プロボクシングの元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(68)が2023年6月29日にユーチューブ動画を更新し、世界スーパーフライ級戦線の展望を語った。
同級には2人の日本人世界王者が存在し、WBAは井岡一翔(志成、34)、WBOは中谷潤人(M.T、25)がベルトを保持している。その他の2団体は、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ、33)がWBC、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン、31)がIBFの王座に君臨している。
中谷はやりづらい
井岡、中谷、エストラーダの3王者はそれぞれ複数階級を制しており、井岡はミニマム級からスーパーフライ級までの4階級、中谷とエストラーダは共にフライ級、スーパーフライ級の2階級を制覇している。
米国の権威ある専門誌「ザ・リング」(WEB版)が設定する独自の世界ランキングでは、エストラーダが王者に君臨し、元世界4階級制覇のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が1位、井岡が2位、中谷が3位、マルティネスが5位となっている。
6月24日にWBAの新王者となった井岡は、WBC王者エストラーダとの王座統一戦を望んでおり、中谷は井岡、エストラーダとの王座統一戦を希望している。中谷は井岡がWBO王者時代に指名挑戦者として対戦の可能性があったが、井岡が王座を返上してWBA王座挑戦に舵を切ったため実現しなかった。
このような背景もあり具志堅氏は「WBA(井岡)とWBO(中谷)の統一戦をやってほしい」と日本人同士によるビッグマッチを熱望し、「勝った方がエストラーダとやると」と提案した。
仮にエストラーダが井岡もしくは中谷と対戦するとしたら「どちらの方がやりにくいか?」と問われると「中谷さんですよ」と即答し、理由について「今一番強いんですよ、試合を見ても。パンチ力がある。やりづらいですね。距離感を取るのが上手いから」と説明した。
そして現在スーパーフライ級で1番強い王者は中谷だとし、「この間のKOを見たら(パンチが)見えないでしょ。多分あの左とかは。リーチもあるしスピードもある。勢いがある。エストラーダはうまいけどスピードがない」と高く評価した。
中谷はプロデビュー以来無敗の25勝(19KO)を記録し、元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、30)に次ぐスター候補として注目されている。