核磁気共鳴画像法(MRI)は、水分量の多い脳や血管などを画像化する方法で、現代の医療現場にとって欠かせない技術となっています。そんなMRIスキャンの際には、撮影の支障となるほか、電子機器の故障にもつながることから、MRIスキャンの際には金属製品の持ち込みは一切禁止とされています。しかし、隠し持っていた拳銃がMRI装置の近くで暴発し、男性が死亡する事故がブラジルで発生しました。
Pro-gun lawyer shot with own weapon by MRI scanner dies
https://www.telegraph.co.uk/world-news/2023/02/10/pro-gun-lawyer-shot-gun-mri-scanner-dies/
Freak Accident Kills Man After MRI Machine Triggers Loaded Handgun : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/freak-accident-kills-man-after-mri-machine-triggers-loaded-handgun
銃規制に反対する弁護士のノバエス・マティアス・デ・ノヴァエス氏は、2023年1月16日にブラジル・サンパウロのキュラ病院でMRIスキャンを受ける母親に付き添っていました。
MRIは強力な磁石と電磁波を利用して、体内の断面図を撮影するため、MRIスキャンを受ける人は電子機器や装飾品などの金属製品の持ち込みが禁止されています。ノバエス氏もこの規定に従い、金属製品を取り外すように警告されましたが、腰に拳銃を隠し持っていたとのこと。
その後具体的に何が起きたのかは不明ですが、MRIスキャンが始まるとノバエス氏の腰から銃が引き抜かれて暴発し、銃弾が腹部に命中しました。2週間以上にわたる懸命な治療が行われましたが、2023年2月6日にノバエス氏は死去しました。
キュラ病院は「これまでの慣例と同様に、医師は患者と付き添いの人物に対し、検査室への金属製品の持ち込み禁止に同意を求めました。ノバエス氏とその母親の両者は同意の署名を行いましたが、ノバエス氏は拳銃の所持について言及せず、自己判断で検査室に入りました」と述べています。
MRIの強力な磁力による事故はこれまでにも複数件発生しています。2013年にはアメリカ・イリノイ州の病院で、強盗事件の調査を行っていた警官の拳銃がMRIの磁力によって抜き取られ、MRIに拳銃が吸着する事故が発生しました。
また、2018年にインド・ムンバイの病院で、酸素ボンベを持った男性がMRIに引き込まれ、衝撃でボンベから漏れた液体酸素を吸い込んで死亡する事故が発生しています。
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