テスラが持続可能なエネルギー供給の繁栄を見据えた道筋を示す「マスタープラン」の第3弾を公開

GIGAZINE
2023年04月06日 16時08分
メモ



電化と持続可能な発電・蓄電を通じて、持続可能なグローバルエネルギー経済に到達するための道筋の提案をまとめた「マスタープラン パート3」がテスラから発表されました。2006年のパート1、2016年のパート2に続く第3弾で、化石燃料からの脱却や電気自動車の増産などについて記されています。

Master Plan Part 3 | Tesla
https://www.tesla.com/blog/master-plan-part-3

テスラは報告書の冒頭で「持続可能なエネルギー経済は技術的に実現可能であり、現在の持続不可能なエネルギー経済を継続するよりも少ない投資と少ない資源で済む」と記し、その方法について具体的に書き記しています。

国際エネルギー機関の報告によると、世界の一次エネルギー供給量は1年当たり165PWhで、そのうち化石燃料による総供給量は毎年134PWhです。テスラによると、この化石燃料によるエネルギーは採掘・精製による自己消費と発電時の変圧による損失を経て、最終消費者に届くまでに37%が消費されるとのこと。さらに27%は内燃機関自動車(エンジン車)や天然ガス炉などの「非効率」な用途によって失われるとテスラは主張し、「合計すると、一次エネルギー供給量の36%(59PWh)しか、経済にとって有用な仕事または熱を生み出していないことになる」と述べました。


「世界のエネルギー経済は無駄が多い」と主張するテスラは、まずは化石燃料をなくすための計画を提案し、6つのステップを踏むことで、エネルギーを完全に電化して理想の電力状曲線に導くことができると述べています。

◆1:再生可能エネルギーで既存の送電網を補強する
再生可能資源の利用可能性、天候、送電網の地域差を考慮し、持続可能な発電と蓄電によって電力網を支えること。

◆2:電気自動車への切り替え
電気自動車はパワートレインの効率や回生ブレーキ機能がエンジン車よりも約4倍の効率化を果たしているとのこと。具体的な例として、トヨタ カローラの燃費が34MPG(マイル毎ガロン)であるのに対し、テスラ モデル3の燃費は131MPGe(ガソリン換算)と、3.9倍も効率がいいそうです。


◆3:住宅・ビジネス・産業におけるヒートポンプへの切り替え
ヒートポンプは中間冷媒による圧縮・膨張というプロセスを経て熱源から熱源へと熱を移動させるものであり、ガスを燃やして熱を生み出すようなシステムよりもはるかにエネルギー消費量が少なく済みます。ただし、熱源同士の温度差が大きくなると効率が低下するため、産業分野への導入が課題です。


◆4:高温の熱供給と水素製造の電化、高温の産業プロセスの電化
鉄鋼・化学・肥料・セメント業といった200度以上の高温を必要とするプロセスが化石燃料の消費量の約半分を占めているため、このプロセスの変革をテスラは求めています。具体的には、電気による抵抗加熱やアーク炉を使う方法が考えられています。また、持続可能な水素製造方法の開発も求められます。

◆5:飛行機とボートの持続可能な燃料調達
ボートの長距離航路では、船の設計や航路を最適化し、より小型のバッテリーを搭載して充電回数を増やすという代替手段を用いることで、海上輸送を電化することが可能とのこと。飛行機の短距離航路でも同じことが言え、エネルギー密度の高い電池を使えば、より長距離の航路でも電化が可能。

◆6:持続可能なエネルギー経済の製造
持続可能なエネルギー経済に必要なソーラーパネル、風力タービン、バッテリーといった発電および蓄電施設、これの製造にかかる追加の電力などを指します。


以上の目標を満たすために必要な投資として、主に鉱業用ニッケル、リチウム、グラファイト、銅、精製用ニッケル、リチウム、グラファイト、コバルト、銅、鉄、マンガンなどが挙げられます。初期投資に加え、20年先を見据えたメンテナンス費用も勘案すると、20年間で合計10兆ドル(約1300兆円)のコストがかかります。なお、同じ要領で化石燃料を20年使い続けると考えると、コストは14兆ドル(約1800兆円)にまで上昇するそうです。


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