今年もバレンタインデーがやってくる。バレンタインと言えばチョコレート、さらに言えば「手作りチョコレート」の季節である。おそらく多くの女性は1度くらい、この時期に手作りチョコに挑戦したことがあるハズだ。
一方で「チョコ作ったことがあるぜ」という男性は滅多にいないハズ。当然ながら45歳の私（サンジュン）も手作りチョコの経験は無いが、人生は何事もやってみなければわからない。「まあ、チャレンジしてみっかー」と軽い気持ちで手作りチョコに挑戦したところ、完全に女性の気持ちを理解した……つもりだ。
・山ほどの面倒くささ
ぶっちゃけた話、私は当初「チョコなんて溶かして固めるだけでしょ？」と考えていた。仰る通り、今回手作りしたチョコレートは溶かして固めるだけだったので「簡単じゃん（笑）」と言われたら「その通りです」と申し上げるしかない。
だがしかし、自分で手作りチョコにチャレンジした結果、手作りチョコレートには「それだけではない面倒くささ」が山ほどあることを思い知らされた。女性のみなさん、今まで「溶かして固めるだけっしょ？」とか思ってて本当にごめんなさい。
・最初から面倒くさい
さて、その面倒くささの第1関門は「どんなチョコレートを作ろうかな？」と考えるところから始まっている。どうせ渡すのは当サイトのおっさん連中、どんなチョコでも構いやしないのだが、それでも手作りする以上、美味しいチョコを食べて欲しい。
結果、私はチョコレートの中にフレーク・ドライフルーツ・ナッツを入れることにした。なるべく手間がかからず最高のパフォーマンスを出す。この時点で「なんで俺がこんなことを考えなきゃいけないんだ」と、早くもイラついていたことを正直に告白しておく。
で、お次の「買い出し」もイラつかずにはいられなかった。100均で「チョコレートの型」や「箱」を選んだのだが「どうでもいいわ！」と思いつつも、本当にどうでもいいわけでもないから超厄介。チョコ作りの前にかかる心のカロリーはいかほどか？ この時点でイラつきはMAXに達しようとしていた。
・作るのは簡単だけど
逆にチョコレート作り自体は、もしかしたらさほど苦しくないのかもしれない。というのも「料理する楽しさ」があるため、イライラも多少は収まった。まあでも面倒は面倒なので「買った方がいい」という意見には1000％賛同する。それでもあえて手作りを選択する女性の気持ちは、それだけで尊いハズだ。
またチョコを作っている間はいいのだが、後片付けがこれまた面倒！ チョコまみれになった鍋が水で固まってしまったときの絶望感なんぞ、男どもにはわかるまい。さらに言えば箱詰めやラッピングも込みで、手作りチョコは “面倒くささの集合体” と申し上げていいハズだ。
・愛あればこそ
結果的に私が感じたのは愛──。唐突なようだが “愛” である。こんなに面倒くさいこと、愛が無ければ絶対に無理！ 相手に喜んでもらいたい、自分の思いを最大限に伝えたい……愛がなければ手作りチョコなどとうの昔に絶滅したハズ。要するに手作りチョコは、まさに “愛の結晶” なのである。
で、完成したチョコレートは形が不揃いではあるものの、味は全く悪くない。まあどうせ相手はおっさん達だ、こんなもんでよかろう。とはいえ実際にかなりのカロリーを消費して作ったのだ、喜んでくれるといいなぁ。
──翌日──
メンバーたちが出社してきたところで、いよいよ手作りチョコをプレゼント！ なにこれ、意外とドキドキするんですけど!! おっさんがおっさんにチョコを渡すだけなのに！ 相手も戸惑うに違いないが、ちょっとは喜んでおくれよ!!
GO羽鳥「マジで？ 手作りしたの!? すごいじゃん！ 味もいいよ。というか、すぐに全部食べちゃったよ！ 本当にありがとう!!」
あひるねこ「え、自分で作ったんですか？ すごいですね。味も手作り感があって美味しいですよ。ありがとうございます」
砂子間「僕にもあるんですか。アザス！ 味もいいですね。わざわざありがとうございます！」
中澤「え、手作り？ あ、ありがとうございます。味はいいですね、普通に美味しいですよ」
和才「手作りですか？ どうもありがとうございます。いや、美味しいですよ。なんかありがとうございます」
原田「どうもありがとうございます。なんかアポロみたいな味で美味しいですね。いや、嬉しいです。ありがとうございました」
意外にもおっさんの手作りチョコに喜んでくれるメンバーたち。そうそう、それでこそわざわざ作った甲斐があるってもんよ！ ちょっとウレP!! ……が、最後にチョコを渡したあの男が、まさかまさかの一言を発したのである。
Yoshio「あ、俺は手作り無理なんで」
アアッ？
貴様ァァァアアアアア！
このクソヴォケがァァァアアアアア!!!!
おととい来やがれこん畜生め!!!!!
滅びろ！ 滅びろ!! 今この瞬間に滅びるがいい!!!!!
多少大げさではあるが、軽くあしらわれた瞬間、私はマジでブチギレそうになった。実は私も手作り料理が苦手なのだが、今回の経験を経て「あんまりそういうこと言っちゃいけないな」と素直に思った。なぜなら手作りはそれ自体が愛──。愛を無下にする男など、さっさと滅んでしまえばいいさ。
・ありがとうございます
さらに今回私は相手が相手だけに気楽なチョコ作りであったが、これが好きな相手だったらどうだろう？ 全ての工程に緊張感が加わり、最後は1番良く出来たチョコを選ぶんだろうなぁ。尊い、マジで手作りチョコは尊い。もはや「尊さしかない」と断言してしまおう。
というわけで男性諸君！ もし手作りチョコをもらう機会があるならば、シャイぶってる場合じゃねえ！ 精一杯の気持ちを込めて感謝の言葉を伝えるように!! なんならみんなも1回でいいから手作りチョコに挑戦してみたらいいと思うよ！
執筆：P.K.サンジュン
Photo：RocketNews24.
