不思議な魅力とロマンに溢れる役所の食堂。お得な “役所メシ” 探しは、庶民が手軽に楽しめるトレジャーハントでもある。先日行った新宿区役所の食堂があまりにも最高だったので、この調子で別の役所メシにもチャレンジしてみたい。
というワケでやって来たのが、東京都港区役所の職員食堂「レストラン・ポート」だ。港区……正直「港区女子」というワードくらいしか思い浮かばないが、果たしてどんな食堂なのか? 慣れない場所なので緊張しつつ、さっそく入ってみることに。
・港区の役所メシ
港区役所は浜松町駅から徒歩10分、大門駅と御成門駅からそれぞれ徒歩5分ほどの場所にある。職員食堂は最上階の南側11階だそうだ。地下にひっそりあった新宿区役所とはえらい違いである。
平日の7時45分から8時45分までが朝食、11時から14時までが昼食となっており、入口の案内によれば夜の営業は予約制らしい。それもちょっと気になるが、今回はランチ目当てで11時の開店とほぼ同時に入店した。さすがに人はまだまばらだ。
注文は食券制で、日替わり定食・カレー・うどん・そばといったスタンダードな食堂メニューが並んではいるものの、ぶっちゃけ普通かなぁ。低カロリーを売りにした『ヘルシーランチ』(税込680円)あたりが変わり種っぽいっちゃ変わり種っぽいけど、さてどうするか……。
とここで、『ご当地ラーメン祭り』(税込600円)なる謎のボタンを発見。どうやら週替わりで全国各地のラーメンを販売しているようだ。この日は『能登いしるラーメン』とのことでキミに決めてみた! 能登のラーメンなんて初めて食べるよ。
ぐる~っと回った先で食券を出し……
料理を受け取る。運よく窓側の角の席が空いていたため、ありがたく陣を敷かせていただいた。11階だけあっていい眺めだ。
で、こちらが噂の『能登いしるラーメン』。器といい全体の彩りといい、役所メシらしからぬグッドルッキング麺である。半分ながら卵が入ってるのも嬉しいね。そこはかとなく “港区” を感じさせるオシャレな佇まいだ。困ったら家系ラーメンを選んでしまう自分を少しだけ恥じた。
「いしる」は日本三大魚醤の一つだそうで(初めて聞いた)、野菜の旨みも加えたふくよかな香りが漂う一品とのこと。ただ正直な感想を言うと、クオリティー的には食堂とラーメン屋の中間、むしろ食堂寄りといった感じである。おいしいけどね。
なので、あくまで区役所の食堂ラーメンであるということをどうかお忘れなく。そこんとこヨロシク。ふぅ……一息ついた私は、ここでふと窓の外に目をやった。すると次の瞬間、とんでもないことに気付いてしまった。
つーか景色ヤベェェェェェエエエエエ!!!!
・ウルトラ絶景
おいおい、マジかよ! すぐそこに東京タワーあんじゃん!! 近ッッ! もしかして「レストラン・ポート」って、東京タワーが日本一キレイに見える食堂なのでは? こんなん特等席以外の何物でもないぞ! S席だろ、S席!!
港区のど真ん中で周囲をビルに囲まれている港区役所。距離を考えると、本来ならば東京タワーは他の建物に邪魔されてハッキリとは見えないはずだ。ところが、区役所のすぐ向かい側に増上寺(ぞうじょうじ)があることで、食堂の窓から東京タワーまでの障害物がほぼ消えるという奇跡が発生。
これにより、東京タワーが上から下までくっきりしっかり見えるのである。こんな眺めがスゴい職員食堂、他にある? 払ったのはラーメン代だけで、特別なチャージ料は何も発生していないぞ。穴場にもほどがあるだろ。
ただし、窓際の席は限られているため、特にお昼時は確保が難しいかもしれない。もちろんどの席からでも東京タワーは見えるが、やはり窓際からの眺望は別格。この絶景を独り占めしたい人は、私のようにオープン直後を狙った方がいいだろう。
もし混雑していて窓際に座れなかったとしても、どうか安心してほしい。食堂を出た通路には大きな窓があって、実はここが最強の撮影スポットになっているのだ。窓に近付いてみると……
こんな感じです。
港区役所の職員食堂「レストラン・ポート」は、東京タワーを一望しながら食事を楽しめる隠れた絶景ポイントだった。誰でも利用が可能なので、ぜひ覚えておいていただきたい。ただし、飲食物の持ち込みは禁止だ。持参した弁当等を席で食べることはできないので、その点だけ注意してくれ。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 港区役所職員食堂 レストラン・ポート
住所 東京都港区芝公園1-5-25 港区役所11階
時間 7時45分~8時45分(朝食)、11時~14時(昼食)
休日 土日祝、12月29日~翌年1月3日