清らかで華やかでサイバー風味なマンガ「秘密の宮園」のロゴができるまで

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孤独な少女がアンドロイドと名乗る少女に求婚されて始まったマンガ「秘密の宮園」は、少女同士の関係を描く華やかな雰囲気と、未来に機械に宇宙という「SF(サイエンス・フィクション)」な舞台とが混ざり合っています。そんな作品のタイトルロゴが案出しから完成までどんな感じで仕上がっていったのかというメイキングを、デザイナーの解説とともにお送りします。

【無料マンガ】秘密の宮園 第1話「孤独と美少女とアンドロイド」 – GIGAZINE


「秘密の宮園」のタイトルロゴは、ロゴデザインや装丁デザインを手掛けるLittle by Littleさんにお願いしました。メイキングと合わせてLittle by Littleのaoyaさんに解説コメントもいただいています。

タイトルロゴの案出しでは、第1話のほぼ完成原稿や2話以降のネーム・プロットを見せた上で、「清楚(せいそ)、可憐(かれん)、シンプル、ほんのりサイバー」という原作者のイメージを伝えてラフを作成してもらいました。

aoya「まずはデザインのシルエットを悩んでいます。お話の雰囲気やキャラクターデザインを拝見しながら、ざっくり考え初めます」


aoya「早速ロゴのラフデザインを作成しています。イラスト作成ソフトで飾りを描き足しながら、文字を拡大・縮小しつつ、シルエットを考えた時のイメージに近づけます。A案では、明朝体の落ち着いた雰囲気をベースに、キャラクターデザインの華やかな雰囲気をイメージしました」


aoya「B案でも明朝体の落ち着いた雰囲気をベースにしつつ、こちらは華やかな雰囲気を損ねないように白と黒をベースにデザインしました」


aoya「C案は変わり種として、近未来っぽい雰囲気と花のイメージを併せてみました」


以下の画像は、ラフ3案を比較検討するために第1話の扉絵に置いてみたもの。作画の色合いが濃い目のため一番左のA案は溶けてしまうように感じます。真ん中のB案は白く縁取って読みやすいものの雰囲気が浮いているような感じ。一番右は文字は合っているけれど背景の花の境界線が分かりにくい。ということで、視認性を上げてデザインのいいとこ取りをした「C案の文字+A案のモチーフ」という形でラフを修正することになりました。


最終的な決定ラフはこんな感じ。

aoya「C案の花のモチーフをA案に使用したモチーフに変更し、B案の光っているような濃いめ影を入れることになったので、ラフを修正しました」


aoya「ラフを元に完成版を作っていきます。縦バージョンも同時に作成します」


aoya「ラフでは文字と文字の隙間を調整していなかったので、ドット風の文字に合うように、隙間の幅も調整しています」


aoya「色を白に設定して、英字を入れていきます」


aoya「全体の影を作成しました。文字部分・花・三角の飾り、それぞれの影がちょうどいい感じになるようにそれぞれの濃度を調整しています」


aoya「影に色をつけていきます。色合いが偏らないよう、ちょうどいいグラデーションになるように何度か色をふわっと乗せては消して、を繰り返しました。」


aoya「イラストに乗せた時、影の色合いが埋もれてしまうのを防ぐためと、少しロゴが光っているように見せるため、白いテクスチャを追加します」


aoya「影の色合いと文字の太さの修正をご希望いただいたので、ここで影をもう少し暗め・黒目に修正し、文字の太さを少し細めに調整して完成です!」


実際に掲載した扉絵はこんな感じになりました。影やカラーのエフェクトは、ロゴを乗せるイラストに合わせてオン/オフができるように対応いただいたことで、読みやすくシンプルかつどこにでも合うタイトルロゴになりました。


ロゴに用いられた三角形のモチーフは、本編中にもエフェクトとして採用されています。


マンガ「秘密の宮園」本編は以下から読むことができます。

【無料マンガ】秘密の宮園 第1話「孤独と美少女とアンドロイド」 – GIGAZINE


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