プロ野球の世界には、「2年目のジンクス」と呼ばれる言葉がある。
1年目は大活躍したが、2年目になって相手に徹底的に研究されたことや、1年目の疲労が抜けず心身のコンディションが整わないのが原因で、成績を落とす選手が少なくない。
「新人王」大勢の2年目は
通算207セーブをマークしている山崎康晃(DeNA)も、プロの厳しさを味わった。新人の15年は58試合登板で2勝4敗37セーブ7ホールド、防御率1.92と大活躍だったが、翌16年は59試合登板で2勝5敗33セーブ7ホールド、防御率3.59とセーブ数を減らし、防御率が悪化した。
昨年のルーキーで最も活躍した選手が、巨人で守護神を務めた大勢だろう。
隅田知一郎(西武)の外れ1位で入団。関西国際大では故障で投げられない時期が長く、目立った実績を残していなかったため1位指名に懐疑的な見方もあったが、スカウトの目に狂いがなかったことを証明した。
スリークォーターとサイドスローの中間の位置から右腕を繰り出す変則フォームで、最速159キロの直球、スライダー、フォークを武器に安定した投球を続け、守護神抜擢に見事に応えた。57試合登板で1勝3敗37セーブ8ホールド、防御率も2.05をマーク。新人の30セーブは史上4人目の快挙で、新人王のタイトルも獲得した。