夕飯作るのがイヤすぎるのでネット広告でよく見かける宅配冷凍食「nosh(ナッシュ)」を契約してみた

ロケットニュース24

食は暮らしの基本だ。仕事で疲れ果てたときでも、もしあなたがちょっとだけ手を動かして、自分や家族を料理で幸せにできるならそれは健全なことだし、この記事とは縁がない。

しかし、何を食べたらいいかわからずコンビニの棚の前でボーッとフリーズしたり、そもそもコンビニに行く気力すらなくスナック菓子で夕飯を済ませたりするような筆者の同志なら、ネットサーフィン中に広告が出てくるnosh(ナッシュ)に興味を引かれたことがないだろうか。


・定期的に自宅に届く宅配食「nosh」

noshは、定期的に自宅に届く冷凍の宅配食だ。ワンプレートに主菜と副菜がセットになっている。

「温かいものが食べたい」「でも何っっっにも作りたくないし買いたいものもない」というメンタルやばめの廃人になっていた筆者、先ごろ定期購入を申し込んでみた。

定期購入契約によく見られる「続けるほど割引になる」システムで、価格は1度に注文する個数や累計購入個数によって変動する。

スタート時は6食プランで1食あたり税込698円、10食プランで1食あたり税込599円になる。最終的には1食あたり税込499円にまで割引される。

パンやカップラーメンよりは高いが、ものによってはコンビニ弁当より安いくらいだろうか。

なお、配送ごとに別途送料が1000円~2000円程度かかり、料金は配送先エリアによって異なる。

配送間隔は1週間~3週間まで選べ、スキップや一時停止も簡単にできるので、大きい単位で購入した方が得だろう。宅配便の受取も1度で済むし。


ただし、冷凍庫の大きさには注意!


横18.0cm×縦16.5cm×高さ4.5cmの正方形に近いパッケージで、筆者宅の冷凍室ではほかの食材をすべて出した状態で10食がぎりぎりだった。

かつ、写真のようにパッケージを傾けると、中身が偏る可能性があるので注意。

驚いたのが現代的なメニュー! 宅配弁当といえば高齢者の食事支援のようなものをイメージしていた筆者は、「チキンのバジルオイル焼き」「鮭のマッシュポテトアヒージョ」「豚バラ肉の香醋ソース」といったおしゃれなカフェ飯のようなネーミングにノックアウトされた。

noshは日替わりや週替わりの弁当が自動的に届くのではなく、リストから「好きなものをセレクトしてオーダーする」スタイル。

もし毎回のオーダーが面倒なら、同じものが繰り返し届くように設定することも可能だ。

パンやデザートを含めて全60品あるほか、飽きないように毎週3品、新メニューとの入れ替えを行っているんだそう。

パッケージはそれぞれ「BEEF」「CHICKEN」「OTHER」などメインの食材がわかりやすいカラーリングになっている。調理は容器の端を少し開け、規定の時間(3分~6分程度)レンジでチンするだけだ。

大きなスペースに主菜が入り、小さな3つのスペースにそれぞれ異なる副菜が入っている。主食は基本的に入っていないので(麺やリゾットなどはラインナップにあるが)欲しい人は自分でご飯なりパンなりを用意する。

真四角のボックスに収められたおかずは、若干のレーション感やディストピア感がないわけではない。

おまけに保管時に傾けたりすると、おかずが隣のスペースに越境してしまう部分もある。正直なところ、見た目は「美しい」とは言いがたい。


しかしお味は……


想像以上に美味しいのである! すべてのメニューが塩分2.5g以下だというが、しっかり味が感じられ、ご飯のおかずになりそう。少なくとも「薄味」とは感じない。

「手づくりより美味しい~!」「お店みた~い!」とまでは言えないが、普通に美味しい。

しかも3種の副菜が、それぞれ洋風だったり和風だったり味つけが違っていて、「間に合わせ」ではなくきちんと手を入れて作っている感じがする。

全体的に量は少なめなので、白米などの主食で調整するとよいと思う。あるいは、もともと糖質30g以下で調整されているので、主食を抜いて低糖質の栄養管理にもよさそう。


ほかにも筆者がリピート確定と思ったのは


オリーブオイルがしっかりきいている「鮭のマッシュポテトアヒージョ」


ピリ辛の味つけが美味しく、パンに挟みたくなる「ビーフケバブ」


冷凍唐揚げのフニャフニャ感をソースがうまくカバーしてくれる「油淋鶏」といったメニュー。


・ここがよかったnosh!

紙素材でできた容器はメニューにかかわらず同一のため、食べ終わったら何枚でも重ねられる。かさばらず、捨てやすいのが大変よい。ゴミ分別に厳しい自治体にお住まいでも廃棄が楽だと思う。

また、少量ながら味つけや素材の違う副菜が3種もあるので、いろいろな食材が食べられるのもGOOD。どれも特定の料理というよりは「○○と□□をあえたヤツ」といった汎用性のある家庭料理風。

言うなれば「名もない料理」で、それも「ちりめんじゃこ」「ひよこ豆」「クラッシュアーモンド」といった自分で料理をしていたら使い切れない or 思いつかないであろう食材なのもよかった。

なにより「今日夕飯どうしよう……」と考え込む時間から解放されるのが素晴らしい。冷凍庫を開け、レンジでチンするだけで夕食が終わる。

低糖質にするならnoshだけで済ますのがよいのだろうが、筆者は足りないので時間があるときに作っておいた冷凍おにぎりと一緒に解凍している。


・いくつかの難点はあるが…

すべての食材がワンプレートに盛られ、レンチンだけで完成するnosh。言い換えれば「ソース後がけ」「仕上げに薬味をちらす」といった美観を整える工程もまったくない。

前述したとおり、おかずが仕切りを越えて侵食していることもあり、「美味しそう!」と思わせる見た目にはやや欠ける。

こぼれたものを箸で整えたり、センスのある人なら手持ちの食器に移すだけでもだいぶ印象が変わるだろう。

また、おそらく水分含有量によるのだろうが、食材によって温まり方が異なるので、すべてのおかずを均一に加熱するのが難しかった。

noshを頼んでいる時点で「ひと手間たりともかけたくない!」というのが本音だとは思うが、これも皿を分けて加熱すると解決するかもしれない。

揚げ物の再現など「冷凍食品が苦手とするもの」は、ソースがけになっているなどよく工夫が凝らされていたが、出来たての食感とはいかないのもまた事実だ。

ちょっとだけ注意が必要なのが魚系のメニュー。といっても味の問題ではなく、魚はレンジで温めると匂いが強くなるため。

主菜がシーフードのパターンのほか、副菜に少~しだけツナが使われているようなセットも匂いが強い。ただし味は美味しいので、匂いが気にならなければ問題はない。

これらのことを気にしなければ、料理の味つけとしてはかなり美味しいと思った。総じて「出来たて」や「手づくり」の美味しさには到底かなわないものの、冷凍食品としては十分に楽しめる。

むしろ、よくここまで「種類の異なる複数の料理をそのまま保存」という技術が進化したなと感嘆した。

「いろいろな味をちょっとずつ」食べる日本の弁当スタイルは、「食べた」という感覚が十分に残る。筆者は今のところ満足してる。まとめてオーダーして、冷凍庫にストックしておくと安心だ。科学の進歩って素晴らしい!


参考リンク:nosh
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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