オンラインストレージ「Megaupload」共同創業者らが司法取引を受け入れ懲役2年半の判決

GIGAZINE



著作権侵害や恐喝、マネーロンダリングなどの罪に問われていた、オンラインストレージ「Megaupload」の元幹部に対して、それぞれ懲役2年7カ月と懲役2年6カ月の判決が下りました。ニュージーランドで逮捕された2人について、アメリカは身柄引き渡しを求めていました。

Former Megaupload Executives Sentenced to 2.5 Years in Prison * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/former-megaupload-executives-sentenced-to-2-5-years-in-prison-230615/


2 men who helped run popular pirating website Megaupload sentenced to prison in New Zealand | AP News
https://apnews.com/article/new-zealand-megaupload-pirating-website-sentence-a858f2a77b4eebf912711e818d6400f5

「Megaupload」は2008年ごろから人気を誇ったオンラインストレージです。利用するだけならアップロードもダウンロードも無料で、無料DL可能なファイルサイズの上限は500MB。一方、アップロード可能容量は無料会員で50GBでした。

最大50GBまでファイルをアップロードして不特定多数に公開できる「MEGAUPLOAD」を無料で使い倒してみた – GIGAZINE


また、ダウンロード数に応じて報酬が支払われる仕組みがあり、海賊版の配布にもよく利用されました。しかし2012年、FBIによる強制捜査が入り、運営者グループは逮捕されました。

「Megaupload」閉鎖&FBIが運営者を逮捕、驚愕の運営実態と収益額が判明 – GIGAZINE


今回の裁判はMegauploadの共同創業者であるマティアス・オルトマンと、幹部のブラム・ヴァン・デア・コークを対象としたもの。

2012年以来、Megauploadの創業者であるキム・シュミッツ(通称:キム・ドットコム)やオルトマン、ヴァン・デア・コークらは10年以上にわたり、アメリカへの身柄引き渡しを阻止するための戦いを続けてきました。

しかし2022年5月、2人は最終的に裁判に負けて身柄を引き渡しが決定してしまう危険性よりも、ニュージーランド当局およびアメリカ政府との司法取引を受け入れて、ニュージーランドで服役する方を選択しました。


裁判においては最大で10年の懲役刑を受ける可能性が指摘されていましたが、ニュージーランド・オークランドの高等裁判所は有罪を認める答弁や捜査への協力、更生、海外口座にある1000万ニュージーランドドル(約8億7000万円)の引き渡しなどによって減刑を認め、オルトマンに懲役2年7カ月、ファン・デル・コークに懲役2年6カ月の判決を下しました。

なお、裁判所のサリー・フィッツジェラルド判事は、オルトマンが第2子の出産に立ち会うことや、ファン・デル・コークが体の悪い母親と一緒に過ごす期間を考慮して、収監を2023年8月1日からに延ばしています。

裁判の結果について筆頭弁護士のデビット・ボルト氏は、もし創業者であるキム・ドットコムが出廷していた場合、懲役16年の判決を受ける可能性があったと述べました。

Megauploadの運営陣の身柄に関しては、今回、オルトマンとファン・デル・コークについて「身柄を引き渡さずニュージーランドで服役する」ことが決定。マーケティング担当だったフィン・バタトはドイツに帰国後、2022年にがんで死亡。エストニアでプログラマーをしていたアンドラス・ノム氏は2015年に罪を認めて懲役1年1日の刑期を終えており、身柄の扱いが定まっていないのは創業者のキム・ドットコムのみとなっています。

すでにドットコムの身柄をアメリカに引き渡す判決は下っており、実際に身柄を引き渡すかどうかの決定権はキリ・アラン法務大臣が握る状態となっています。ただし、大臣が身柄引き渡しを認める署名をしても、ドットコムは引き延ばしのために司法審査を求める可能性が高いとニュースサイト・TorrentFreakは指摘しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

Source

タイトルとURLをコピーしました