フリマアプリで出品をしている個⼈ユーザーや、オンラインショップを運営している事業主、中⼩企業のEC担当者にとって、オンラインストアに出品する商品画像の背景除去は、商品を目立たせる必要不可欠なものだ。写真写りが悪いと、売れ残りや出品拒否、広告効果の低下、さらにはブランドの毀損にもなりかねない。
背景除去は通常、画像編集アプリを使用するが、写真撮影時に背景や写り込みに気を配る必要があり、時間とリソースの両方を大きく消費する。
画像編集アプリ「PhotoRoom」は⼤量の画像の背景を⼀度に除去・編集できることを特徴としており、フリマアプリ等に商品を出品する人や事業者だけでなく、⼀般ユーザーにもにわかに注目を集めている。
そこで今回はPhotoRoomの関係者に、人気の秘密やライバルアプリとの違いについて聞いた。
1. Donovan Reboullet氏(ドノバン氏)
役職:グロース責任者
主な職務内容:PhotoRoomの国内外におけるユーザーグロースを担当
2. Justyn Lee氏(ジャスティン氏)
役職:コミュニティ責任者
主な職務内容:PhotoRoomのコミュニティや、コンテンツクリエーターのマネジメント
3. Cato Wolff氏(カトー氏)
役職:コミュニティマネージャー
主な職務内容:PhotoRoomのコミュニティのマネジメント
■ユーザー様との結びつきを強化したい
編集部:自己紹介をお願いします
ドノバン氏:ドノバンと申します。PhotoRoomでは、ユーザー数を獲得するためのグロースの統括やSEO対策を担当しています。
ジャスティン氏::現在、700万人のユーザーがいるPhotoRoomのコミュニティを統括しています。TikTokやInstagramのコンテンツや、それらのインフルエンサーマーケティング、マネージメントを担当しています。PhotoRoomは、ユーザー様との結びつきが大きいアプリなので、私たちもそこを重点的に強化しています。
カトー氏:日本人の名前によく似ていますが、オランダ人です。Artizans of Photo Video Background Editor Appは、世界中からたくさんのメンバーが終結しているので、多国籍な企業です。コミュニティーマネージャーですが、グロースに関わったり、インフルエンサー、コンテンツ作成に関わったり、かなり横断的に仕事をしています。
編集部:PhotoRoomメンバーになったキッカケを教えてください
ドノバン氏:世界的にビジネスを展開をしている企業に勤めたいという想いがありました。PhotoRoomはフランスのアプリですが、米国や日本でも利用されており、積極的に海外展開している。実際にアプリを使用したところ、かなり精度が高く、そちらにも魅力を感じました。
ジャスティン氏::1年半ぐらい前にPhotoRoomのメンバーに加わりました。当時からユーザー様のコミュニティーが存在しており、PhotoRoomのコンテンツをシェアしているのを見て、非常に魅力を感じました。また社内の文化も、スタートアップならではですが、変化が早かったり、成長に貪欲であったり、透明性があったりと、メンバーがスピード感を持ってひとつの方向を目指しているところも魅力を感じました。
実は私自身もECの経験があり、10年前にPhotoRoomに出会っていれば、もっと成功できたのではないかと考えています。PhotoRoomのプロダクトにも魅力を感じました。
カトー氏:私もジョインして1年ぐらいです。海外で展開していること、プロダクトが素晴らしいこと、会社の文化が良いこと、ユーザー様を非常に大事に考えていることに惹かれて入社しました。
■PhotoRoomの強みは、AIによる除去技術
編集部:PhotoRoomの強み、競合アプリとの大きな違いを教えてください
ドノバン氏:技術的な面が一番大きいと考えています。背景除去の精度は業界でもNo.1だと自負しております。背景除去には、最近よく耳にするAIの技術を使用して、多くのユーザー様に使いやすいように日々開発を進めています。
カトー氏:企業としての強みは、いろいろな経験を積んだ人がメンバーになっているところです。コミュニケーションをとり、常にフィードバッグをしながら、お互いに成長しています。ユーザー様と開発者のモチベーションが高いところも、大きな強みだといえます。
ドノバン氏:背景除去以外の強みとしては、綺麗な商品画像を簡単に作れることです。ショップオーナーさん、オンラインで商品の販売をしている人をターゲットにしています。700万人のユーザー様のコミュニティがあるので、フィードバッグがPhotoRoomの改良に日々反映されるところです。
また海外版アプリには、英語のアプリも多いですが、私たちは最初から海外展開を視野に入れているため、その国の言葉にローカライズしています。
編集部:ユーザー様のコミュニティから生まれた機能はありますか?
ドノバン氏:「このフィードバッグがあったから、この機能を作った」という話ではなく、すべての機能でフィードバッグをもらっています。そういう意味で、ユーザー様のフィードバッグは常に製品開発に考慮されています。
■ガンプラ愛好家の中で大ブレイク
編集部:PhotoRoomとして、⽇本をどのような市場として捉えていますか?
カトー氏:日本市場は、世界でも最重要マーケットのひとつとして認識しております。今回来日した理由も、日本企業様とのパートナーシップを強めるとともに、日本のユーザー様の生の声を今後のPhotoRoomのアップデートさせるためです。
ドノバン氏:私たちが日本を重要視したキッカケは、ユーザー様です。日本でのプロモーションを実施する前から、日本のアップルストアでは、PhotoRoomの特集が組まれていた経緯があります。
PhotoRoomは主にECサイトのオーナー様が使用するアプリとお伝えいたしましたが、ガンダムのプラモデル(ガンプラ)の愛好家が、PhotoRoomの背景除去の精度が高いことに目を付け、ガンプラ愛好家の中で大ブレイクしました。
TwitterでPhotoRoomを検索すると、いろいろな方がPhotoRoomを使用した作品を見ることができます。これが日本を重要視する理由でもありますし、私たちもよく見ます。そうしたガンプラ愛好家のため、背景のテンプレートを作成しました。今回の日本の出張では、ガンプラを2体、購入してフランスに持って帰る予定です。ユーザーのためのテンプレートを研究して提供していきたいと考えています。
編集部:日本のガンプラ愛好家のような事例は、海外でもありますか?
カトー氏:海外の事例では、レゴ愛好家があげられます。あとは、背景除去が気に入られて、コラージュ愛好家によく使われます。ガンプラ以外のモデル愛好家やコレクターにも人気があります。自分のコレクションをTwitterにシェアするときに使用されることがあります。
ドノバン氏:日本のガンプラ愛好家に近いところでは、日本のゲームセンターによくあるクレーンゲームのTikTokerさんがPhotoRoomを使用していたという事例があります。
■日本での認知度を高めたい
編集部:⽇本国内における戦略についてお聞かせください。
ジャスティン氏::日本では、PhotoRoomはまだまだ認知度が足りないアプリだと思っています。これから認知度を拡大していきたいと考えています。そのために日本でのTikTock公式アカウントを用意して活動しておりますし、日本でのコンテンツパートナーも50人を越えています。あとは、日本人のユーザー様にピッタリのテンプレートを用意したいと考えています。
ドノバン氏:先週末、クリエイターさんの祭典が東京ビッグサイトでありましたが、そちらにもブースを出して出展しました。ユーザー様との直接の接点が得られたり、フィードバッグが得られたりするところも重視して、展開をしていけたらと考えています。
編集部:PhotoRoomの今後の展望、新たなサービスや展開について教えてください
ドノバン氏:技術力は、私たちのコアな部分なので、そこを伸ばしていきたいと考えています。あとは、AIの技術を活用した新しいサービスを作りたいと考えています。現在の時点で公開できるものとしては、2つあります。
ひとつは、Magic Studioという新しい機能です。たとえば、テーブルの上にコップが載せてあると、そのコップの背景がテーブルからビーチに変更されたり、山の上に変更させたりするものです。そうした背景を自動生成して、背景を変更するもので、太陽の位置による自然な陰も入れられます。同様のものは今までもありましたが、切り貼りしたような背景になってしまうので、本当に自然な背景に見えるものです。
もうひとつは、顔出しをしたくないユーザー様に向けた機能です。たとえば、ワンピースを着たマネキンの写真が、自動的にモデルさんの写真に差し変わるものを開発しています。スタジオを借りて、モデルさんを雇って、写真を撮るというのは、時間やコストが掛かることなので、けっこうお役に立てる機能だと考えています。
編集部:最後に読者へのメッセージを、おひとりずつ頂戴できますか?
ドノバン氏:来日して日本のユーザー様にお会いする機会を得て、いろいろなインスピレーションをいただけました。今後も引き続き、日本のユーザー様から多くのフィードバッグをいただいて、より良いアプリやテンプレートを提供して、皆さまのお役に立ちたいと考えています。引き続き、フィードバッグをいただければ幸いです。
ジャスティン氏::今回、私も日本のユーザー様にお会いすることができ、いろいろなインスピレーションがもらえました。コンテンツのマネージャーをしていることもあり、引き続き、素敵なコンテンツを作っていって、皆さまを楽しませたいと考えています。また、PhotoRoomを通して、皆さまのビジネスに貢献したいと考えております。
Facebookにコミュニティのページを設けていて、現在、3万人の登録者がいます。日々面白いことをしているので、ご興味がありましたら、ぜひ、ご参加いただいて、PhotoRoomに関するフィードバッグをしていただければ幸いです。
カトー氏:二人が先に言ってしまったので、言い残すことがあまりありませんが、日々、日本のユーザー様のために、より良いアプリにしていきたいと常日頃頑張っております。皆さま、よろしければ、ダウンロードしてください。基本的な機能は、すべて無料で使用できるので、ぜひ、PhotoRoomを体験していただけると嬉しいです。
編集部:本日は、ありがとうございました。
背景除去ができる画像編集アプリの中でも、PhotoRoomの背景除去はずば抜けている。PhotoRoomは写真の背景を気にしないで、必要な部分が自動で切り抜ける。基本的な機能は無料で利用できるので、興味を持った人は一度、体験してみるとよいだろう。
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