卵かつ丼なのにサクサク。「とじないカツ丼」「焼きカツ丼」「後乗せ」など様々な名で呼ばれる卵ととんかつが別のかつ丼は、かつ丼のジレンマを解決した存在と言える。そんな世間に隠れたとじないカツ丼を探すのが連載『卵とじないカツ丼を探せ』だ。
今回で20回目となる本連載にタレコミが。「新宿線菊川駅の近くにできた『どすこい田中』というすごいボリュームのトンカツやさんもとじないカツ丼をやってるみたいなので情報提供させていただきますね」とのこと。さっそく行ってみよう。
・横綱とんかつ どすこい田中
世間に隠れてるゆえに、目撃情報や口コミが重要となるとじないカツ丼探索。したがって、こういったタレコミは見逃せない。ありがとうございます!
都営新宿線は地下鉄のため、派手な駅前も存在しない菊川駅。地上に出ると墨田区らしい下町感を感じる街並みが広がっている。どすこい田中は、駅前からさらに路地を入った住宅街の中にあった。正式名称は『横綱とんかつ どすこい田中』。
テナントではなく一戸建てでそこそこの敷地だが、建物自体は綺麗で新しい。この辺の飲食店で言うと地味に珍しい外観な気がする。郊外にありそうな雰囲気というか。
・とじないカツ丼確認
さて置き、店外にある看板のメニューを確認すると、タレコミの通り、確かにとじないカツ丼であるようだ。さらに、全てのメニューに普通よりギアが一段上のボリューム仕様がある。この店のために昼を抜いてきた私(中澤)。入店して200g×2枚の「どすこいカツ丼(税込み2300円)」を注文してみたところ……
デカイ! とんかつ400gはもちろんなのだが、それだけではなく丼も大きく深い。食べきれるだろうか? 見た目でちょっと不安がよぎるデカさである。
・庶民派
とんかつには何もかかっていないのだが、食べてみたところしっかりとした下味がついていた。その下の卵は分厚くふわふわで、米にはかつ丼的な和風つゆが染みている。
味付は、『丸七』のような近年のムーブメントとなっている新しい味というより、従来のかつ丼でとんかつ別という感じ。庶民的な方向性はどちらかと言うと『かつや』に近い。食べきったらお腹がぱんぱんになった。
・一番気になった点
とは言え、大食い自慢でもない私が食べきれるくらいなので一般男性が食べきれないほどの量ではない。したがって腹ペコ時にはちょうど良い満足感が得られる店とも言える。ちょうど良い爆盛りってなかなかないからな。ところで、さっきから気になってたんだけど……
なんで土俵あるの?
そう、何を隠そうこの店、ど真ん中に土俵があるのだ。しかも、飾りの小さいものではなく、相撲取りが相撲を取れるレベルの国技館みたいなガチのサイズのヤツが。むしろ、壁際についている席の方が飾りである。
どう考えても土俵がメインであり、正直、とじないカツ丼どころじゃない存在感だ。そこで店長に話を聞いてみたところ、本当に相撲をやってるっぽい。
・土俵がある理由
実は、この店は、インバウンド向けに相撲を見せているイベントスペースなのだとか。昼はそういった興行を行っており、夜は飲食店として営業しているのだという。厨房では最高位小結の佐久間貴之さん(元・常幸龍)も働いていた。爆盛りの理由がなんとなく分かりました。
というわけで、ガチの土俵があるとんかつ屋なこの店。以前、リングがあるバーもご紹介したが、色んな店があるものである。メニューも空間も迫力が凄いので、フラッと土俵を見たくなった時は行ってみてくれ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 横綱とんかつ どすこい田中
住所 東京都墨田区立川3丁目1-11
営業時間 17:00~22:00 (LO 21:30)
定休日 火曜日
参考リンク:横綱とんかつ どすこい田中
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.