなことだけど、Nothingもがんばってます。
Nothing Phone (2a)のOS
あと独自OSのNothing OS 2.5が目当てで選ぶ人もいそうですよね。Nothing OS 2.5はデザイン性の高いウィジェットが満載で、ランチャーからアイコンを変えるのも自由。Nothingのロック画面向けウィジェットが常時ONディスプレイに表示されると、とてもクールです。
Nothing OS 2.5はAndroid 14をベースに開発されたOSですが、無駄がなくてシンプルそのものです。あくまでも生活を邪魔しないスマホというのがコンセプトですので、自己主張の激しいアプリのデザインとかに慣れた目には少し寂しく感じるくらいです。
Nothing社が考えるスマホのエクスペリエンスをフルに味わいたいなら、もうこれで慣れなきゃね。僕なんてHOME画面に表示されるアイコンの数を1列4個から5個についつい変えたくなったけど、Nothingのウィジェットがちっちゃくなってタップしづらくなるのでやめました。どこまで合わせられるかは人によると思いますが、これもブランディングです。
NothingのOSで気づいたもうひとつの点は、やや一貫性がないことです。たとえば、設定に変更を反映させたいとき、あるときには「適用」ボタンを押さないと反映されないのに、別のときにはそういうボタンを押さなくてもタップして設定を変更して次の画面に進めばもう適用されていたりして…。すごく細かいことだけど、メーカー側で大幅にカスタマイズしたAndroid OSではよく起こる現象かも。
無論マイナスばかりじゃなくて、プラスな面もあります。Phone (2a)のカメラシステムを駆動するNothing独自の「TrueLens Engine」はアルゴリズムが非常に優れていて、Ultra XDRにも対応しているんですね。公式によると、こちらは「あらゆるショットで光と影をより忠実に再現する」ためにGoogleと共同開発したエンジンとのことです。
ミッドレンジスマホも最近はカメラよくなってますもんね。Phone (1)のカメラがあまりよくなかったので、ちょっと不安は残りますが。
Nothing Phone (2a)はどこで買えるの?
Nothing Phone (2a) の詳細レビューはまた追って。Glyphsが通知や楽曲に合わせて光るのは好きだけど、カメラでGoogleやサムスンに対抗できないとGlyphsもただのギミックで終わってしまいます。Google(廉価版のaシリーズでは一番成功を収めている)やサムスンにどこまで対抗できるか注目ですね。
Nothing Phone (2a)は黒とミルクの2色でUKで先行リリース済み。ほかの国では12日からロールアウトです。日本市場ではメモリ8GB/ストレージ128GBで税込4万9800円、12GB/256GBで税込5万5800円にて3月末より順次発売予定です。