ヨックモックのシガール1箱まるごと堪能する

デイリーポータルZ

最初、この企画の趣旨を聞いた時、内心どうしようって感じていた。

というのも、私はもともと「一人で食べないようなものを一人占めして食べる」を日常的に、自主的にしている自覚があったのだ。

あらゆる大人買いを楽しんできたいま、まるごと一人占めしたい食べ物ってなんだろうか。

ひとつ思い当たったのが、ヨックモックのシガールだった。

愛されてやまない青山のお菓子・シガール

たくさんの人に愛されまくっているため、説明不要の可能性もある。だけど説明はしておこう。シガールとは青山のお菓子ブランド「ヨックモック」が作り出した、バターたっぷりロール状のクッキーだ。 

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都内だとぴかぴかした手土産がならんでいそうな場所で買える。品川駅のエキュートでも買える

生まれてからこれまでの間、シガールは私にとって「出先でごくたまにもらえる、品のあるおいしいお菓子」という位置付けだった。

一度だけ買ったことがあったが、自分のためではなかった。去年の1月末、勤めていた会社を辞める際、置き土産として買ったのだ。

当時、紙袋に丁寧に入れられたシガールの箱を受け取りながらひっそりと思っていた。

「このままぜんぶ、すべてを私だけのものにしたい。」

すべて自分のものにしてしまえたらいいのに

だけど、ありったけの理性を込めてその気持ちにフタをした。

そして時を経ていま、私の前には、あの日必死の思いで別れを告げたシガールの地平が広がっている。うれしい。とてもうれしい。

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包み紙の開封から担当できるありがたみよ。14本、20本、30本、48本入りといくつか種類があるなか、30本入りを選びました

だけど、裏側に貼られたシールを見た瞬間にシュッ……と現実に引き戻された。1本あたり58kcalなのだという。

つまり10本食べたら580kcal、30本ならば1740kcalだ。現実よ

あすけんねえさん(※)に正直に報告したらきっと泣かれる。

※「あすけん」という食生活記録・改善アプリ内に頻繁に登場するAI栄養士「未来(みき)さん」のこと。入力した食事の内容がひどいと、泣くことがある。 

いや、あすけんねえさんが泣かなくても、私の胃腸が泣き出してしまう可能性もじゅうぶんにある。

けっして胃腸が元気いっぱいとはいえない年頃なのだ

各所で悲しみの涙がこぼれてしまわないように、持続可能性のある方法で挑戦するのがいいだろう。

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朝、食べるのがいい

持続可能性のためにはまず、食べるタイミングが肝心だ。

夜と朝だったら、間違いなく朝がいい。朝とったカロリーのほうが、寝るまでの間に消費されやすいはずだから。

というわけで朝、コーヒーのおともにしてみました

改めて食べてみると、ああなんと、てっぺんからつまさきまで、バターの風味が強いお菓子なんだろうと思い知らされた。ほぼバターではないか、君。

ひとり自宅でそっと食べていると、会社とかでもらって食べていたときの数倍くらい、じっくり観察してしまうことにも気がついた。

断面。幾重にも巻かれていて、分厚い層になっているな

これが、あと29本もうちにあるってまじなのかよ……。我が家にはいま、ものすごい奇跡が舞い降りている。

必ずしも家で食べる必要はない

ところでシガールは袋のまま持ち歩くとボロボロになりがちだ。私もこれまでに何度か、鞄のなかで悲しい姿にしてしまったことがある。

とはいえ、対策さえすれば持ち運びだってできるはず。100円ショップに走り、道具をそろえてみた。

ミニ水筒と缶ペンケースがぴったりでした
帰り道、夜の街でふと、缶ペンケースを開けてみたところ、ちゃんと無事!
夜の街と出会ったシガール
心なしかうれしそうに見える

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