ChatGPTはプロの投資家より株取引でもうけたとの実験結果、AIはどんな企業の株を選んだのか?

GIGAZINE



比較サイトのFinderが、ChatGPTが選定した株式38銘柄の値動きと、人気ファンド10本の平均パフォーマンスを比較する実験をしたところ、ChatGPTの方がはるかに高い利益を上げたことが報告されました。

An investment fund created by ChatGPT is beating the UK’s top 10 most popular funds – Finder UK
https://www.finder.com/uk/press-release-chatgpt-investment-fund

Is ChatGPT outperforming the top 10 most popular funds in the UK?
https://www.finder.com/uk/ai-investing

ChatGPT AI can pick better stocks than fund manager | CTV News
https://www.ctvnews.ca/business/chatgpt-can-pick-stocks-better-than-your-fund-manager-1.6386348

以下は、ChatGPTに選ばせた銘柄(濃い青線)と、イギリスで人気上位のファンド10本(薄い青線)のパフォーマンスを比較したもの。ChatGPTが選んだ38銘柄で構成されるファンドの価格は、2023年3月6日にFinderが作成してから63日間で7.66%上昇しました。一方、イギリスで最も人気のある上位10本のファンドの成績は-0.09%と振るいませんでした。


実験のため、FinderはChatGPTに主要ファンド10本の基準を参考に、優良企業の株式を30銘柄以上組み入れたポートフォリオを作成させました。優良企業の基準は、負債が少ないこと、これまで持続的な成長を見せていること、競合他社に対して優位性のある資産を保有することなどです。

この指示に対し、ChatGPTは「特定の投資アドバイスは提供できません」と難色を示しましたが、単なる理論的な演習であると伝えるとあっさり銘柄選びを行ってくれました。

ChatGPTが選んだ銘柄は以下の通り。PepsiCo、Microsoft、Coca-Colaをはじめとするアメリカの大企業が目立ちますが、オランダの半導体企業・ASML Holding NVや台湾のTSMC、アイルランドを本拠とするコンサルティング会社・Accentureなどの企業も選ばれています。Finderは実験の際、この38銘柄に均等に重み付けをしました。


そして、以下はベンチマークとなった比較対象のファンドです。個人投資家からプロまで幅広い投資家から高く評価されている人気ファンド10本が選ばれています。


3月6日から4月28日の間に、ChatGPTのファンドは4.9%上昇したのに対して、イギリスの人気ファンド10本の平均は-0.8%と、ほとんどの期間でChatGPTは人気ファンドを上回るパフォーマンスを見せました。同じ期間に、アメリカを代表する企業500社の株価を基準とした「S&P500指数」は3%上昇し、ヨーロッパの同様の指数である「ストックス欧州600指数」は0.5%上昇しました。

今回の結果はあくまで数カ月間の実験の結果で、今後もChatGPTが高いパフォーマンスを発揮し続けることを保証するものではないため、Finderは「ChatGPTを実際の投資に使うべきではありません」としています。なぜなら、ChatGPTは2021年までのデータでトレーニングされていますが、株の値動きは最新の業績や経済の動向に強く影響を受けるからです。

その上で、FinderのCEOであるジョン・オスラー氏は「人々が、技術的に見ると本来の用途ではない場所でChatGPTを活用する創造的な方法を見つけるのに、長い時間は必要ありませんでした。大勢の消費者が金銭的な利益のためにChatGPTを使おうとするようになるのも、そう遠いことではないでしょう」と話しました。

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