出光、愛知県内のSSで「脳機能測定」サービス–認知機能低下など予防、VRゴーグル活用

CNET Japan

 出光興産は3月24日、出光リテール販売が運営する愛知県内のサービスステーション(SS)3カ所において、VRゴーグルを用いた「脳機能測定」のサービスを開始すると発表した。

 脳の健康維持サービスを開発、提供するMIGから測定業務を受託し、3月25日から6月30日までの期間限定で実施する。

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 VRゴーグルによる空間ナビゲーション機能と空間学習能力の測定結果に基づき、脳機能の診断とアルツハイマー型認知症の発症予防に向けた行動変容を促すレポートを受診者に提供する。これにより、認知機能の更なる低下やアルツハイマー型認知症の発症予防だけでなく、生活習慣病の予防にも寄与するアクションを早い時期から実行できる。

 提供場所は、愛知県日進市の「セルフ梅森SS」「セルフ香久山SS」、愛知県豊田市の「セルフリバーサイド豊田SS」の3カ所。利用には電話(0120-987-407、受付時間は平日・土日祝日ともに9~18時)での事前申込が必要で、料金は5500円(税込)。所要時間は事前説明などを含めて30分程度になる。

 高齢化の進展に伴い、日本では認知症を発症する人の数は増加傾向にあり、介護負担が増大。患者や家族の社会的孤立など、多くの深刻な問題を引き起こす一因になっている。しかし、認知症の治療法は現在完全には確立されておらず、認知症発症予防は患者への対応と並ぶ重要な課題となっている。

 認知症のうち、最も発症割合の高いアルツハイマー型は、脳に蓄積された異常タンパク質が神経細胞を破壊し、脳が萎縮することにより発症するという。異常タンパクの蓄積は、数十年をかけて徐々に進むが、従来の認知症検査では軽度認知障害(MCI)に至る段階まで判定できなかった。MIGの脳機能測定を活用すれば、脳神経破壊の状況を予防の効果が高い最初期段階で可視化できるとしている。

 また、出光興産は、特約販売店と協働して全国の系列サービスステーション「apollostation」を生活支援基地とする事業領域「スマートよろずや」の取り組みを推進している。特に高齢化の進展により、高齢者福祉やヘルスケアに関する社会的なニーズは高まっており、対応するサービスを提供する拠点として、全国に所在するサービスステーションを活用する意義は大きいと考えているという。

 今回、同取り組みの一環として、同社が100%出資する出光リテール販売が運営する愛知県内のサービスステーションにおいて、脳機能測定を期間限定で開始する。生活支援基地としてのサービスステーションの利便性向上を図ること、また当該サービスへのニーズを確認し、今後は他の地域での展開可能性も検討する。

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