博多駅のタクシー運転手に「今1番オススメの店」とお願いしたらこうなった / 街の変化に気がつくベテランドライバーならではの答えがこれだ!

ロケットニュース24

福岡県といえばグルメ天国。博多ラーメン、もつ鍋、水炊き……名物ばかりで逆に何を食べたらいいか分からないって方もきっと多いだろう。そこで今回は、博多駅前で停まっていたタクシー運転手さんに “今、1番おすすめの店” を教えてもらうことにした。

地元を知り尽くしているうえに観光客や出張ビジネスマンを乗せているベテランドライバーなら、ベストな場所に案内してくれるに違いない。果たして私は、どこで何を食べることになるのだろうか。運転手さん、よろしくお願いしまーす!

・タクシーグルメ博多駅編

「博多といえばラーメンを思い浮かべる人が多いけど、実はうどんの発祥地なんですよね」と語り始めたのは、個人タクシーの内田さん。「あそこの承天寺(しょうてんじ)には発祥地の石碑がありますよ」などと観光案内をしてもらいながら博多の街を走り出した。


「ラーメンなら一双(博多一双)が人気ですよね。うどんならそこを曲がったところにあるアレが人気で、えーっと名前を忘れちゃったけど、私もよく行くんですよ。あの北九州の……」

──資さん(すけさん)ですか?

「そうそう資さん。あそこは家族でよく行きますね。それか天ぷらの……」

──ひらおですか?

「そう、ひらお。だいたい外食と言ったら、資さんかひらおになりますね。あとはウエスト」


たしかに福岡県内には「資さんうどん」「天麩羅処ひらお」「ウエスト」といった鬼人気チェーンがいくつも存在する。地元に愛されるご当地チェーンは運転手さんも利用しているだろう。では逆に、運転手さんはどうやって人気店の情報を仕入れているのだろうか。

いつも行列ができているお店は覚えますね。お客さんから頼まれることもありますし。最近は天神にある生ドーナツ屋(アイムドーナツ)の行列がすごいですよ。私は食べたことありませんけどね。今から行くお店の行列もなかなか……」


・街の変化に気づくベテランドライバー

どうやら内田さんは「毎日市内を運転していれば “行列” で今話題のお店が分かる」ということらしい。乗客におすすめを聞かれた時には、並んでいる人が多いお店を教えるそうだ。なるほど。それも1つの答えである。

そういえば、都内でタクシー運転手をしていた私の母は『東京ウォーカー』が情報源だと言っていた。「駐車場代が高いからいちいち車をとめて食べに行かない」という。それでもどこかで食べたカレーパンは美味しかったと喜んでいた。

なんというか、観光名所から今が旬のお店まで、乗客の要望に即座に対応するタクシー運転手はあらためて凄いと感じる。ちなみに内田さんの趣味は……

「釣りが好きでね。加布里(かふり)漁港の船頭さんと知り合いだから今度はイカ釣りに行ってきますよ


それは楽しみですね、などと会話を楽しんでいたらあっという間に目的地に到着した。

「いつもここは行列なんですが、ラッキーですね」


・元祖博多めんたい重

西中洲にある『元祖博多めんたい重』。過去に当サイトでも取り上げたことのある有名店だ。なるほど明太子か。私は東池袋にある姉妹店『元祖めんたい煮込みつけ麺』で「つけ麺」なら1度だけ食べたことがあるが「めんたい重」は食べたことがない。よし……!

タクシーを降りて10分ほど待って入店し、人気ナンバー1の「飯麺セット(3168円)」を注文した。博多の味を存分に楽しめるメニューだから値段はそこそこするものの1度食べておいて損はないという。

最高級の自家製明太子に秘伝のタレをかけた「めんたい重」と、同じく明太子と10種類以上の野菜をじっくり煮込んだ濃厚なつけだれが特徴の「めんたい煮こみつけ麺」の豪華セットだ。

まさに明太子づくしなメニューである。明太子目当てで博多に来たなら迷わず頼んでいいだろう。観光客向けな感じもする。



・縁起物

ちなみに、めんたい重は “幸せが重なる” という特製重箱に、明太子(めでたいこ)を丸ごと1本、さらに昆布(よろこんぶ)を巻いているので縁起物として喜ばれているという。もっと言うと、明太子とご飯で「紅白」とのこと。

言うまでもなくウマい。皮にも粒にもしっかり味が染みている。それでいて上品なのは縁起物だからか。ひと口食べただけでも旨味が凝縮されているため、ご飯がめちゃめちゃススム。

さらにタレをかけることで旨味が際立つのだ。食べやすくカットされているからじっくり味わいたい。こんな贅沢はなかなかできないぞ。

つけ麺は先述のとおり池袋で食べたことがある。こってり濃厚なつけ汁に麺をくぐらせるとつぶつぶの明太子が絡む。また明太子……だが、それでいい。ピリリと辛くてコクもある。聞けば、つけ汁にも明太子をまるまる1本使用しているそうだ。そりゃ3000円しますわ。


麺を食べ終えたら特製の「割りスープ」を入れる。最後の1滴まで楽しめるという。

美味しかったが……さすがに「もう明太子大丈夫っス」となってしまった。いやもちろん満足度は120パーセント以上。博多名物・明太子のフルコースをこれでもかと堪能させていただきました。

お店を出ると5組ほどが入店待ちをしていた。やはり人気なのだろう。最寄駅は地下鉄の中洲川端駅で徒歩約5分。地元を走るタクシー運転手さんが行列の凄さで選んでくれたのは、明太子好きの聖地と言える有名店だった。年中無休なので機会があればぜひ行ってみてほしい。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名元祖博多めんたい重
住所:福岡県福岡市中央区西中洲6-15
時間:7:00〜22:30(LO22:00)
休日:年中無休

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

Source

タイトルとURLをコピーしました