珍しい食べ物を見つけたら積極的に買うことにしている筆者。先日初めて『パルミット』を口に入れた瞬間に思い知った。
“地球はデカい。世界には、まだまだ自分が食べたことのない美味しいものが溢れている!”
パルミットとは、ヤシの木の新芽。ネタとして「うわぁ~!」なんて言いながら食レポするつもだったのだが……。いざ食べたらガチで旨すぎて、ガツンと衝撃を受けたのである。
・ヤシの木の新芽を食べる
筆者がパルミットに出会ったのは、ドンキホーテの輸入食品売り場。540g入り(固形量は300g)で税込み646円であった。
ポップによると中南米やフランスで食べられている食材で、タケノコやアスパラガスに似ているということ。
瓶の中には白い棒状のものが6本。
筆者が知っているヤシの木の外見からは大きくかけ離れている。ヤシの木って茶色いよね?
調べたところ、パルミットはヤシのてっぺんにある新芽、その外皮を剥がした内側にある柔らかい芯の部分をさすのだそう。
新芽を切り取ったヤシは死んでしまう上、1本のヤシからたったの直径3~4cmほどしか採れない。様々な国で高級食材として扱われているんですって。
原材料はヤシの新芽、食塩、酸味料、調味料(アミノ酸)のみと超シンプル。素材の味を楽しむ系なのかな。
・衝撃の味に箸が止まらない
まずは試しに、一番小さくて細いパルミットから食べてみることにした。
お世辞にも美味しそうには見えない ただの白い棒。噛んでみると柔らかく、簡単に嚙み切れた。
味はタケノコとヤングコーンを足して2で割った感じ。すぐに違和感はなくなり、続いてなにこれ? 旨くない!? と衝撃がやってきた。
薄い層になった繊維は年輪のように重なり、「ポリポリ」と「シャキシャキ」を5分の1ぐらい柔らかくした不思議な食感。酸味と塩っけは、ピクルスと水煮の中間ぐらいだろうか。
これで味付けが塩と酸味料とアミノ酸のみってヤバいでしょ。ココナッツって美味しいけど、もしかしてあの味は木に由来しているのかしら?
気がつけばガツガツと箸が進み、あっという間に1本なくなってしまった。
完全にタケノコの上位互換。酸味に違和感さえ覚えなければ、異国料理に抵抗がある方もきっと美味しく食べられるだろう。
本当はパルミットを使ってなにか料理をしてみようと思っていたのだが、もったいない。このままでも十分すぎるほど美味しい。
自然と瓶に手が伸び、2本目を取り出していた。しかもさっきの2倍ほどもある極太サイズだ。
ガブリひと齧り。
……うっっっわぁ、ウッマイよぉ~~!!!!
細いものは全体的にタケノコ的なポリポリとした食感があったが、太いものは中心部がとろけるように柔らかい。例えるならば、鍋でコトコトじっくり煮込んだネギの中心部。
ちょっとヤバい食べ物を発見してしまったかもしれない。これは間違いなくハマる。いくつでも食べたいぐらいだ!
ちなみにパルミットは、タンパク質、食物繊維、カルシウム、鉄分などを含みながらもカロリーや脂質が低く、健康にもよい食品ということらしい。
……が、そんなことは筆者としてはもはやどっちでもよく、ただただ美味しすぎたためご紹介した次第。
タピオカ、マリトッツォ、地球グミに続いて2023年はパルミットが一大旋風を巻き起こすんじゃないか? 筆者はなかば本気でそう思っている。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.