東京都内の電柱で、正体不明の芸術家バンクシーの作品らしき絵が見つかったものの、2023年1月24日までに目隠しされたことが分かった。
電柱を管理する東京電力パワーグリッドは取材に「現場の混乱回避と景観保護のために張り紙防止シートで被う対応をしました」と話す。
「これは心から残念です」
絵は、東京・表参道の路地裏にある電柱で見つかった。トランクケースを持ったネズミが傘をさしている落書きだった。
同じとみられる絵が、19年1月に東京都港区の防潮扉で発見されている。小池百合子都知事は当時、「バンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました!東京への贈り物かも?カバンを持っているようです」と興奮気味にSNSで報告していた。
都は「公共物への落書きは決して容認できるものではありません」としつつ、都民からの要望を踏まえ、日の出ふ頭2号船客待合所に展示している。
今回の絵は、1月中旬にフジテレビが紹介するなどして注目を集め、バンクシーとの関連が取り沙汰された。近隣店舗の担当者は「夜は人通りも少ないので来日したことがあるなら本物かも」と推測する。
しかし、電柱を管理する東京電力パワーグリッドは20日、シートで覆って見えないようにした。ツイッターでは惜しむ声が見つかり、「バンクシー展GMOデジタル美術館」を主催するIT大手GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長は「東電さん。これは心から残念です。バンクシーも悲しんでると思う」と落胆した。