俳優で演出家の井上裕朗さんが2023年2月28日、公演に遅刻した評論家が、会場での案内に対して激高するトラブルが起こったことをツイッターで明かした。
「芝居を一度止めてやり直した方がいいのではないかと思うレベル」
井上さんは「こないだの公演中に起きた本当の話」と切り出し、トラブルの詳細を報告した。
前提として、「小劇場においては、遅刻されたお客様は券面の席ではなく、誘導上他のお客様のご迷惑にならない席にご案内することが多い」と説明。その上で、
「ところがとあるお客様がそれに不服だったらしく、芝居が既に始まっているのに、劇場全体に響き渡る声で『いいよ、だったら帰るよ!』と怒鳴りはじめた」
と明かした。
投稿によると、その怒鳴り声は「芝居を一度止めてやり直した方がいいのではないかと思うレベルだった」。また、「次の日、そのお客様は招待で来ていたとある評論家であることを知った」とした。
井上さんは、「一般のお客様ならまだしも、演劇文化を愛しているであろう評論家がそのようなことをするなんて、一体どういうことなのだろうか」と疑問を呈し、「立派なハラスメント行為だと思う」と指摘。
「『自分は観に来てやってるのに、大切に扱わないなんてどういうことだ』という意識そのものも残念だし、あろうことか、他のお客様にも迷惑となる行為を働くなんて、とても悲しいことだし許しがたいことだ」と苦言を呈した。
その後、井上さんは1日のツイートで、その評論家を告発したいわけでも、評論家を批判したいわけでもないと説明。「そういった方々につい忖度してしまう我々(というか僕自身)を省みる必要があると思ってのツイートでした」とし、「そしてあの日の他のお客様のためにも、毅然とした態度でいたいと思いました」と決意を表明していた。
このツイートに井上さんの元には、「そういう迷惑な方はお客さまではありません。お帰り頂いた方がみんなの為」「作る側にとっても観客側にとっても災難でしたね」という声が集まっていた。