Android向けやPC向けのアプリケーションを作成することの容易さに比べ、Apple製品向けのアプリケーションを作成するには「お金がかかる」と、ソフトウェア開発者のデイブ・ベネット氏が苦言を呈しました。
Apple doesn’t want you developing hobby apps – Bennett Notes
https://www.bennettnotes.com/notes/why-does-apple-restrict-hobby-development/
アプリを作るのが趣味だというベネット氏は、Android向けに「自作の土壌センサーと連動して植物が乾燥したときに通知を送ってくれるアプリ」などを作成して楽しんでいましたが、次にiOS向けのアプリを作ってみたいと考えるようになったそうです。
しかし、ベネット氏がiPhoneでとあるセンサーを読み取るためのアプリを開発してから1週間後、突然アプリが起動しなくなってしまったとのこと。
ベネット氏は「どうやら、Appleのアプリ開発ツール『Xcode』が提供するプロビジョニング証明書は1週間しかもたないようです。このまま使い続けるには、毎週Xcodeでアプリを作り直し、iPhoneにアップロードしなければなりません。もしくは、年間99ドル(約1万3000円)のApple Developer Programに登録するか……」と苦慮しています。
ベネット氏が開発したアプリはApp Storeに公開していない完全に個人向けのアプリであり、自分以外の誰かが使うことを意図したものではないとのこと。しかし、上記の通り定期的なアップロードを行う以外にアプリを使えるようにするにはApple Developer Programに登録する必要があるため、「なぜ配布されていないアプリにお金を払う必要があるんでしょうか」とベネット氏は懐疑的。
ベネット氏は「誤解のないように言っておくと、App Storeで配布するアプリに関してはお金を支払うルールに納得します。Appleのサーバーとアップデート、レビュー、支払いなどを処理するインフラを使用しているからです。しかし、私のデバイスにだけ存在し、他のどこにも存在しないアプリにもお金を要求するのはかなり貪欲に思えます」と意見しました。
この意見に対し、ソーシャルサイトのHacker Newsでは「コンピューターとは何かという概念全体に対する攻撃と感じられます。パーソナルコンピューターの画期的な点は、それをプログラムして新しいことをさせることができる能力にあるのだと思います。単なる機械ではなく、機械を作るための機械なのです。その能力を取り去るAppleの行為は、単に迷惑であるとか、不便であるというだけではなく、根底にあるコンセプトや概念に対する、ある種の裏切りです」というコメントが投稿されました。
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