ゲーム販売プラットフォーム・Steamの登場により、誰でも気軽にゲームをリリースできるようなりました。しかし、毎日ありとあらゆるゲームが登場する競争の激しいプラットフォームを生き残り、ユーザーに自分のゲームを届けるというのは難しいもの。そんな競争を勝ち抜くのに役立つかもしれないアドバイスを記したワークシートを、ゲーム開発者兼アドバイザーのマット・ハケット氏が公開しました。
How to make a good Steam page
https://www.valadria.com/how-to-make-a-good-steam-page/
ハケット氏はインディーゲーム開発者向けにゲーム作成方法のチュートリアルなどを考案・提供している人物で、自身も「A Wizard’s Lizard」や「Witchmore」などのゲームを開発しています。
ハケット氏が公開したワークシートでは、以下の5つの項目について、何をやるべきなのか、何をやってはいけないのかが詳しく解説されています。
◆1:STEAM CAPSULE(イメージ画像)
CAPSULE(カプセル)とは、ゲームの内容を簡潔に表した1枚の画像のことです。例えば、ハケット氏が作成したWitchmoreのカプセルが以下のもの。「WITCH(魔女)」という言葉が不気味なフォントで描かれている一方で、かわいらしいネコの絵が隣に描かれています。この画像1枚から、まがまがしくありつつもなんとなく癒やされる要素もありそう、というのが想像できます。
このシンプルさは、Undertaleを参考にしたそうです。
ハケット氏いわく、カプセルは簡潔かつ読みやすくし、ゲームの名前やジャンル、フックになる何かを入れれば良いとのこと。アーティストを雇うべきとも助言しています。
◆2:THE DISCOVERY ALGORITHM(ディスカバリーキューのアルゴリズム)
これは、Steamのアルゴリズムにマッチするような要素のこと。このアルゴリズムの傾向からハケット氏は「ゲームのリリース前に7000件以上のウィッシュリストに登録されること、すぐに10件以上のレビューを集めることが大事」だとアドバイスしています。一方、レビューについては、Steam上の最低評価を表す「圧倒的に不評」以外であれば、トラフィックへの影響はないそうです。
◆3:WISHLISTS(ウィッシュリスト)
ユーザーのウィッシュリストに入ったゲームのうち15%は発売初週に購入されているそうです。Steamはゲームのリリース時と20%以上の割引を実施する際、そのゲームをウィッシュリストに追加しているユーザーにメールまたはプッシュ通知を送信するので、この機能を利用してユーザーの目を引くのも良いとされています。
また、ハケット氏は販売アドバイザーのクリス・ズコウスキー氏が作成した以下の画像にも目を通し、「よく知られているデータポイントと役立つヒントを簡単にまとめたものです」と評しています。この画像では、ウィッシュリストをどこで、またはどのタイミングで公開するのが最も効率が良いのかが示されており、この画像によると、最も効率が良いタイミングはSteamのフェスティバルだそうです。
I actually just watched several videos from @AdventureMtn and I think that’s a great cheat sheet! I think the part about where to get wishlist is also very interesting if you want to add something about it (maybe obsolete now?). pic.twitter.com/2bKFHgHWmw
— Darenn | Lueur????️the pocket builder game (@DarennKeller)
◆4:SALES ESTIMATES FROM REVIEWS(レビュー数による販売予測)
これはレビューと販売数の相関を示す1つの基準のことで、ハケット氏によると1件のレビューで20件から55件の販売が見込めるそうです。ハケット氏の言うNew Boxleiter Number(NB数)とは、アナリストのサイモン・カーレス氏が2020年に考案した数字のことで、ゲームの販売本数を公開していないSteamにおいて、販売本数を見積もるための水準の1つとして知られています。ハケット氏いわく、NB数30(1レビュー当たり30本の販売)が予想できる最良の数字であり、100件のレビューが付いたゲームは3000本売れていると考えて差し支えないとのこと。
◆5:TRAILER(トレーラー)
ゲームのトレーラーは大抵スキップされるそうで、初めに強い要素を入れること、イントロのゲームロゴは排除してもかまわないことをハケット氏は提唱。そのほか、ゲームプレイに直結するような要素を入れ、長さは60秒以下とし、最後にウィッシュリストへの追加または購入を促すような一文を入れると良いとしています。
なお、ハケット氏がリリースするWitchmoreのトレーラーは以下から確認できます。60秒ピッタリではないもののそれに近く、イントロにロゴは出ず、ゲーム内容が明確に分かるような映像になっています。
Witchmore – Steam Page Trailer – YouTube
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以上のワークシートは初版とのことで、今後追加や修正が行われていく模様。ハケット氏が手がけるWitchmoreは2023年第3四半期のリリース予定で、ハケット氏は「少なくとも8000件のウィッチ(魔女)リストを取得することが目標です!」と述べています。
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