モニターアームならデスク広々で作業性アップ!メリット+導入時の注意点をチェックしてみる

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スタンドからモニターアームに変更すれば、業務効率はもっと高くなる

 オフィスでも自宅でも、デスク周りの環境を改善したいと思ったとき、地味ながらも導入すると効果が高いのがモニターアームだ。購入時に付属していたスタンドを使うのも間違いではないけれど、それを汎用のモニターアームに交換するだけで、レイアウトの自由度がぐっと広がり、作業性や業務効率を一気に高められる。

 そこで今回は、エルゴトロンのモニターアーム「LX デスクマウントアーム」などを例に、モニターアームに変更することによるメリットや、設置時・使用時に注意しておきたいことなどを解説していきたい。

エルゴトロン「LX デスクマウントアーム」

モニターアームにするとどんなメリットがある?

 モニターアームは、PCモニターに付属している標準スタンドの代わりに使える固定具。デスクの端をクランプで挟み込むなどして多関節アームを支え、その先端にあるVESA準拠のマウントでモニターを保持する、というのが基本的な仕組み。

 まずはモニターアームに変更することで具体的にどういったメリットが得られるのか、ざっと挙げていってみよう。

【メリット1】モニターのポジション調整が柔軟かつ容易に

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 モニターの前後左右位置や高さ、角度を柔軟に調整できるようになるのがモニターアームの一番のメリットだ。

 スイベル(左右への向き変え)、チルト(上下への向き変え)、ピボット(回転)が可能なのはもちろん、そうした機能をすでに備えているモニタースタンドと比べても、可動域がより広くなることが多い。

柔軟な位置調整が可能なモニターアーム。上下左右の移動なら片手でも調整できる

 たとえばスタンドだと、通常はそれごと動かさないと前後方向の移動は不可能だが、モニターアームなら容易。

 デスク面にモニターの下端がぶつかるまで位置を下げたり、スイベルで真横に向けたりするような極端なセッティングもできる。

 ユーザーの好みや姿勢、使い方に合わせた幅広いポジション調整に対応し、作業性を高めることができるわけだ。

【メリット2】モニター下をすっきり、デスクを広く使える

 モニターアームはモニターをいわば宙に浮かせた状態で保持するため、モニターの真下に何もない空間をつくることができるのも利点だ。

 モニタースタンドはモニターの下に台座が必ず存在し、大画面になるほど台座の専有面積も大きくなってしまう。

 が、モニターアームならデスク天板を挟み込むなどして強固に固定できる分、台座は小型。デスクの隅の方で固定すれば、狭いデスクでも作業スペースを広げられる。

モニタースタンドはそこそこ広いスペースを専有しがち

モニターアームに置き換えることで、すっきりした見栄えに

 奥行きが少ないデスクで、ベストなキーボードポジションにしようとするとモニタースタンドに干渉してしまうようなケースでは、モニターアームでスペースを空けることで、ちょうどいいタイピング姿勢を確保できるようになるはず。

 もしくはモニター下にサウンドバーを設置してPCオーディオ環境をグレードアップさせる、みたいな活用方法も考えられそうだ。

【メリット3】奥行きの少ないデスクでも大画面モニターに

 部屋やオフィスが狭かったりして、奥行きの少ないデスクを使わざるを得ないとき、モニターを大きくすることは難しい。スタンドだとどうしてもデスク天板の内側に設置する必要があるため、画面と目の距離が近くなるからだ。

 それもあって小さなモニターで我慢している、なんて人もいるのではないだろうか。でも、モニターアームがあればそんな問題も簡単に解決する。

モニタースタンドだとデスクの内側に置かなければならないので、目と画面の距離は近い

モニターアームだとこんな風に画面を遠ざけられる。大画面モニターも使いやすくなるだろう

 モニターアームを使うことで、デスクの奥側ギリギリ、あるいはもっと向こう側にモニターを設置することができる。

 目からの距離を稼げるので、より大画面のモニターでも無理なく使えるし、大画面になればPCでの作業効率も当然高まる。狭いデスクを使っている人こそ、モニターアームの導入を積極的に考えるべきだろう。

【メリット4】普通のデスクがスタンディングデスクに早変わり

 モニターアームは高さ方向の調整幅も大きい。そのため普通のデスクであっても、立ちながらデスクワークするスタンディングデスクのような使い方も可能になる。

 シッティング向けとスタンディング向けを簡単に切り替えられる高さ調整機構付きのデスクは高価だったりするし、スタンディング専用のデスクを追加で購入するのも予算やスペースの問題で難しかったりするもの。

 しかしモニターアームなら、それより安価に両方の用途に対応でき、しかもその切り替えはすばやく、楽に行なえる。

「LX デスクマウントアーム」は台座の支柱部分でベースとなる高さをある程度調節可能

モニターを高くして立った状態で最適な位置にすれば、スタンディングデスクのような使い方もOK

 別途キーボードやマウスを高い位置で保持する工夫は必要になるが、それは後述するデュアルタイプのアームを利用することで解決可能。コストをかけたくなければ、簡易的な台をデスク上に置いて使う、という方法でもいいだろう。

【メリット5】ケーブルマネジメント機能でデスク周りがすっきり

 モニターに接続する映像ケーブルや電源ケーブルは、デスク周りをごちゃつかせる原因の1つ。

 そのため、エルゴトロンの「LX デスクマウントアーム」などは、アーム部分にケーブル類を保持するためのケーブルマネジメント機能を備えており、ケーブルを極力目立たない形で処理できるようになっている。

 これを上手に活用すれば、目障りな配線を視界から完全に排除して、より広々としたデスク環境で仕事に集中できるに違いない。

ケーブルマネジメント機能が充実している「LX デスクマウントアーム」

ケーブルをまとめる結束バンドも同梱されている

アームに沿ってきれいに配線できた

 ただし、アームに沿わせてケーブルを配線することから、長めのケーブルを用意したり、電源コンセント(タップ)をできるだけ近くに配置したりといった配慮が必要になることがある。

 多関節アームを伸縮させたときにケーブルに負荷がかからないよう、途中で少したるませるなど余裕を持たせておくことも重要だ。

アームを動かした時に負担がかからないよう、ケーブルをたるませるなどして余裕を持たせておこう

モニターアームの設置時や使用時に注意したいこと

 いいことだらけのように見えるモニターアームだが、現在の環境によっては設置前に準備が必要だったり、そもそも設置できなかったりすることもある。面倒を避けるために、購入前にあらかじめ注意しておくべきポイントを紹介しよう。

【注意点1】モニターが「VESAマウント」に準拠しているか

 PCモニター向けのアームは、VESAという規格に準拠した取り付け構造、いわゆるVESAマウントになっているのが一般的。

 アーム先端のプレートを、モニター背面に4本ねじ留めして固定する形で、モニターのサイズや重量によってねじ穴の間隔が異なることがある。

 最も標準的なのは100mm間隔で、小型モニターの場合は75mm間隔の場合もある。VESA規格ではより大きな間隔も規定されているが、PC用のモニターアームとしてはほとんどの場合100mmか75mmのどちらか。

 とは言え、多くのモニターアームは100mmと75mmの両対応となっているため、製品選びの際にそのどちらかで迷うことはないだろう。

モニター背面に用意されているねじ穴を使ってアームを取り付ける。こちらは100mm間隔

「TUF Gaming VG249Q1R-J」は75mm間隔だった

 というわけで、まずはモニター側にVESAマウントに対応するねじ穴が用意されているかどうかを確認しておきたい。

 もしねじ穴がないときはモニターを買い替えることになるが、購入時にはもちろんVESA対応を謳っているモニターを選ぶことを忘れずに。

【注意点2】モニター重量とアームの耐荷重をチェック

 モニターアームを選ぶ際には、取り付けようと思っているモニターの重量がモニターアームの耐荷重の範囲に収まっているかどうかを調べておくことも大切。

 モニターアームの耐荷重を超えるモニターを取り付けてしまうとアームを破損する可能性があるし、高さ調整しても保持してくれず、アームが常に垂れ下がった状態でしか使えなくなったりする。

 反対に、モニターアームの耐荷重の範囲より軽すぎる場合は、モニターを取り付けたときに最も高い位置から下げられなくなる。

 なので、必ずモニターの重量(正確には、スタンドを除いたモニター本体のみの重量)に合った耐荷重を持つモニターアームを選ぶことが不可欠だ。

モニター重量とモニターアームの耐荷重が釣り合っていないと、垂れ下がったままになったり、高い位置から下げられなくなったりする

 なお、耐荷重の範囲内だとしても、購入直後の状態ではモニターの重量に適したセッティングになっていない場合がある。

 高さ調整したときにそのポジションでしっかり保持してくれないようなら、モニターアームのマニュアルを参考に内部のバネの固さなどを調整してから使い始めたい。

「LX デスクマウントアーム」では付属の六角レンチで耐荷重の調整ができる

【注意点3】クランプ式にするか、穴開けタイプにするか

 モニターアームをデスクに固定する方法としては、今回紹介した「LX デスクマウントアーム」のようにデスク天板をクランプで挟み込むタイプのほか、デスク天板に開けた穴を使うタイプがある。

 前者のクランプ式は手間が少なく、多くのデスクで利用できる方法。だけれど、挟み込む箇所の厚みが足りなかったり、分厚すぎたりする場合には向かない。

 厚みが足りないときは、十分な大きさのある板をもう1枚間に挟むなりして対処することも可能ではある(製品によっては推奨されない場合もあるため注意)。けれど、分厚すぎる場合、たとえばデスクの太いフレームが邪魔しているようだと利用不可能だ。

デスクの天板にクランプで固定。天板が薄すぎたり厚すぎたりすると使えないことに注意

 従って、そういうケースでは穴開けタイプを選択することになるだろう。ただし、すでに天板に穴が開いていればすぐに取り付けられるが、そうでないなら穴開け加工が必要。

 穴を開けてモニターアームを設置した後に、モニターを最適なポジションに固定できなかったからといって何度も穴開けし直すことは難しいため、事前に慎重に検討してから作業したい。

【注意点4】デスク背面側に余計に奥行きが必要な場合も

 多関節のアームでフレキシブルにモニターのポジションを調整できるモニターアームだが、その構造上、たとえばモニターをデスク奥側ギリギリのところに設置したいときは、アームがデスクの外側に大きく張り出す場合がある。

 そのため、モニター背面側に余計にスペースが必要になることも考慮に入れておきたいところ。

アームの張り出しは最大で22~23cm。それだけの余裕を背面側につくらなければならない

 つまり、もしデスク自体を背後の壁に寄せて配置しているようなら、壁から少し離さないとモニターアームが使えないことになる。「LX デスクマウントアーム」では最大でデスク背面側に22~23cm張り出すようだ。

 モニターアームのおかげでデスクは広々とさせることができても、部屋のレイアウトは窮屈になる、なんて可能性があるので、頭に入れておきたい。

【注意点5】ゲーミングモニターはLEDが使用不可になることも

 内蔵LEDライトでモニターの外観を彩ってくれるゲーミングモニター。目を引くデザインやギミックが気に入って購入した人もいるかもしれない。

 しかし、標準のスタンドを取り外してモニターアームに置き換えることで、当たり前だがスタンド側に内蔵されたLEDライトが見られなくなる、ということも覚えておこう。

 にぎやかなイルミネーションがなくなり、せっかくのゲーミングモニターらしさが損なわれてしまうのが耐えられないなら、標準のスタンドを使い続けるしかない。

耐荷重・耐久性・機能性の高い信頼あるモニターアームを選ぼう

 事前の準備や注意すべきところはいくつかありながらも、モニターアームに変更することによるメリットは計り知れない。

 デスク周りのレイアウトの自由度が増すことで、業務効率をより高められるようなモニター配置やモニター選びを検討する余地が生まれるし、ノートPCと組み合わせるときも使い勝手を大幅に向上させるような工夫が可能になる。スタンディングデスクのような使い方が低コストで実現できるのもうれしいところだ。

 モニターアームは、安価なものだと数千円で手に入る。今回例として紹介した「LX デスクマウントアーム」は実売2万円前後、「LXデュアルデスクマウントアーム サイドバイサイド」は同4万円前後と値は張るものの、その分質感が高く、頑丈な作りで耐荷重の範囲が広いうえに、アームの動きもスムーズかつ安定しているといった点で優れている。

 現在使っているモニターや、これから新調しようと思っているモニターに合わせて、最適なモニターアームを選びたい。

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