2023年、ニュー新橋ビルがまだある側の世界

デイリーポータルZ

JR新橋駅の日比谷口を出る。目の前のSL広場の左側に重心低く建つのがニュー新橋ビルだ。

サラリーマンの聖地と親しまれ、われわれデイリーポータルZも2006年と2019年に敬意をこめて取材してきた。

竣工は1971年。老朽化等の理由から2014年ごろには再開発計画がスタートし、2022年にはいよいよ解体との噂もあった。

が、どっこい2023年6月、いまも元気に低い天井4階建ての商業フロアは商売を続けている。

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2019年からばたばたっと変化が

冒頭で「2006年と2019年に取材した」と書いた、その2006年版をかつて書いた。なんともう17年も前のことになるのか。

2006年の記事 

「観光地としてのニュー新橋ビル」

続く2019年版はライターいまいずみひとしさんによる取材だ。 

2019年の記事 

私としては、2006年以来ちゃんと見て回るのはまるっと17年ぶりになる。

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やってきました2023年。ニュー新橋ビルがまだある方の世界線を私たちは歩んでいる
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独特の壁面、見上げる格好良さもこのとおり変わらず

ざっと回ってみて、驚くほど変わらないところと、同時に驚くほど変わったところがあった。

まとめるとこんなところだろうか。

変わらないところ

  • 2006年から健在のお店がいまもたくさん
  • とくにB1、1階は雰囲気もほぼ2006年と変わらず

変わったところ

  • テラスが閉鎖に
  • 2階を中心にマッサージのお店が爆増
  • フルーツオザワの煮卵販売が休止(ちょっとしたことですがDPZ的にはいちだいじ)

2019年のライターのいまいずみさんのレポートと読み比べると、上記で挙げた「変わったところ」はどれも2019年以降に起きたことがわかる。

2019年までは、店の入れかわりはあれど、おおむねは変わらない様子だった。それが、2019年以降2023年にかけ変貌した。

コロナ禍に入ったことと再開発の話が一気に加速したこと、おそらくこのふたつが重なったことが大きいのではないかとは、関係者でなくともなんとなく思いあたる。

喫茶フジについに!

変わらないところとして、飲食店に健在のお店が多かったのにははげまされた。2006年に外から様子を見るだけで行けなかった、地下1階の喫茶フジもそのうちの1軒だ。

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店内にかかげられた富士山も健在だ!!

現在は分煙がすすみ、入って手前の広いスペースが禁煙、電子と紙巻でも吸えるスペースが区切られているようだ。

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たばこを吸うための店の印象もあったけど、禁煙席の方が広く、お客さんも多かった

喫茶店といえばホットケーキでしょうよ! と、窯焼きホットケーキとホットコーヒーを注文する。やってきたのがこれだ。

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思った以上に店名を全面におしだすタイプ!

思った以上にお店自身に対して愛とこだわりがあるのが一瞬で伝わった。 イメージ的に、もっと店自身にもお客にも構わない、ドライなお店だと思っていたのだ。

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カップもオリジナルだ! え~~っ、いいないいな
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ソーサーにも! カップセットは購入もできる様子

思った以上に、真正面からファンになることを許してくれるようなお店だったんだな。

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ホットケーキはカステラタイプ

むしろカステラに近いきめ細かいふわふわのホットケーキを食べていると、常連さんと同じくらい私のような一見客もおとずれている様子だ。

「思い切って今日はハンバーグ食べようかな!」と高らかに宣言しているお客さんがいる。昼食どきだったこともありがっつりご飯を食べにくるお客さんが多い。

常連の愛煙家が食後にやってきてさっと煙草を吸ってコーヒーだけ飲んで帰っていく場所だと思っていたがずいぶん違う。

そもそも2006年にくらべ、純喫茶というもの全体がポップなイメージに変わって誰にとっても入りやすいお店になった気がする。

(なんとなくイメージと違うなあ)と勝手に感じたのは、お客としての私の側の喫茶店に対する考えが17年のあいだに変ったというのもありそうだ。

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ペーパーナプキンも良さ~~
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ライトや天井もかっこいい

喫茶店は3Fにもカトレアというお店がかつてからあるが、こちらもお客さんたくさんで健在だった。

 

 

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