暑すぎてフロリダ沖のサンゴが90%が減ったらしい

このままでは死の海になってしまうのでは……。

とにかく暑い毎日が続いていますが、温度が上がって苦しんでいるのは陸に住む生き物だけでなく、海の生き物たちもでした。

海水温が平均より7度も高くなっている

先日、気象情報機関の「コペルニクス気候変動サービス」が、世界の海の平均表面温度が一際高い摂氏20.9度に達したと示しました。

フロリダキーズ列島にあるマナティーベイのブイは、7月下旬に海水温度が38.3度を記録。この時期の平均水温は25度から31度なので、かなり高くなっているのがわかります。

サンゴを救うために立ち上がったのは、海洋団体、研究者、そして米国海洋大気庁(NOAA)。

研究者たちは、フロリダキーズ全域での被害の程度を記録して、特に海水温度が高くなっているエリアのサンゴをThe Keys Marine Laboratory at the Florida Institute of Oceanography(キーズ海洋研究所)に移動させました。

持ち込んだサンゴの数は1,500以上で、今後はその2倍から3倍のサンゴが送られてくるだろうと考えています。

我々の課題は、苗床に戻せるようになるまでサンゴの状態を回復させることです。

とキーズ海洋研究所のシンシア・ルイス所長は話します。

深刻化するサンゴの白化

フロリダ沖のサンゴ礁は暖かい海域に生息するものですが、海水温が高すぎると“白化”します。

サンゴは、海水温が平均以上になると共生している藻類を放出します。藻類がいなくなると、サンゴの骨格が透けて白く見えます。これを「白化現象」と呼びます。

回復することもありますが、弱くなるのでダメージを受けたり病気にかかりやすくなったりします。

専門家が心配しているのは、この現象が一時的ではなく長期的であること。NOAAの報告によると、1970年代後半以降、フロリダキーズでは健康なサンゴが約90%(! )も減少しており、90年代にサンゴの保護が始まったにもかかわらず、状況は悪化の一途をたどっています。

原因は海水温の上昇だけでなく、船舶によるダメージ、海水汚染も含まれています。これらのサンゴは何千年もの時間をかけて形成されたもので、サカナたちの棲家になったり餌場になったりしています。

海に住むサカナの4分の1がサンゴの近くに住むらしいので、サンゴが減ったら海の生態系にも大きなダメージが加わります。

また、サンゴは地域の観光という点においても重要視されています。美しいサンゴ礁と豊かな生態系を目当てに観光客が集まるのを考えると、なんとしてでもサンゴを守りたいものです。