東京大学・松尾豊教授の「AIの進化と日本の戦略」が分かりやすいと評判 ほか【中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」2023/2/16~2/22】

INTERNET Watch

1. 新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」総括報告書を公表

 デジタル庁が新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の取り組みに関する総括報告書を公開した。COCOAはリリース後に不具合が放置され続けたことや開発費の不透明さなどが指摘されたことから、評判はあまりよくなかった。

 公開された報告書によれば、「最終版のリリース前日までのダウンロード数は約4128万件、陽性登録件数は369万件にのぼる。ダウンロード数は、2020年6月のリリースから3カ月で1700万件に達した」という規模の普及と陽性者登録の数を記録した。また、「利用者アンケート結果によって接触通知を受け取った人のうち7割以上が他人との接触を避ける行動をとったため、『他人との接触を避ける行動を促す』効果があった」としている(ケータイWatch)。

 一方、接触が検知されるまでは「何もリアクションをしない」アプリであることから、「お守り」のような存在になっていて、インストールしていることに意味を感じない人もいた。日々の接触記録は端末に記録され、それを表示することもできたが、一般人にとっては意味の分からない文字列が表示されるだけだった。

 そのデータを解析して、日付ごとに接触の数、接触時間、距離などを可視化するウェブサービスを開発した人も現れた。ただ、残念なことにこのサービスが提供されたのはCOCOAが提供されている期間の末期になってからで、しかも、その存在は広くは認識されるに至らなかった。

 報告書でも指摘されているのだが、こうしたデータを可視化することで、個々人の行動範囲における感染者数の増減傾向をつかんだり、行動変容につなげたりすることもできたはずだ。また、どういう場面での感染リスクがあるかということを具体的に認識するためのツールになり得たのではないかとも思う。

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  • コロナ接触通知アプリ「COCOA」で行動を変えた人は約7割、デジタル庁が報告書[ケータイWatch

2. 「つなぐ力」とは――KDDI SUMMIT 2023

 KDDIが「KDDI SUMMIT 2023」をオンライン上で開始した。

 基調講演で高橋誠代表取締役社長は「つなぐ力を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」というテーマで戦略を語った(ケータイWatch)。「つなぐ力」については「命、そして暮らしをつなぐ、こころをつなぐ、この3つのつなぐを進化させていきたい」と述べた。具体的には「通信インフラの強靱化」を指している。5Gの技術高度化、Beyond 5Gに加え、基地局ではカバーできていない地域、災害時のインフラとして、衛星通信の「Starlink」を活用するとしている。

 また、「サイバー空間にデータを持ち上げ、人流データを分析してシミュレーションすることで、どのように人が動けば行き来がしやすくなるかという結果を得ることが出来、それをフィードバックすることで街がより快適になっていく」と説明。渋滞対策や老朽化インフラへ活用、さらにはロボット、モビリティへの応用例も示した。

 ここのところ、通信会社の戦略というと「経済圏構想」などのマーケティング的なキーワードが前面に出る傾向が強く食傷気味なところもあるのだが、こうして通信技術的な観点での中長期ビジョンを聞くとちょっと安心する。ただ、各社とも同じ技術の方向性での戦略を持っていることから、構想をより早期に実現すること、そしてより具体的な成果を上げることと継続・定着させることが重要になりそう。実証実験だけでは社会的な課題は本質的には解決はなされない。

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  • 「KDDI SUMMIT 2023」基調講演で高橋社長「通信を主軸に『成長の循環』をつくる」[ケータイWatch

3. 東京大学・松尾豊教授の「AIの進化と日本の戦略」が分かりやすいと評判

 「ChatGPT」への関心が急速に高まっているが、その特性を一言で説明できる人は多くないだろう。そのようななか、政府の「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」という会合で東京大学の松尾豊教授が提出した資料が「分かりやすい」とSNSで評判だ。「ChatGPTについては、その学習方法から、高度な会話を実現できた理由、ChatGPTでできること、利用場面や受け取られ方まで網羅的にまとめられている」と評価されている(ITmedia)。

 自分自身、あるいは周りの人への説明をするために一度は見ておいてよい資料だ。

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  • AIの権威による「ChatGPT」の説明が分かりやすい! 東大松尾教授の資料が話題[ITmedia

4. 小学生の4割弱がスマホを所有

 NTTドコモモバイル社会研究所が小中学生のスマートフォン所有率についての調査結果を公表した(ケータイWatch)。それによると、スマホの所有率は「小学生高学年で37%(前年比+4)と、過去最高を更新」したということだ。一方、「中学生は76%(前年比-3)と、上昇傾向とは言えない」としている。

 この結果には地域性もあるのかもしれないと感じる。特に、首都圏やその郊外ではライフラインとして持たせているという家庭も多いのかもしれない。何か事件に巻き込まれたときも、公衆電話も見かけなくなった地域(もちろん使い方も分からない)や閑静な住宅地では時間帯によっては人影が少ないような地域もあり、外からの通知の手段が全くないからだ。

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  • 関東ではスマホ所有率が小5で半数、中2で8割を超える――ドコモのモバイル社会研究所[ケータイWatch

5. スパム(剽窃記事)投稿数の推移のグラフが興味深い

 AIチャットボットを使って生成された「作品」が増加傾向にある。米国のファンタジー・SF系オンライン雑誌Clarkesworldは「投稿の受付を中止する」と発表した(PC Watch)。その理由は「『AIチャットボット』による生成が増えたため」としている。記事中にはこの雑誌の編集長であるニール・クラーク氏のブログから「スパム(剽窃記事)投稿数の推移のグラフ」が引用されている。「どうやって記事の剽窃を見破ったかについて述べていないが、『明白なパターンがある』としている」というところも興味深い。

 それなりの数の文章をレビューしているとそのパターンを見抜けるということか。いずれAIチャットボットの改良が進むと見抜くことも難しくなるのだろう。

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  • 米SF雑誌Clarkesworld、AIによる剽窃作品の投稿増加により受付中止[PC Watch

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