それは本当の “魔球” だった…【家そば放浪記】第120束:三平ストアで買った、はたけなか製麺『ぜいたく手おろし長芋そば』税込311円(1人前104円)

ロケットニュース24

エンターテイナーなんじゃないか。はたけなか製麺って。

尽きない。次から次へと出てくる。まだ見ぬ変化球(魔球)が、どんどん出てくる。

ということで今回も、家そば放浪記ファンにはおなじみ、干し蕎麦界の歌舞伎者(かぶきもの)「はたけなか製麺」による渾身の演舞を堪能していきたいと思う。

今回の作品は『ぜいたく手おろし長芋そば』。まず堪能していただきたいのは……

パッケージが劇的にオシャレ! こんな技ありデザインのパッケージ、今まで記憶にありますか? 流れるとろろを、グラデも駆使して長芋そばで表現するとか……はたけなか製麺のデザイナーおしゃれすぎだろ!

しかもだ。はたけなか製麺、けっこう「蕎麦配合率10%(未満)」をやりがちなのに、今回の作品に関しては「青森県五戸産長芋を生のまま約15%練り込んで仕上げたおそばです」……って、長芋に気合い入れすぎだろ!

しかもしかも「麺線に混ざって見える白いつぶつぶは練り込んだ長芋のかたまりです。とろっとした長芋とそばの香りをご賞味ください」って、どんだけ長芋にリキ入れてんだよ! おまえ麺屋じゃなくて長芋屋かよ!!


とっ、ともあれ……


デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……


4分ゆでて……


完成。


して、そのお味は──


あっ、感じるねぇ。これは、長芋。感じる感じる。ちょっとびっくりしたのが、失礼ながら意外にも超ウマかったこと。細麺と、力強い麺と、そして長芋の味が絶妙にマッチして、実に渋い蕎麦になっている。

はたけなか、どうした! な、なにがあったんだ……!? いつもデスマッチばかりやってるプロレスラーが、いきなり丁寧な関節技の攻防をし始めたかのような驚きがある。

「家そば」か「外そば」かで言えば、これは「外」でしょう。正直、うまいです。長芋に取り憑かれた店主が作る蕎麦みたいな、そんな長芋魂を感じました。

今まで数々の「とろろ系そば」を食べてきたが、ブッチギリで一番うまい。やはり、はたけなか、長芋屋かも……。

なお、食べ方は、もちろん「冷」でも良いと思うけど、なにげに「温」でもイケるんじゃないかなぁ……。天そばにしても良さそうだな……なんて思いました。今回は、本気で脱帽! 邪道を極めた王道。すばらしい。ごちそうさまでした!


執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥(はたけなかファン)
Photo:RocketNews24

Source