こんなのを待っていた! MimestreamはmacOSで動く理想のGmailクライアント

ライフハッキング

いまや企業や大学でもGoogleサービスを利用している組織は多く、Gmailがメールのスタンダードになっている仕事も珍しくなくなりました。ただし、Gmailの機能はすばらしいものの、ブラウザで利用しているときはUIが少しぎごちないという状況がもう何年も続いています。

たとえばGmailを便利につかうときの要であるフィルターの編集などは、どうしてこんなに使いにくいのかと嘆きたくなるほど昔から変わっていません。

一方、専用のメールアプリだとGmailの機能を中途半端にしか利用できなかったり、せっかくのGoogleカレンダーやコンタクト、Google Meetとの連携などが使いにくくなります。

このちょうどいいバランスを解決してくれるmacOS上のアプリが、ここ数年開発が続けられてこのほどバージョン1.0がリリースされたMimestreamです。

Gmail APIを使っているのでGmailそのもの。ただしもっと使いやすい

Mimestreamは汎用のメールアプリではなく、現時点ではGmail専用のアプリです。Googleアカウントを追加して、いくつかの許可を発行するとすぐに利用することができます。

見た目の洗練されたネイティブアプリですが、Gmail APIを利用してGmailでできることはすべてMimestreamでも可能なように設計されていますので、なんの違和感もなく利用することができます。

こちらがそのメイン画面。左のタブに「Social」「プロモーション」といった欄があるのがみえるでしょうか。これはGmailの自動振り分けするカテゴリのタブがそのまま反映されている場所です。

もちろんスター、スパム、すべてのメールなどといった、いつも利用するカテゴリも反映されていますし、ラベルもすべて同期されています。

個人と仕事で複数のGoogleアカウントを持っている場合でも大丈夫。左上に「パーソナル」「ワーク」と書かれているようにアカウントの切り替えも可能ですし、複数のカテゴリタブを一気に見ることも可能です。

実際、わたしは個人用のアカウントを複数ここに登録して利用していますが、Chromeでプロファイルを切り替えたりするのよりもずっと楽にメールを扱うことができます。この機能だけでもMimestreamを使う価値は十分です。

メールを書く際も、Gmailの機能をすべて引き出すことができます。エイリアスのアドレスももちろん利用可能ですし、Googleアカウントごと・メールアドレスごとに設定した署名を選択して設定するのも自在です。

また、Gmailの連絡先に接続を許可していれば、そこからメールアドレスなどの情報を補完してくれますので、馴染みの相手は最初の数文字をいれるだけですぐに候補が表示されるでしょう。

かゆいところまですべてちゃんとGmailになっているアプリ

MimestreamはGmailクライアントとして徹底しているので、さまざまな細かい機能もアプリ内から利用することができます。

たとえばキーボードショートカットはGmailのものをそのまま使うこともできますし、Appleメールのショートカットを踏襲することもできます。たいていのGmailのショートカットはサポートされていますので、いつもGmailを使っている人ならば指が記憶した操作をそのまま反映できます。

また、とても便利なのがこちら。GmailのフィルタをMimestream内で管理したり編集することができます。これは現状のUIではとても不便なので重宝します。

たとえば「このメールは自動でラベルを付けて受信箱に分類せずに格納したい」と思ったら、Mimestream内でスレッドを選択してフィルタをその場で編集したり適用できます。

おそらくブラウザ上で苦労して編集するよりも効率的ですし快適なので、馴染みの機能だとはいえ惚れ直して使うようになるはず。

MimestreamにはいくつかGmailに存在しない機能もあります。たとえばテンプレート機能はGmailにもありますが、日付や件名などと変数として扱うTextExpanderのような高度なテンプレート機能が追加されていますので自動返信などで効果を発揮します。

ツールバーのカスタマイズも嬉しい機能の一つ。やはり自分の好みにUIを作り替えて利用できるネイティブアプリの良さをもちつつ、実際の中身はクラウド上のGmailを触っているという柔軟性が利用者のニーズを良く理解していると言えます。

サブスクリプションの価値あり。いまなら多少安く始められる

長く無料でのベータテストが行われていたMimestreamですが、バージョン1.0の完成でサブスクリプション型のアプリに移行しています。価格は年間50ドルですが、2023年6月9日まではローンチ記念で30ドルです。

サブスクリプションすると5つの端末までインストールして利用が可能ですので、自宅用、仕事用、ノートパソコン用といった、通常の利用をすべてサポートできます。

サブスクリプションはランニングコストが高そうな印象ですが、一週間ほど利用してみたところ、メール処理のストレスががかなり軽減されるだけでも価格の価値は十分にあると感じました。

MimestreamはまだmacOSのみのアプリですが、今後iOSやiPadOSへの対応、あるいはGmail以外への対応も検討しているようです。ベータテストをしていた多くのユーザーから好ましい反響もああって、今後が楽しみなアプリです。

一箇所だけわかりにくい点

ほとんどのUIは日本語化されていますので直感的に利用できるMimestreamですが、もしサブスクリプションをしたときにGmail以外のメールアドレスから登録した場合には注意が必要です。

もしGmailではないメールアドレスで登録をしたなら、アクティベーションをおこなうウィンドウでは「その他」を選択して、登録メールアドレスを入力してください。そこに6桁のアクティベーションコードが送信されます。

もしそのアドレスがGmailのエイリアスなら、受信したメールを開封した時点でアクティベーションが完了するようになっています。ここだけちょっとわかりにくいので慌てないように注意!

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