まだIntelやM1使ってるなら、新型MacBook Proは替える価値あり

Apple(アップル)より新発売のMacBook Proには、14インチと16インチがあってM3プロセッサーが強み。

M2搭載のをもう持ってる人は、機能に大きな差はないので買い替える意味もあまりなさそうですが、まだIntelやM1のMacBook Proの人は今が買い替え時期かもしれません。

新型の最注目は個人的にはスペースブラックの新色です。ずっと何年もスペースグレイとシルバーの2色だったので、これだよこれ!と。まあ新色が選べるのは、同じ14インチでもM3 Pro/M3 Max搭載版だけで、今回レビューするノーマルM3搭載のモデルには従来のカラーしかないんですけどね…(しょっぼ~ん)。

送られてきたレビュー機はM3搭載のMacBook Proでカラーはスペースグレイ。メモリ16GB/ストレージ1TBで価格1,999ドル(日本市場価格:30万4800円)のものでした。

8GB/512GB SSDモデルなら1,599ドル(日本市場価格:24万8800円)で買えますが、M3のゲーミング性能に期待してる人には少し物足りないかもしれません。ここは16GB/1TBぐらいでちょうどいいように感じます。

Thunderbolt端子は2つしかない

あと標準M3では、Thunderboltのポートも1つ少なかったりします。M3 ProとM3 Maxのは3つあるのに、標準M3のMacBook Proには2つしかないのですね。

ほかに装備されているのは3.5mmのヘッドホンジャック、MagSafe 3、HDMIポート、SDXCカードスロットという構成ですかね。

2021年のM1 MacBook Pro 、2023年のM2 MacBook Proと同じで、USB-Aポートはありません。理想のゲーミングPCとは呼べないのはこれも原因。USB-Cで周辺機器につなげることはつなげますが、それだと手間ですしね。

Image: Angel Fajardo – Gizmodo US

M3だとThunderboltのポートが1個少ないの。気になる人は気になるんだろうけど、自分はこの構成で十分。USB-4のニーズはすべて満たせました。

今どきのノートはスリム化優先で、どんどんポートが減ってます(特にHDMI出力端子)。M3 MacBook Proのポートのレイアウトは、これでも配慮のある方だと思います。

デザインに目新しい要素はなし

画面は旧モデルと同じLiquid Retina XDRディスプレイ。リフレッシュレート120Hz、輝度1,000ニト。OLEDを期待していた一部コンシューマー(僕)にとっては、期待外れな結果となりました。Retinaディスプレイで満足な人は、これまで通り楽しめます。まあ新シリーズに買い替える理由も1つ減っちゃうけど。

キーボードもここ何年か変わってません。今回も同じです。フルサイズのファンクションキーが並んでて、Touch IDのボタンもあるし、サプライズ要素ゼロ。みんな大好きな、いつものMacBookの打鍵感です。反応が良くてスムーズに使えるタッチパッドも一緒。処理が引っかかっることのないマルチタッチも一緒。

Image: Angel Fajardo – Gizmodo US

処理性能はスムーズこの上なし

14インチM3 MacBook Proは、8コアCPU/10コアGPU/16コアNeural Engine搭載。毎日の処理はこれで間に合います。先週1週間毎日使ってみたんですが、快適そのもので、さすがMacBook Proって思いました。

ただM2やM1と比べてどうかと言われると、あまり違いが分からないのも事実。Appleは処理性能の向上を盛んにアピールしているけど、並のユーザーが気づけるほどの差じゃないんですよね。ゲーマーや動画編集クリエイター以外の目には「毎日快適に使えるノート」です。

ベンチマーク結果微増です。Geekbench(CPUテスト)のシングルコアのスコアは3,129でした(M2 MBPの1965よりは上)。 Cinebench(GPUテスト)のスコアは3,311で、M1の1,260よりかなり向上しています。簡単な写真・動画編集に使う人にとってはうれしい改善ですね。

M3 Macbook Proのゲーミング処理性能はこれまた控えめ。『Lies of P』や『バイオハザード ヴィレッジ』は中程度の設定でプレイすればスムーズに動作しますが、Macで遊べるAAAタイトル(人気ゲーム)はそんなに多くないので、遊べるゲームが限られちゃうのは否めません。

バッテリー&スピーカー大進化、カメラは前と一緒

M3 MacBook Proのサウンドシステムは、M2版と同じ6つのスピーカーから成り、内4つが不要な振動を抑えるフォースキャンセリングウーファー。Dolby Atmos対応の楽曲を空間オーディオで楽しむこともできます。

試しにYouTubeを何時間も流しっぱなしにして、Vlogやスポーツ、TEDトーク、ミュージックビデオを観てみたら、重低音(専用のスピーカーみたい!)とワイドなサウンドステージに圧倒されました。歌もナレーションも深みのある音で大満足。M2 MacBook Proは声に広がりがないって言われていたので、ちゃんと対応してきた感じです。

カメラはM2、M1版と同じ1,080pですがかなりいいです。カラーは鮮やかで、サチュレーションも充分。一般のノートPCのWebカメラは褪せた感じになるけど、それがなくて、レンズも肌の質感を忠実に再現してくれます。

Image: Angel Fajardo – Gizmodo US

ネットで悪評だったノッチ。M3でも残ってしまいましたが、そんなに邪魔じゃないです。2021年の登場以来、「すっきりしたデザインが台無しだ」とか「デカいiPhoneに見える」と言われてきたわけですが、これで買うのをやめるほどじゃないし、どうしても嫌なら壁紙暗くすると目立ちませんよ。

バッテリー持ちの良さは相変わらずWindowsを大きく引き離しています。今回はなんと公称22時間。使ってみたら大げさでもなんでもなくて、2時間でだいたい10%減る感じで進んで、本当に20時間超えてました(作業内容にもよるけど)。M2のときは16時間40分しか使えなかったのでかなり頑張りましたね。

M3 MacBook Proは買い?

まだM1やIntelのMBPを使ってる人は、重い腰を上げる頃合いかと。

M3シリーズは「M1より20~30%、M1より50%高速」とAppleは言っています。負荷のかかる作業が多い人は生活が変わるほどの激変じゃないけど(そういう人はむしろM3 Maxの16インチMBPを検討すべき)、まだIntelプロセッサーの人や、M1 MacBook Proがボロッちくなってきた人はそろそろでしょう。

機能面では、今年発売になったM2 MacBook Proとそう変わりません。バッテリー持ちは2時間伸びたし、ベンチマーク結果もやや良くなってはいますが、どれも丸ごと機種替えするほどのバリューじゃないので、特にM2 MacBook Proをもう持っている人は、今回は見送りでも良さそうです。