ゴアテックスやe-Ventなど、現在さまざまな防水/耐水素材が存在しますが、そうした化学繊維登場以前から耐水素材は存在しました。その代表がベンタイル。綿の糸を、織り機の密度を限界まで上げて織った高密度のコットン生地です。
要するに、生地の隙間をギュウギュウに詰めて水が入りにくくしただけで、現在からしたらなんともアナログな“耐水”ではありますが、元々は第二次世界大戦時に、イギリス空軍パイロット用の耐水服素材として開発されたもの。この生地のおかげで海に落ちたパイロットの生存率が上がったとも言われているのです。
この素材をバッグに採用したのがUNTRACK。昨年デビューしたばかりのブランドで、バッグを中心に、ウエア類や帽子などをリリースしています。オーセンティックなデザインながら、都市生活に必要な機能性を配しているのが、このブランドのアイテムに共通する特徴。
素材もカタチもルーツはRoyal Air Force
2月下旬から発売される今季の新作にも、ベンタイルを使用したシリーズが4アイテムほどラインナップされています。その中で特に注目なのはヘルメットバッグ。
ヘルメットバッグとは、空軍のパイロットがヘルメットを収納するのに用いたバッグ。アメリカ軍の四角いトートバッグ的なモノが有名ですが、今回、UNTRACKがリリースするのは、シルエットが丸いイギリス王立空軍(Royal Air Force)のヘルメットバッグ。素材だけでなく、カタチも英国空軍がルーツなのです。
ベースのスタイルはルーツをかなり忠実に再現しつつも、日常使いに便利な仕様になっています。その点でキーになるのは、ショルダーストラップを付けて2WAY仕様にアップデートされてること。どちらで使ってもポケットが使いやすいように工夫されているのもポイントです。
もちろんベンタイルなので、雨で軽く濡れる程度なら気にする必要はありません。使い込んだときに単に汚くなりがちな素材と違い、その経年変化も楽しみです。歴史を感じながらも、実用性の高さを実感できるカジュアルバッグでもあるのです。
Source: UNTRACK