市川猿之助の「恋人」、心中騒動の直後に女性とデートか、文春報道…俳優Aの正体


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市川猿之助のInstagramアカウントより(編集部にて一部加工)

 人気歌舞伎俳優・市川猿之助が救急搬送される騒動から約2週間が経過し、依然として報道が冷めやまぬなか、5月24日には猿之助は警視庁から事情聴取を受けたが、両親の自殺に猿之助がどのように関与したのか、いまだ真相はわからないままだ。そんななか、倒れていた猿之助一家の第一発見者であり、猿之助の付き人で恋人だと伝えられている男性・Aさんの存在が世間の注目を集めるなか、31日配信の「文春オンライン」記事は、事件が起きた日の数日後にAさんが女性と手をつないでマンションに帰宅していたと報じた。果たして彼は何者なのか――。

 騒動の発端となったのが、猿之助が搬送された5月18日に発売された「女性セブン」(小学館)が報じた、猿之助による性加害疑惑だ。猿之助は「セブン」発売前日、記事が出ることを知り、自宅で父で歌舞伎俳優の市川段四郎さんと母・延子さんと家族会議を開き、まず両親が向精神薬を大量に服用し死亡(段四郎さんは搬送先の病院で死亡が確認)。猿之助も向精神薬を服用した後に首吊りを図ったが、18日にクローゼットのなかで意識もうろう状態のまま床に座っていたところを発見された。猿之助は薬を飲んだ両親の首から上にビニール袋をかぶせたとも一部報道では伝えられている。

「すでに殺人事件などを扱う警視庁捜査一課の事案となり、自殺教唆か自殺ほう助の線で捜査が進んでいる模様。現在の猿之助の所在が明らかになっていないことから、医療機関に収容されているとみられる。もし仮に猿之助が自分で用意した向精神薬を両親に飲ませていたのだとすれば自殺ほう助が成立し、執行猶予付きの懲役や禁固となるのが相場だが、執行猶予期間中は公演などで表舞台に出ることは難しくなる」(全国紙記者)

猿之助との個人的な付き合いのなかで「付き人」のような存在に

 事件直後から注目されていたのが、第1発見者とされる付き人のAさんの存在だ。当初、Aさんは「男性マネジャー」と報じられていたが、猿之助の所属事務所は23日、HP上で

「猿之助が救急搬送された5/18弊社女性マネジャーの動きに関しましては、週刊誌の発売に合わせてマスコミ・報道関係者が自宅に訪れることが予想され、近隣住民皆様のご迷惑にならないよう、自宅~明治座間での移動に同行する予定でおりました」

と説明。事件現場に同行していたとされた「男性マネジャー」のAさんの存在については、東京スポーツの取材に対し「弊社のマネジャーとして現場に行ったのは女性マネジャーのみです。男性マネジャーは把握しておりません」と回答している。

「Aさん自身も俳優として活動しており、猿之助の事務所にマネジャーとして雇われているわけではなく、個人的な付き合いのなかで『付き人』のような存在になっていた。俳優としては無名にもかかわらず、なぜか猿之助が手掛ける舞台では重要な役どころを得たり、猿之助が頻繁に開く飲み会やパーティーには必ずといっていいほど顔を出していた模様。いくら打ち解けたムードの私的なパーティー中でも、澤瀉屋(おもだかや)のトップである猿之助に馴れ馴れしく接する者はおらず、俳優やスタッフも気を使って接する。そんななか、Aさんだけは猿之助とは他の人と違った関係のようにみえたという声はある。

 もっとも、主役級の俳優が個人的に肩入れする人物やブレーンのようなスタッフを贔屓にして、契約などはあいまいなまま一門に引き入れるという話は歌舞伎の世界では珍しくはないので、特段にAさんの存在が目立っていたわけではないようだ。

 俳優としてこれといった実績がないAさんは過去、複数の有名年上女優に取り入って交際にこぎつけることで芸能界で仕事を得てきたとも報じられている。一方、猿之助は先代の三代目猿之助(現二代目市川猿翁)の直系の子ではない身で、若くして四代目猿之助の大名跡を襲名し、さらに本流とされる市川宗家の成田屋や音羽屋、中村屋、高麗屋などと異なり歌舞伎の世界ではやや傍流とされ土台がしっかりとしない澤瀉屋を率いるという重責を抱えている。そんなプレッシャーと孤独を抱える猿之助が、Aさんにいいように付け入られて利用されていたのではないかという同情の声が歌舞伎界では多勢のようだ。あんな騒動の数日後に女性とデートに興じるなど、いったいどんな神経をしているのかと思うが、その素性が徐々に明らかになりつつある」(歌舞伎界に詳しい週刊誌記者)

一概にパワハラと切って捨てられない難しい面

「セブン」記事は、猿之助は日頃から一門の俳優やスタッフらに対してハラスメント行為に及び、スキンシップを拒んだスタッフを公演から外したり、逆に好意を持った駆け出しの役者に大きな役を与えることもあったとも伝えていた。そんな猿之助のお眼鏡にかなった一人がAさんだったのかもしれない。また、猿之助は歌舞伎の外の人間も積極的に起用する一方、一門の古参の俳優やスタッフを排除する面もあったとも伝えられていたが、前出・週刊誌記者はいう。

「『スーパー歌舞伎Ⅱ』で人気アニメの『ワンピース』や『鬼滅の刃』を題材に選ぶなど、猿之助は既存の歌舞伎の伝統を守りつつ前衛的かつエンターテイメント色の強い演出に果敢に挑戦してきた。それは歴史が浅い澤瀉屋が独自の足場を築き生き残っていくために、猿之助が考えた生存戦略という側面もある。猿之助の襲名後、そうしたやり方についていけずに一門を離れた俳優やスタッフは少なくないようだが、彼らからしてみれば『追い出された』と感じてもおかしくはなく、どちらかが正しいという単純な問題ではない」

 歌舞伎界を取材する別の週刊誌記者もいう。

「猿之助の誘いを断ったために舞台から外されたと周囲に話すスタッフがいたことは事実のようだ。歌舞伎の世界は狭いので、今回の『セブン』記事についても、内部の誰が週刊誌に情報や澤瀉屋関係者の連絡先を渡しているのかは特定されている様子。今の猿之助が四代目を襲名して以降、澤瀉屋を去ったスタッフ、俳優の数は一桁ではない。猿之助が稽古などでかなり厳しかったという報道も出ているが、歌舞伎の主役クラスの俳優で、稽古のときに厳しくない人などいないし、勢いあまって厳しい言葉が発せられることは日常茶飯事。

 特に猿之助の場合は演出に強い革新性を求めるので、昔ながらのスタッフや俳優のなかには、ついていけなかったり、反発する者もいる。座頭である猿之助が舞台をより良いものするために外部から人材を起用する一方で、そういう昔ながらの者たちを遠ざけるというのは、ある意味で猿之助にとっては必然であり、『反発するから排除しました』という表現で簡単に批判されるものでもない。『肩入れする人物を抜擢していた』というのも、見込みがある役者に肩入れするのは当たり前ともいえ、一概にパワハラと切って捨てられない難しい面がある。なので関係者の間には『パワハラなんかじゃない』と猿之助を擁護する声もある」(5月24日付当サイト記事より)

「保護責任者遺棄致死罪」という罪が成立する可能性

 現時点では、実際に猿之助が両親の死亡にどのように関わっていたのか定かではないが、今後、罪に問われる可能性があるのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士はいう。

「マスコミ等において、『自殺教唆』や『自殺ほう助』といった罪の成立が騒がれています。確かに、何らかの理由で猿之助さんが、それまで自殺願望のなかった父親、母親に自殺や心中を勧め、自殺させるに至ったのであれば『自殺教唆』となりますし、その際、向精神薬を用意したり、飲ませたりすれば『自殺ほう助』が成立する場合があります。

 もっとも、今後、猿之助さんが(おそらく弁護士に相談するなどして)『父親(または母親)が自殺や心中を提案し、私も納得して自殺しようとしました』と供述した場合、『猿之助さんが父親、母親に対し自殺を勧めた』という図式にはならないので『自殺教唆』は成立しにくくなります。向精神薬も父親または母親が用意していたのであれば『自殺ほう助』も成立しにくくなります。この点は、猿之助さん自身に自殺の動機があり、父親、母親に自殺を勧めたのかどうかという点から解明されるでしょう。

 現在、猿之助さんしか生き残っていないので、当人がどのような供述をするか、それなりの量の向精神薬を誰が用意したのか、が今後の捜査のポイントとなると思います。向精神薬は、そんな簡単に手に入るものではないので、早晩、入手経路は判明することでしょう。

 ところで、母親については、先に亡くなっていたという客観的事実があります。母親が向精神薬を飲んで死に至る中、父親は老齢で『助けることができる立場』にない。このような状況に居合わせている猿之助さんは、通常、どのような行動をとるでしょうか? 通常は119に通報するなどして医療を受けられるようにしたり、介抱したりします(自分も自殺するつもりだったからこれらをしなかった、というわけにはいきません)。

 このように、生命や身体が緊急状態にある人がいて、この人を助けなければならない立場にある人が『何もしない』場合、『保護責任者遺棄致死罪』という罪が成立する可能性があります(3年以上20年以下の懲役)。正直なところ、捜査機関や検察も『生き残りの猿之助さんの心の中』を捜査していくことは困難です。

 とすれば、捜査機関や検察としては『助けを必要とする母親』がいて、『助けなければならない立場』に『猿之助さん』がいた、しかし『助けることなく、死という結果を招いた』という事実で立証することができる保護責任者遺棄致死罪を考えるでしょう。

 自殺を試みている方が『助けを必要としている』のかどうかという疑問は残りますが、もし、捜査機関や検察が刑事事件として立件し、有罪を求めるのであれば、現時点で判明している情報で考えるならば、保護責任者遺棄致死罪を適用する可能性が高いと思います」(5月24日付け当サイト記事より)

 前出の歌舞伎界に詳しい週刊誌記者はいう。

「市川團十郎や中村獅童、猿之助の従兄弟である香川照之(市川中車)をはじめ、過去にスキャンダルを起こした歌舞伎俳優たちはみな、今も舞台に立ち続けているが、歌舞伎界が不祥事を起こした俳優に甘いのは事実。猿之助ももし有罪判決を受けても、執行猶予が明けて舞台に復帰すれば、歌舞伎界にとってはこれほどインパクトのある感動的イベントはないだろうし、歌舞伎ファンも万雷の拍手で迎えるだろう。猿之助の復帰は既定路線の感すらある」

(文=Business Journal編集部)

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