脱「言いたいことを我慢する」 自分も相手も大切にするコミュニケーションの方法とは


『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』
『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』

 相手の反応を気にして、言いたいことが言えなかったり、うまく自分の想いが伝えられない。そんな悩みを抱えている人は多いだろう。

 これを解決してくれるのが「アサーション」だ。アサーションとは、「自分の言いたいことを大切にして表現する」と同時に、「相手が伝えたいことも大切にして理解しようとする」コミュニケーションのことである。

 『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』(平木典子著、ディスカバー・トゥエンティワン刊)は、日本におけるアサーション・トレーニングの第一人者である著者が、相手を尊重しながら自分の気持ちを伝えるコミュニケーション方法を紹介する一冊だ。

コミュニケーションはまず「言ってみる」ことから始まる

 コミュニケーションをとるときに、自分が伝えたいことよりも先に相手のことを考えてから自分の態度を決めたりしてはいないだろうか。 しかし、それでは自分の言いたいことを我慢することになってしまう。

 著者によれば、アサーションでは「まず自分のことを考える」ことから始まるという。なぜなら、自分の気持ちや考えがわからないと話にならないからだ。

 自分の考えや気持ちを相手に伝えることで、同意が得られることもあれば、同意されないこともある。そしてそれは、人と人の自然なやり取りともいえる。同意されずに葛藤があるときは、お互いに歩み寄りの話を続けることになるが、そうしたズレや葛藤は自然に起こるものなのだ。

 だから、相手と意見と一致しないときは、「思い通りにしないと怒られて嫌な思いをする」と考えるのではなく、「人はお互いに同じように考えているとは限らない」と考えよう。そして、まず何より大切なのは互いに「言ってみる」こと。まずは言って、その経過を見ることから、コミュニケーションは始まる。

 また、一度言った意見を変えることに抵抗がある人もいるだろう。ただ、それではアサーティブにはなれない。考えや気持ちはコミュニケーションの中で変わったり変わらなかったりする。

 その結果、変わったときは「考えを変えました」と伝えることもアサーティブなことだと著者は述べる。

 アサーションは、伝え合い確かめ合う過程そのものを含めて大切にしていくこと。コミュニケーションが苦手で悩んでいる人は、本書でアサーションを学んでみてはどうだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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