性的不満と認知能力低下に無視できない相関関係

GIZMODO

アル・パチーノが83歳で父親になったニュース。

なぜかロバート・デ・ニーロと勘違いして、Netflixで配信のはじまったデ・ニーロ主演映画「ダーティー・グランパ(ひひジイ)」をしげしげと観てしまったのですが、なかなかファミリーでは見れないエロジョーク満載コメディでした。

評論家からは「名俳優のレガシーを自ら穢す」「お願いだからこれ以上B級映画には出ないでくれ」とまで言われているんですが、いまギズモードのSlackを見たら「アル・パチーノまじすごい」と編集部員がコメントしていて、あ、そっか、アル・パチーノだったか…と。

そんな折(どういう折だよ)、アメリカでは「性的不満、勃起不全の男性は記憶障害になるケースが多い」という新たな調査結果がペンシルバニア大から報告されました。

性生活の不満が募ると記憶力低下も同時進行

人生の一段階における性生活と認知レベルの相関関係に関する研究は過去にもありましたが、今回の調査が違うのは、大人数の中高年男性の経年変化を追ったことです。

具体的には、中年期から老年期にかけての認知機能の低下を追跡調査する「Vietnam Era Twin Study of Aging(VETSA)」に参加している男性被験者800名以上(調査開始時の平均年齢56歳)を対象に、性生活アンケートと認知レベルテストを12年間で3回実施しました。

すると調査開始時には性的欲求不満と認知機能にはなんらの関連性も見られなかったのに、その後、性生活に不満を抱えるようになった男性側には記憶力低下も同時進行で起こっていることがわかったのです。

なお、勃起不全を訴える男性に関しては、調査開始時においてもその後の調査においても、もっと著しい認知機能低下が見られました。

論文共同主幹執筆者である同大博士課程Riki Slayday研究員はこう語っています。

「経年データを解析してわかったのは、勃起機能・性的満足度の増減と、認知機能の増減との間にパラレルな相関関係があることです」

「以上の関連性は、人種社会構成や病歴を踏まえてデータを微調整した後にも確認されました。セックスライフと認知能力の間に明確な相関関係があることが示されたかたちです」(プレスリリースより)

論文はGerontologist最新号に掲載中です。

両者の因果関係を示すものではない

無論、調査でわかったのは相関関係であって、「セックスがおろそかになると記憶力が低くなる」といった因果関係を示すものではありません

共通の原因がほかにあって、結果としてそっちもこっちも不調になってることだって考えられますし。

ココから先は憶測の領域になってしまうのですが、いちおう研究班が立てた仮説もあります。たとえば…

セックスライフが悪化する

→それが原因で男性はストレスをためこむ

→ひいては認知能力にまでマイナスに響く

などなど。

あと、循環系疾患でも勃起不全のリスクは高まることが知られているので、頭も下半身も血の巡りが悪くなってるだけなのかもしれませんし。

いずれにしても因果関係の解明にはさらなる調査が必要ですが、シニア男性の性機能の衰えが記憶障害の初期兆候になりうることは最低限断言していいのでは…と研究班は言っています。

むぅ、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノを取り違えてる場合じゃないわあ…。

セックスライフの問題解消に積極的に取り組むことで頭をシャープに保てるならそれに越したことないですね。

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