プログラマティック広告は、完璧というにはほど遠い。だがそれでもエージェンシーが抱えるクライアント各社は、そこへの投資を止めない。とくにオンラインディスプレイ広告へのマーケティング支出となると、なおさらだ。
本記事は、DIGIDAYリサーチが100名を超えるエージェンシー関係者を対象に実施した調査結果にもとづくものである。
DIGIDAYの調査によると、クライアントに代わって投資をするエージェンシーのほとんどがオンラインディスプレイ広告に投入していることがわかった。「クライアントがマーケティング予算のいくらかでもオンラインディスプレイ広告に支出している」と回答したエージェンシー関係者は87％で、この数字は2022年からほぼ変わっていない。
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クライアントによるオンラインディスプレイ広告への投資が予算に占める割合について、「中程度」と答えたエージェンシー関係者がもっとも多く（30％）、次いで「大きい」との回答が22％、「小さい」と回答したエージェンシー関係者は20％であった。
つまり、マーケティングチャネルとしてのオンラインディスプレイ広告への投資の規模でみると、エージェンシーと契約しているクライアントのほとんどが概ね真ん中あたりに分布しているということだ。そしてこの傾向は2022年から一貫している。
DIGIDAYの調査では、オンラインディスプレイ広告はクライアントにとって効果的であると確信しているエージェンシーがほとんどであることがわかった。エージェンシー関係者のほぼ全員がオンラインディスプレイ広告の効果についてわずかながらでも確信を持っており、回答者の89％が、オンラインディスプレイ広告というチャネルはクライアントのマーケティングを成功に導くと多少なりとも確信している。
とはいえ、エージェンシー関係者がオンラインディスプレイ広告に寄せる信頼度は変動している。
オンラインディスプレイ広告がマーケティングを成功に導くかについて、「少しだけ確信がある」と答えた人の割合は、2022年から着実に上昇してきている（1年前は15％、6カ月前は25％、2023年2月現在は29％）。同時に、「ある程度確信がある」と答えた人の割合はこの6カ月間に跳ね上がっており、2022年第3四半期には23％だったが2023年第1四半期には31％へと上昇している（ただし1年前の2022年第1四半期には、オンラインディスプレイ広告の効果をある程度確信しているとの回答が33％にのぼっており、この数字はわずかながらそれを下回っている）。
一方、オンラインディスプレイ広告の効果に確信があると回答したエージェンシー関係者の割合は、過去6カ月間で減少している（2022年第3四半期の33％から2023年第1四半期の24％へ）が、これは2022年を通じて33％で安定的に推移した後に低下したものである。
DIGIDAYの調査からは、クライアントがオンラインディスプレイ広告に投資していると答えたエージェンシー関係者は、直販広告よりもプログラマティック広告にお金をかける場合が多く、しかもその金額は大きくなる傾向があることがわかった。
このようなエージェンシー関係者に、直販広告への支出がクライアントのマーケティング予算に占める割合を尋ねたところ、「全くない」、「非常に少ない」または「少ない」と回答した人の割合が4分の3以上（79％）にのぼった。
一方で、プログラマティック広告に割り当てる予算の割合が「中程度」、「大きい」または「非常に大きい」と回答したエージェンシーは全体の3分の2（66％）だった。直販広告への投資が予算に占める割合が「中程度」、「大きい」または「非常に大きい」と回答したのは22%と、4分の1に満たなかった。
直販広告支出がマーケティング予算に占める割合に関しては、今回の調査では「小さい」という回答がもっとも多く、全体の31％にのぼった。一方で、プログラマティック広告への支出がクライアントのマーケティング予算全体に占める割合については、「中程度」であると回答した人がもっとも多く、32％だった。
クライアントがオンラインディスプレイ広告に投資しているというエージェンシー関係者のうち、マーケティング予算に占める直販広告支出の割合が「大きい」と答えたのは4％で、プログラマティック広告支出の割合が「大きい」との回答が24％であったのと比較すると、かなり大きな差がある。また、「非常に大きい」割合を直販広告に支出していると回答したエージェンシー関係者はわずか2％であった一方、プログラマティック広告支出では10％であった。
Julia Tabisz（翻訳：SI Japan、編集：島田涼平）