アサシンクリードシリーズなどの開発元として知られるUbisoftの研究開発部門であるUbisoft La Forgeが、ゲームに登場するNPCのセリフ作成を自動で行うAIツールの「Ghostwriter」を発表しました。
Ubisoft Is Using An AI Tool For Writing In Its Games – GameSpot
https://www.gamespot.com/articles/ubisoft-is-using-an-ai-tool-for-writing-in-its-games/1100-6512552/
Ubisoft is developing an AI tool ‘that aims to support scriptwriters’ | VGC
https://www.videogameschronicle.com/news/ubisoft-is-developing-an-ai-tool-that-aims-to-support-scriptwriters/
Ubisoftが2023年3月22日に発表したGhostwriterは、NPCのセリフ(プレイヤーがゲームの世界に入り込んだときにNPCが発するフレーズや音)の最初の原稿を生成し、脚本家をサポートすることを目的として独自に開発されたAIツールです。セリフの複数のバリエーションを生成することで、よりリアルなNPCとのやりとりを実現するべく、脚本家と共同で開発されました。
UbisoftによるGhostwriterの紹介動画が以下。
Ubisoft is Developing an AI Ghostwriter to Save Scriptwriters Time – YouTube
[embedded content]
群衆のおしゃべりや、NPCのセリフといった騒音はゲームの没入感を高めるために欠かせない要素のひとつです。
そして、そのような何気ないセリフの裏には、セリフを書くシナリオチームが存在します。
そんなシナリオチームを手助けするために開発されたのがGhostwriterです。
GhostwriterはUbisoftの研究開発部門であるUbisoft La Forgeが開発したAIツールで、シナリオライターや脚本家がNPCが発する何気ない会話を作成するのに役立ちます。
Ghostwriterでセリフを出力するには、まずキャラクターが経験するイベントや状況を変数として入力する必要があります。その後、選択したモードに応じてGhostwriterが新しいセリフを生成してくれます。
Ghostwriterが出力したセリフは「俺も昔はお前みたいな冒険者だった」というもの。
お化けのアイコン部分には「Motivate Me(モチベーションを上げるように)」や「Talk Pretty(可愛く話す)」といった、NPCのセリフがどんな感情で話されるかを設定することができます。
Ghostwriterは複数のセリフを出力するので、脚本家はこの中から好みのものを選択。
さらに、Ghostwriterの出力したセリフは自由に編集することができます。
脚本家がセリフのオプションを受け入れたり、再生成したりすると、機械学習モデルがそれぞれの選択から学習し、より効果的にセリフを生成できるように成長していきます。Ghostwriterはシナリオチームが反復的な作業をより迅速的かつ効果的に完了できるように、シナリオチームと共同で開発されたものです。そのため、Ubisoftは「シナリオチームはNPCのセリフ作成という作業ではなく、シナリオ作成などのより創造的な作業に専念できるようになる」と説明しています。
また、Ghostwriterの導入によりプレイヤーは興味深く、一貫性があり、おしゃべりな個性豊かなNPCに出会えるようになるとのことです。
ゲームメディアのVGCが「UbisoftはNPCとの対話における原稿を生成することで脚本家をサポートする新しいAIツールを発表しました」と報じたところ、Ubisoftの公式Twitterアカウントが「このタイトルには『ツールが脚本家と共同で作成されたもの』である点と、『NPCが繰り返し発する短いセリフのバリエーションを作成するためのものである』という点が抜けています」と指摘しています。
The missing context from this headline is that the tool was created in collaboration with writers and is just about creating more variations for human-written ‘barks’, the short, repeated lines given to NPCs.
— Ubisoft (@Ubisoft)
なお、Ghostwriterを開発したUbisoftは他にもAIツールの開発を進めており、2022年11月にはライバル企業のRiot Gamesと共同で、ゲーム内の悪質な言動をAIを用いたモデレーションツールで検出する「Zero Harm in Comms」というプロジェクトを発表しています。
ライアットゲームズとUbisoftがゲーム内の悪質な言動に関する問題に取り組むための新プロジェクトを発足 | Riot Games
https://www.riotgames.com/ja/news/riot-games-ubisoft-tackling-toxicity-in-games-with-new-project-ja
この記事のタイトルとURLをコピーする